積年の片思いが叶った! 僕にピッタリなスポーティーFRセダン「コンフォートGT-Z」
今回取材させて頂くのは「クラウンコンフォート」ではなく、関東のトヨペット店で半年間受注生産された「コンフォートGT-Z」というクルマです。
2003年にFRセダンをベースに、スーパーチャージャーやTRDの減衰力4段階調整式スポーツサスペンションを装着するなど、トヨタテクノクラフトがコンプリートカーとして開発したスポーツセダンが「Kさん」の愛車です。
今回は、Kさん×コンフォートGT-Zのお話をお届けします。
――半年間受注生産ですか。当時、話題になっていたのですか?
少なくとも、私の中では話題になっていました(笑)。実際のところどうだったか?と聞かれると、関東のトヨペット店限定の販売でしたし、販売台数は約60台だったということだけ伝えておきます(笑)。
――60台!? ということは、現存しているのが奇跡のようなクルマですね。どうやって手に入れたのですか?
新車で!……と言いたいところですが、私はそれが叶わなかったんですよ。横浜に実車が展示されるということで実際に足を運んで見積もりを取ったら350万円で、とてもじゃないけど買えないと諦めたんです。
それに、350万円も払うなら、そうだなぁ……当時だとインプレッサやランサーなどの、280馬力クラスで4WDのワンランク上の走行性能を持つクルマが買えたから、ちょっとそこまでは払えないかなと感じたんです。
――なるほど。何となくその感覚は分かります。というのも、私の中でこのクルマはタクシー、もしくは教習車というイメージで、実際に私が教習所で乗っていたのもノーマルのこのクルマでした。
そうそう!当時私は32歳でしたが、そんな感じでしたよ。だからこそ、私も最後の一歩が踏み出せなかったんです。だけど、どうしても頭から離れなくて、暇さえあればカーセンサーでちょこちょこ探して13年……。“欲しい”という思いはどんどん募っていきました。
――13年!? ず、随分と探しましたね……。そして、よく諦めなかったですね!
手に入らないかもしれないと思うと、ますます欲しくなってしまったんです。でも、販売された個体数が少ないからサイトにすら掲載されなくて……。だから、2016年に見つけた時は、直ぐに埼玉まで引き取りに行きました。
――おぉ!それはそれは!長年の片思いが実りましたね♪
はい♪ そして、13年越しのコンフォートは、やっぱりカッコ良かったです。
後ろのちょこっとしたウイングや、フロントからリアに至るまでの形など、自分たちが免許を取って「さあクルマを買おう!」ってなったときに安く買えた80年代の独特の、具体的な車種を出すとランサーターボっぽいデザインが懐かしくて、すごく胸に響いたんです。
あっ、ランサーターボというのは個人的な主観ですよ?
それと、1番“これこれ!”となったのは、エンジンにスーパーチャージャーが搭載されていたことです。
――スーパーチャージャーが付いているなんて、周りの方にも驚かれるんじゃないですか?
そうなんですよ。まさか!? って感じでしょう? そして、これがまた良い仕事をしてくれるんです。
以前に乗っていたMR-Sもそうですが、150馬力前後のエンジンが大好きなんです。200馬力や300馬力のクルマは魅力的だけど、私の力量だと持て余す感じがするから、これくらいが自分にピッタリだと感じているんです。
例えば、これくらい進みたいってアクセルを踏んだら、丁度良いタイミングでついてきてくれる、とでも言いましょうか。速すぎもしないし、遅すぎもしない、自分の意思と同じように加速してくれるというんですかね。
あとは、スーパーチャージャーが効いた時の音が好きなので、運転席の窓を少しだけ開けて音を楽しんでいます。
――おお!じゃあ、走行距離がどんどん伸びてしまいますね。
そうなんです。年数もそれなりに経っているから不具合も多くなってきて、愛車に迎え入れて8年経ちますが、デフを2回修理しました。先日3回目の修理かな? ということがありましたが、これは自然に治ったんですよ。今は何も起こりませんように……と祈っている状態です。
―――原因不明の3回目が1番怖いです……。
不思議な話なんですけど、長期の休みをもらったので伊勢神宮に2泊3日で旅行に行くことにしたんです。で、その途中で静岡県にある久能山東照宮に寄っておみくじを引いたら“凶“でね。しかも”旅先西は凶“と書いてあったんです。
これから西に行くんだけど……と思いながら高速に乗ったら、浜松の手前でデフから異音がして、仕方ないから高速を降りて自宅のある関東へ引き返しました。
でも、三島を過ぎた辺りから異音が小さくなって、家に着く頃にはすっかり治っていました。今は伊勢神宮に行く時じゃなかったのかなぁ……なんて思っています。
――怖いっ! 背筋がゾクゾクします。最後の最後で、こんなネタをぶっ込んでくるなんて!まだ夏じゃないのに……
あはは(笑)。まぁ、一応ね♪ 不調もそれなりに出てきましたし、ドアモールなどあちこち塗装が痛んで見せられるようなクルマじゃないですが、ちょっとずつお金を貯めて修理したいと思っています。
お金があるわけじゃないけど、乗っていて楽しいから、これからも自分なりに手をかけて大事にしていきます。
“クルマは楽しい方がいい”と、インタビュー中に何度も言っていたKさん。念願だった伊勢神宮に行ける日は、もう少し先かな?と笑っていました。
そういった珍道中(?)が乗っていくうちにどんどん増えていき、それが思い出となり、クルマへの愛着がどんどん増えていくのだと語ってくれました。
(文:矢田部明子 写真:Kさん提供)
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