高校時代に惚れた510ブルーバード。数々の思い出とともに走り早20年
ガソリン自動車誕生から、現代までの自動車技術や文化の発展の歴史、世界の代表的なクルマが展示してある“トヨタ博物館”に、中学校2年生の頃から足繁く通っているという「datsunP510GLさん」。
展示してあるクルマを眺めながら、「免許を取ったらどんなクルマに乗ろうか?」と妄想するのが、幸せのひと時だったと照れくさそうに話してくれました。
今回は、datsunP510GLさん×510ブルーバードのお話をお届けします。
―――トヨタ博物館が近くにあったら、私も確実に通い詰めていると思います
そして、僕のように影響されまくってしまうというわけですね(笑)。
―――おそらく……(笑)。ところで、トヨタ博物館ってメーカーを問わずに色々なクルマが展示されていると思うのですが、その中でも510ブルーバードを好きになったのは何故ですか?
高校3年生の頃に、トヨタ博物館が主催したクラシックカーフェスティバルのパレードで、510ブルーバードに乗せてもらったことがキッカケです。
それまで僕は古いクルマに乗ったことがなかったから、父のクルマとは全く違う、ちょっと突き上げ感のある足周り硬めな乗り心地や、「ブルルン」といういかにもクルマらしいエンジン音がカッコよくて、一目惚れ込んでしまったんです。
結構人が集まっていたんですけど、「わぁっ!」だとか「すごーい!」という歓声に負けないくらいの音と存在感がありましてね。それがまたカッコよく感じて、自分も乗ってみたいと思うようになりました。
実際に510ブルーバードを20年近く所有していますが、やっぱりちょっと違うなと思います。親バカかもしれませんが……(笑)。
―――それだけ長く所有していると、そりゃあそうなっちゃいますよ。ちなみに、いつ愛車として迎え入れたのですか?
えっと、僕が20歳の時だから……、2005年12月です。パレードの時に乗ったのが“デラックス”というグレードでフルノーマルだったから、どうしてもそれに近い仕様に乗りたくてずっと探していたんです。
だから、近所のクラシックカー屋さんから「デラックスの高級グレードの1600GLならあったよ!」と連絡があった時は「ようやく見つかったか!」という変な達成感がありました。
510ブルーバードって数は出ているんですけど、シャコタンやエンジンが改造されていたり、フルノーマルというのが少ないんですよ。誤解しないで頂きたいのが、フルノーマル至上主義というわけではなくて、僕が青春時代に心を鷲掴みにされたのがフルノーマルだったから、そこにこだわったんです。
―――なるほど。純正となると、維持がかなり大変なのでは?
それなりに手はかかりますが、平成の半ばくらいから工場の敷地内で当時のナンバープレートが付いたまま眠っていた個体だったから、比較的状態は良かったんです。
とはいえ、全塗装やキャブレターのオーバーホールをしたり、やスピードメーターが動かなくなることが3回あってその度にトランスミッションを修理したりなどしましたけど。
購入したばかりの頃はね、このクルマに乗るのが楽しみで働いていたくらい乗り回していました。知り合いのところに行ったり、愛知県の観光スポットに何度も足を運んだり、イベントにしょっちゅう顔を出したりだとか。
そりぁあそうですよ!だって、乗るたびに体の奥が震えるような、ワクワクやドキドキを味わうことが出来ましたから。だけど、今は年間3000Kmいくかいかないかで、現在16万Kmの走行距離が伸びるのを抑えています。
―――それは、長く維持したいからですか?
はい。20年近く乗っていると、僕だけじゃなくて、色々な人の思いや思い出が詰まっていることに気付いたから、長く乗ることが自分に出来ることなのかな?と思うようになったんです。
例えば、購入したばかりの時に知り合った、当時27レビンに乗っていたオーナーさんは、なぜ510に乗り始めたのかを話すと、維持することをずっと応援してくれました。
だから、整備をお願いしたり、相談も沢山していたんですけど、つい最近亡くなられたんです。かなり落ち込んだんですけど、そうやって応援して下さった方のためにも510は走り続けなくちゃいけないと感じています。
20年も経てば周りの環境もどんどん変わって、手放す人や乗れなくなった人も増えてきました。そんな中、1600GLという希少なグレードを、少しでも沢山の人に見てほしいと思っています。
―――なるほど。長年乗っていくうちに、乗る意味もどんどん変わっていったんですね。
変わらないのは、510に乗ると“やっぱりこれがクルマだ”と胸が高鳴ることと、このクルマが大好きだということです。いつの間にか家族のような存在になっていて、いないと心が痛くなるし、関わってくれた人の縁も切れる気がするから、これからも大切に乗っていこうと思います。
「このクルマ、懐かしいねぇ!」と言われるたびに、自分のことのようにしくなると話してくれたdatsunP510GLさん。これからも、走行距離と共に、素敵な出会いや思い出が増えていくことでしょう。
【みんカラ】
datsunP510GLさん
(文:矢田部明子 写真:datsunP510GLさん提供)
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