インプレッサと歩んだ日々、シビックと広がっていく新しい毎日。2台の愛車がくれた出合いと景色

  • スバルインプレッサと夕景

今回お話を伺ったのは、インプレッサG4(スバル)とシビック RS(ホンダ)、2台の愛車を所有している、すくださん。

最初の愛車は、大学生のころに購入した2代目フィット(ホンダ)。その後、幼少期に祖父が乗っていたレガシィ(スバル)の記憶をきっかけに、現在のインプレッサと出合ったのだそうです。

北海道への長距離ドライブや、引っ越し、仕事、人との出会い。インプレッサは、人生のさまざまな場面を共にしてきた“相棒”のような存在。一方で、最近迎えたシビックは、以前から憧れていたマニュアル車であり、新しい楽しみや挑戦を広げてくれる存在になっているといいます。

今回は、そんなすくださんと、2台の愛車のお話です。

――最初の愛車は、2代目フィットだったのですね?

はい、大学4年生の卒業前に購入しました。当時は実家が都内だったのですが、夜とか、電車が動いていない時間帯に移動するとなると、やっぱりクルマが必要だったんですよね。

まだ今みたいにカーシェアも一般的ではなかったですし「自分のクルマを持ちたい」っていう思いがありました。何かあったときにすぐ動けるとか、時間の制約に縛られないっていう意味でも、クルマが欲しかったんです。

大学時代、レンタカー屋でアルバイトしていて、いろんなクルマを運転していて、そのころは「動けば何でもいいかな」ぐらいの感覚でした。その中でも、フィットはとくに運転がしやすく、維持費の面でも現実的だったので選びました。最初の愛車としてはとても思い出深い一台です。

――もともと、スバル車への思い入れがあったとか。

子どものころ、祖父がずっとレガシィに乗っていたんです。ちょうど幼稚園ぐらいのころだったと思うんですけど、赤いレガシィの記憶がとても残っているんです。後席に乗っているときの居心地のよさとか、あの空間の感じを今でも覚えてるんですよね。

あと、当時は子どもだったので、ボンネットのダクトがとても不思議でした。「なんでここに穴が開いてるんだろう」って、ずっと気になってました(笑)。そこからクルマに興味を持ち始めた気がします。

なので、フィットの次のクルマを考えたときも、自然と「スバル車がいいな」っていう気持ちはありましたね。

――インプレッサへ乗り換えたきっかけは?

  • スバルインプレッサ右フロント5:5

最初のきっかけは、フィットを友人に譲る話が出たことですね。もともとは寿命まで乗るつもりだったんですけど、友人がクルマを必要としていて「譲ってもらえるとうれしい」って話があって、それなら、と思ったのが最初でした。

また、そのころ、職場の同僚がゴルフ7 GTI(フォルクスワーゲン)に乗っていて、そのクルマを見たときに「やっぱり大きいクルマってかっこいいな」って思ったんです。それまではコンパクトカーがいいと思ってたんですけど、そこから考え方が変わって「次は、自分の理想の形のクルマに乗りたいな」って思うようになりました。

そこからスバル車を探し始めて、レガシィやインプレッサを見ていたんですけど、最初はハッチバックのインプレッサを探してたんですよ。でも、セダンのほうが価格も少し安かったですし、たまたま状態のいい個体が見つかって、フルレザーシートにシートヒーター付きで内装の状態もかなり良かったので「これだな」って思って決めました。

――納車前、エンジンをかけた瞬間に気持ちが決まったそうですね。

  • スバルインプレッサ運転席

はい、納車前に、一度エンジンをかけさせてもらったんですよ。そのときに感じたボクサーエンジン独特の振動で、一気に子どものころの記憶が蘇ってきて「ああ、おじいちゃんのクルマってこんな感じだったな」って思ったんです。その瞬間に「このクルマにしよう」っていう気持ちが固まりました。

実際に納車されてからも、フィットとの違いはかなり感じました。速度感覚も全然違いましたし、60km/hで走ってても、体感だと40km/hぐらいに感じるというか。あと、ハンドルも結構重たくて「あ、これがスバルっぽさなんだな」って感じました。

フィットとは全然違う感覚でしたけど、その“らしさ”も含めて、とても気に入りましたね。

――インプレッサは、“人生を広げてくれたクルマ”でもあるのですね。

  • 北海道でのスバルインプレッサ01

ほんとうにそう思います。インプレッサに乗り換えてから、クルマを通じた人とのつながりがかなり増えました。会社でも「インプレッサ乗ってるんですね」って話しかけてもらうことが増えましたし、同じスバル乗りの方と知り合う機会も増えました。

北海道にも3回行きましたし、西だと岡山まで行ったりもしていて、行動範囲もかなり広がったと思います。引っ越しのときも、ほとんどインプレッサ一台で荷物を運んでたので、ほんとうに生活のいろんな場面にずっと一緒にいたクルマですね。

人との出会いもありましたし、逆に別れもありましたけど、その中でずっと寄り添ってくれていたのがインプレッサだったなって思います。

――なかでも、初めての北海道は、かなり特別な体験だったとか。

  • 北海道でのスバルインプレッサ02

初めてクルマで北海道に行ったのが、インプレッサだったんです。1週間ぐらいかけて回ったんですけど、フェリーの予約も、自分のクルマをフェリーに乗せるのも、北海道で運転するのも、全部が初めてでした。まずフェリー乗り場がある新潟まで無事に辿り着けるのかな、ってところからでした(笑)。

その“初めての冒険”みたいな時間を、ずっと一緒に走ってくれたのがインプレッサだったんですよね。実際に北海道で、雨の中とか、霧の中とか、いろんな道を走っていく中で「このクルマには命を預けられるな」って自然と思いました。

とくに印象に残っているのは、オロロンラインですね。夕方から夜にかけて、利尻山のほうへ沈んでいく夕日を見ながら、真っすぐな道をずっと走っていきました。周りはどんどん暗くなっていくんです。そして、視界にはヘッドライトが照らす路面と道路脇の草原と2眼メーターの光のみという光景が目の前に広がって、終わりが見えぬ、この世の果てをひたすらまっすぐ走り続けるような、そんな不思議な時間だったんですよ。

あのときは「このクルマで北海道に来てよかったな」って、ほんとうに思いましたね。

――一方で、シビックにはまた違った魅力があるのですね。

  • ホンダシビックと夕景

シビック購入のきっかけは、茨城へ引っ越して、クルマ通勤になったことでした。それまでインプレッサ一台で全部こなしてたんですけど、通勤でも毎日乗るようになって「このままだと走行距離がかなり増えるな」って思うようになったんです。

それで、最初は通勤用にコンパクトSUVでも買おうかなと思って、ホンダのディーラーへ行ったんですよ。そのとき「今ならシビック RS、注文できますよ」って言われたんです。

もともと11代目シビックは登場したころから気になっていて、本社ギャラリー(当時のHondaウェルカムプラザ青山)にも何度か見に行っていたくらい好きなクルマでした。横から見たシルエットとか、後ろへ流れていくラインがほんとうに好みだったんですよね。あと、昔からマニュアル車への憧れもありました。

当時は、シビックRSの生産台数の都合で注文するのが難しい時期だったので「今しかないな」って思いました。

ただ、インプレッサは“最後まで乗る”って決めて買ったクルマだったので、手放すつもりはなかったんです。だから、インプレッサは残したまま、シビックを新しく迎えるかたちにしました。

昔フィットにも乗っていましたし、モータースポーツも好きなので「またホンダ車に乗りたい」っていう気持ちも自然とありましたね。インプレッサが、安心感のあるオールラウンダーだとしたら、シビックは運転そのものを楽しむクルマ、っていう感覚が近いです。

――フィットのナンバーを、シビックに引き継いでいるそうですね。

  • ホンダシビックサイドビュー

はい、実は、最初の愛車だったフィットは、友人に譲ったあとに事故で廃車になってしまったんですよ。もちろん友人に悪気があったわけではないですし、事故自体も仕方ないことだったんですけど「最後まで乗り切れなかったな」っていう気持ちは、自分の中にずっと残っていました。

フィットって、自分にとって“最初の愛車”だったので、思い入れもかなり強かったんですよね。それでシビックを買うときに「せっかくだから、あのフィットの番号を引き継ごう」って思ったんです。なので今のシビックには、フィットと同じ4桁のナンバーを付けました。

ホンダ車に戻ってきた、っていう意味もありますし「今度こそ最後までちゃんと乗りたいな」っていう気持ちも、その番号に込めてますね。

――インプレッサとシビックは、かなり性格が違うのですね。

  • スバルインプレッササイドビュー

全然違いますね。インプレッサは、ほんとうにオールラウンダーって感じなんです。通勤でも使えますし、長距離も安心して走れますし、雪道とか荒れた路面でも不安が少ないので「どこでも行ける」っていう安心感があります。

あと、デザインも結構好きで、WRXみたいにすごくスポーティっていうより、ちょっと落ち着いた、大人っぽい雰囲気があるじゃないですか。曲線的なデザインも好きですし、ハイマウントストップランプが埋め込まれてるトランクスポイラーとかも、とても気に入っています。

逆にシビックは、もっと運転そのものを楽しむ感覚が強いですね。結局、通勤は2ペダルのほうが楽なので休日にしか乗っていないんですが、MT車のシフト操作だったりBOSEのプレミアムサウンドだったり「走る時間そのものを楽しみたい」って思わせてくれるクルマなんです。

休みの日に、音楽を流しながらちょっと走るだけでも楽しいですし、自分の中では、走るオーディオルームって呼んでます!

――これから、行ってみたい場所はありますか?

まずは、インプレッサで沖縄以外の46都道府県を制覇したいですね。北海道とか、かなり遠くまで一緒に走ってきたので、このクルマで行ける場所には最後まで行き切りたいなっていう気持ちはあります。

長野のビーナスラインなどにも、また走りに行きたいですね。景色もいいですし、私のドライブの定番コースなので、今年もがんばって何度か足を運ぼうかなって思っています。

  • ホンダシビック2台

シビックのほうも、購入してまだそこまで長くないので、これからもっといろんな場所へ行きたいですね。今は仕事が忙しくて、なかなか遠出できてないんですけど、落ち着いたら、また長距離ドライブもしたいなと思ってます。

――すくださんにとって、インプレッサとシビックはどんな存在ですか?

インプレッサは、ほんとうに“人生に寄り添ってくれたクルマ”ですね。引っ越しだったり、仕事だったり、人との出会いだったり、自分の生活が変わっていく中で、ずっと隣にいた存在だったので。たぶん、自分の中では、単なる移動手段以上の存在なんだと思います。

逆にシビックは“これからの楽しみ”っていう感覚が強いですね。マニュアル車も初めてですし、まだ「もっと乗りこなしたいな」って思う部分もたくさんあって。

インプレッサが今までの人生を支えてくれたクルマだとしたら、シビックはこれから新しい景色を見せてくれるクルマなのかもしれないです。

  • スバルインプレッサとオーナー氏

幼少期、祖父のレガシィの後席で感じていた空気感。ボクサーエンジンの振動で蘇った記憶。北海道まで走った1週間の冒険。そして、フィットから受け継いだナンバー。

すくださんのお話からは“クルマを所有する”というより“人生を共に積み重ねていく”感覚に近いカーライフが伝わってきました。

どこへでも行ける安心感をくれたインプレッサと、運転そのものの楽しさを広げてくれるシビック。性格はまったく違う2台ですが、どちらも、すくださんの人生の節目に寄り添ってきた大切な存在なのだと思います。

「最後まで乗る」と決めたインプレッサ。そして、新しい景色を見せてくれるシビック。これから先も、この2台とともに、すくださんのカーライフは続いていきます。

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すくださん

(文:小松暁子 編集:平木昌宏 写真提供:すくださん)