子供の頃からゲームセンターで腕を磨いてきた、ホンダ・シビックEK9で運ぶクリスマスケーキ。
静岡県三島市にある“洋菓子エレン”は、シャンテリーロールや硬めのプリンが定番人気の、地元民から愛されるケーキ屋さんです。今回取材させて頂いた「ホクハルRXさん」は、愛車のホンダ・シビック タイプR (EK9)で、このお店のクリスマスケーキの配達をしているとのこと。いったいなぜ、足回り硬めのシビックで配達をしようと思ったのか?シビックに乗るようになったのかを伺ってみました。
今回は、ホクハルRXさん×シビック タイプR (EK9) の お話をお届けします。
―――ケーキは無事だったのでしょうか?クリスマスケーキって、誕生日ケーキと同じくらい絶対に失敗出来ないケーキですよね?
あはは(笑)!確かに!というか、僕自身も初の試みで心配だったので、減衰力をできる限り弱くして、急発進急加速を避けた、とにかくケーキに優しい運転で配達しました。その甲斐あってか、お届けした方全員から「大丈夫だったよ〜」と連絡がありました。
―――そもそも、なぜ配達をしようと思ったのですか?
イニシャルDという漫画を模してといいますか……、藤原とうふ店みたいに、ケーキを運ぶシビックというのがあったら面白いんじゃないかと思ったんです。
洋菓子エレンは祖父が営んでいるんですけど、相談したらOKが出たので、知り合い限定で募集して、サンタの格好で家に届けたというわけです。遠いところだと店から30 kmくらいあったけど、静岡から四国までドライブ感覚で運転する距離ガバ勢なので全然余裕でしたね。結構好評だったので、今年もやろうかなと検討中です。
―――非常に面白い試みですが、お祖父様がよくOKを出しましたね。
父がイニD好きなので、それで慣れているんですよ(笑)。また、何やら言い出したな……的な(笑)。僕がクルマ好き、イニD好きになったのも、そんな父の影響なんです。父にくっついて、保育園の頃からゲームセンターおいてあるイニDの運転するゲームをしていたんですけど、アクセルペダルに足が届かないので、父の膝の上に乗ってハンドルをガチャガチャしていましたよ。一人でもできるようになり、やっていくうちに運転もどんどん慣れてきて、2人で店内対戦をよくやっていましたね。
イニDって、毎作品ごとに車種性能の差があるんですよ。例えば、バージョン2だとホンダ・インテグラ DC2が いろは坂 の下りがものすごく速かったりとかね。だけど、強いクルマで勝っても楽しくないからと、インテグラに似ているシビックEK9で勝とう!ということになって。それからEK9にハマって、バージョン3でも使い込んで、いつの間にか愛着が湧き、気付けば現実世界の愛車もEK9になっていたというわけです。
―――まさに、夢が現実にって感じですね。
中古で探し始めた時に、シビックEK9に乗ることは運命だったんじゃないかと思うことがありましてね。
―――と、いいますと?
昔から、ハンドルネームに“ホクハルRX”という名前を使っているのですが、このRXというのはガンダムの型式番号なんです。そしたら、EK9にもアルミペダルや純正CD+前後スピーカーなど、モデル末期に登場した装備てんこ盛りの“R・X”というグレードがあることが分かりまして。それを知った時、これは運命に違いないとときめいてしまって、タイプR・X (2000年式)を購入しました。
―――それは確かに運命を感じてしまいます……。ちなみに、念願のEK9はいかがでしたか?
まずは、VTECってすごいなと思いました。よく、VTEC沼なんて言われているのは知っていましたが、僕はそこに惹かれたのではなく、あくまでもイニDに出てきたクルマだったからEK9を愛車に選んだわけで、エンジンなんて特に気にも留めていなかったんです。だけど、実際に乗ってみると、6200回転くらいから もう一個エンジンがあるんじゃないか?というくらい胸のすく加速をしてくれて、それがとても面白くて。
気付けば街乗りや通勤のみならず、週末の長距離ドライブなどガンガン乗りまくるようになりました。走行距離8万kmで購入したのですが、7年経って21万5000 kmとなっております(笑)。
―――ということは、13万5000 kmも走っているんですね。故障などはしてないのですか?
当たりの個体だったのか、今のところセンサー類とセルモーターが故障したくらいで、あとは何もないです。仲良しの先輩に、30万kmまでは慣らしだと教えてもらったので、それまではメンテナンスをしながら目一杯乗ろうと決めています。
ちなみに、先週は山口県に、来週は北海道に行く予定なんですよ。いろいろな場所で写真を撮って、一緒に旅をしたいなと思いましてね。それに、EK9と旅をすると、素敵なことが沢山起こるんです。
―――今までに、そういったことはありましたか?
納車されて2年目のときに、伊東にドライブに行ったら、ボンネットを凝視してくる人がいらっしゃったんです。じーっと見てくるので何だろうと思っていると、なんとその方は脇阪寿一さんでした。まさか憧れの選手に会えるなんて思ってもみなかったから、すごく感動しました。脇阪さん、僕、EK9の3ショットで写真を撮ってもらえたのも、とても良い思い出です。
他にも、このクルマに乗っていたからこそ出会えた人、いけた場所、ケーキだって届けられるようになったわけです。だからこそ、労わりながら大事に乗っていきたいし、あくまで純正に戻せる仕様でホイールやマフラーなどもカスタムしていきたいと思います。
日本全国を旅するために、メンテナンスをしつつ、絶対に手放すことはないというホクハルRXさん。1秒でも共にしたいと語る声は、愛に満ち溢れていました。目指せ!30万km!これからも、安全運転で素敵なカーライフを!
【X】
ホクハルRXさん
【Instagram】
洋菓子エレン
(文:矢田部明子)
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