「愛車のツヤは心のツヤ」。24万kmを走る三菱・コルト ラリーアート バージョンRとのカーライフ
今回の主人公「ひろゆき」さんの愛車は、三菱・コルト ラリーアート バージョンR(2006年式)。このクルマは、三菱のハッチバックモデル「コルト」のスポーティーグレードとして2006年にデビュー。内外装に専用装備を備え、スポット溶接の増し打ちが施されるなど、走りへのこだわりが詰め込まれたモデルです。
現在、愛車の走行距離は24万km超え。ひろゆきさんは8年以上にわたりドライブ、通勤、買い物までこの1台でこなしてきました。今回は、ひろゆきさんとコルト ラリーアート バージョンRの物語です。
——このクルマを最初に知ったのはいつでしたか?
2002年ごろ…幼稚園の年長くらいだったと思います。親戚からクルマのカタログをよくもらっていて興味を持つようになったんですが、カタログの中にベースになった「コルト」のカタログもあったのを覚えています。クルマも大好きになり、トミカも集めるようになっていました。
——実際に乗りたいと思うようになった心境の変化をお聞かせください。
整備の道に進もうと専門学校に進学しまして、学校の同級生たちとドライブスポットへ遊びに行くようにもなりました。そのとき学校の先輩が乗っていたクルマが、コルト ラリーアート バージョンRだったんです。乗せてもらったところとてもキビキビとした走りで「ここまで走るのか!」と衝撃を受けました。特にボディ剛性の高さ。スポット増し打ちがしてあり、補強パーツも多いんですよね。
のちに購入して、クルマに詳しくない父を乗せたときも「しっかりしている」と父がわかるくらいでしたから。
——じゃあ、もうコルトしかないと思って選んだと?
いえ、当初はランサーエボリューションⅨ、FTO、エクリプス クロス(いずれも三菱)が候補でした。エクリプス クロスはSUVながら、試乗させてもらったときのキビキビとした走りが気に入ったのですが、最終的に維持費や普段使いのしやすさも考慮し、コルトに決めました。
——実際に乗ってみて、どんなところに惹かれましたか?
てんとう虫みたいな……りんご飴みたいなフォルムが気に入っています。かわいい見た目とのギャップがあって、走らせると印象が変わりますね。1.5Lの排気量ながら、高速道路の合流などでは思った以上に鋭く加速します。
構造も作り手の意志を感じます。ランエボの弟分的存在だと聞いていましたが、ランエボは圧倒的な速さを追求したモデルなら、コルトは運転の楽しさをより身近に味わえるように作られたクルマだなと感じました。
——カーライフに変化はありましたか?
県内で年2回催されている「コルトオフ」に参加したり、ロングドライブしたりするようになりました。関西以外の地域にも興味があったので。
長距離を走ると、新しい県に入るたびに、その県ならではの雰囲気の変化を感じることができますね。特に、愛知や静岡に入ると景色からはっきり感じます。
——これまででもっとも印象的な遠征のお話をききたいです。
推しのアーティストのライブを観に、東京のライブハウスまで自走で行ったことです。道中に見た伊勢湾岸道の夜景は最高でした。
——この東京遠征で、忘れられない出来事があったとか?
推しにコルトのことを見てもらえていたようなんです。ライブハウスの駐車場に停めていたら見つけてくれたようで、SNSに「リンゴ飴みたい」と。県外ナンバーなのでバレますよね(笑)。うれしかったです。
——愛車で行った甲斐がありましたね!
現実的にも、コルトくらいのボディサイズで良かったなと思います。東京の駐車場は、車高に制限があるところも多いので、大きなSUVだとNGなところもあります。料金もコルトくらいのサイズだと安くなるんですよね。
——長距離を走る機会も多いひろゆきさんですが、運転や日々の手入れなどでこだわっていることはありますか?
気分転換することで、集中力を保つようにしています。運転に“区切り”をつける休憩ですね。東へ向かうときは、刈谷PAと足柄SAに必ず立ち寄ると決めています。
メンテナンスでは、こまめなオイル交換と冷却水交換はもちろん、早めのタイヤ交換でしょうか。残り数ヶ月は使えそうでも、乗っているとグリップが落ちているのがわかりますから。
あとは、エアコンが壊れないように注意しています。コルトには家族や友人も乗せますし、エアコンが壊れたクルマは、どんな高級車であっても乗るのが辛いものだと思っています。
——ボディも、24万kmを超えているとは思えないくらいの美しさです。
オーバーフェンダーなどの樹脂部分も含めて、年に1回コーティングしています。きっかけは、屋根の塗装が剥がれて全塗装したことでした。ボディカラーのレッドメタリックは劣化しやすいので、定期的にコーティングするようになったんです。
洗車は、たとえ翌日が雨の予報でもしていますね。汚れの上に汚れが重なるのがイヤなので“汚れ方”よりも“洗う周期”を優先します。汚れが残ったままだと摩擦によってボディを傷つけることにもつながるので、定期的にきれいにしておくことが最善だと考えています。
——疲れていたり忙しかったりして、洗車を延ばしたくなることは?
躊躇せず洗車機を使います。今の洗車機は、ボディを傷めず隅々まで洗うことができ、洗い流す前に洗剤が乾いてしまうこともありません。以前ガソリンスタンドでアルバイトをしていた経験があるので、洗車機の年式や性能はある程度わかります。「このタイプは使わないほうがいいかな」という洗車機も、自分の中で把握しています。
——なるほど。 愛車をきれいに保つうえでのポリシーはありますか?
「クルマのツヤは、オーナーの心のツヤ」だと思っています。これを言うたびに、みんなからは「ありえない〜!」と否定されるんですけど(笑)。
——いえ、おっしゃる通りだと思います。では今後、愛車とどう接していきたいと思っていますか?
基本的には予防整備です。これまでのトラブルには、クラッチが切れなくなったときのように突然来るものもありましたが、走行距離や年数から「そろそろかな」と予測できる部分が大半です。劣化してきた部分のケアとタイヤ交換を優先しつつ、気になる部分を早めに対処します。
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静粛性向上などを狙い、デッドニングも行ったそう
——部品供給は問題ないですか?
欧州由来の設計もあって、日本ではあまり使わないサイズのネジも使われています。そのため入手に苦労することもあるのですが、予防整備をしつつ、いずれはLSDを入れたり、スタビライザーを強化したりしてみたいです。今の良さを活かしながら、走りの部分も楽しめるようにしていきたいですね。
——最後に、ひろゆきさんにとって「愛車」とはどんな存在ですか?
愛車には相棒、パートナー、恋人、分身……さまざまな呼び方がありますけど、正直難しいですよね。工業製品の中でも、クルマは人と長く付き合う存在だと思っています。50歳の人が「20歳のころから乗っています」というと歴史を感じます。「道具」ではあるけれど、それだけではない。人生のなかで重要な役割を果たしている存在であることは間違いないと思います。
クルマって、平均して10年弱乗ることが多いと思うんですけど、クルマに興味がない人でも、納車された日のことを覚えている人って多いと思います。そのくらいクルマは、誰にとっても大切な存在になり得るものかもしれないですね。
ひろゆきさんが語っていた“愛車のツヤ”とは、オーナーの時間の使い方、生き方も含まれているのかもしれません。移動のための道具がゆえに暮らしに寄り添い、ともに過ごした時間が愛着を生む。あらためて「愛車」という存在を見つめ直す取材になりました。素敵なお話をありがとうございました。
(文:野鶴美和 写真:ひろゆきさん提供)
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