【現地取材】バルセロナで聞いてみた。「トヨタってどんなイメージ?」―スマートシティ最先端都市バルセロナ編最終回
- 街頭インタビューはバルセロナ凱旋門付近で行った
これまで7回にわたり、バルセロナ市が2000年から推進する「スマートシティ」プロジェクトについてお伝えしてきた。
電気、水道、治安、そしてモビリティ、あるゆる情報が統合システム「センティーロ」に集約され、行政・企業・そして市民が活用。
交通集中が限界を超えた特定地区では自家用車の通行をほぼ禁止する措置がとられる一方で、渋滞を解決し事故も削減、マイカーを含めたクルマがより快適に活躍できる施策も進められている。
TPOに応じてさまざまなモビリティを活用するバルセロナ市民に、トヨタと日本車のイメージを聞いてみた。
- 「クルマは必需品。愛車はプリウス、次はSUVが欲しいです」
取材スタッフが持つスペイン語で「トヨタのイメージを教えてください」と書かれたPOPを見て、「コンニチワ!」と挨拶してくれたお2人とワンちゃんは、今年(2019年取材時)日本を旅行したばかり。
男性は日産自動車のバルセロナ工場で働いた経験があり、父も自動車関連の仕事に従事、現在は会社から貸与されているクルマを通勤に使っているそうだ。
「通勤でも日々の生活でもクルマは必需品です。トヨタ車は買い求めやすくて信頼性が高いイメージですね」と語るお二人、次の愛車はSUVに乗りたいとのこと。RAV4かな?ハリヤーかな?ランクルかな??
- バルセロナではプリウスのタクシーを多く見かけた。日本仕様とはちょっとデザインが違う?
続いて、なかよし3人組の大学生。
学生なので自分でクルマを所有するのはまだ難しいものの、3人とも親がクルマを利用しているので、レジャーなど必要な時は活用しているという。
公共交通が充実しているバルセロナ市内を移動する際はバスや地下鉄で十分、シェアサイクルについては人混みが多いのであまり使わないというのが3人の共通した意見。
スマートシティについては「市がいろいろやっているのは知っていますよ、でも特に意識することは無いですね」との回答。さまざまなモビリティを組み合わせて効率的に移動する、スマートな3人だった。
とても便利なシェアサイクルだが、人気の並木道では確かに扱いにくい
- 「トヨタは価格と性能のバランスが良いですね。だからタクシーもプリウスが多いのだと思いますよ」
今回のバルセロナ取材でドライバーを務めてくれたアルベルト氏にもトヨタのイメージを聞いてみた。トヨタ車は信頼性が高く、性能と価格のバランスが良い、だからスペインでも多く走っているしタクシーでの採用が多いのがそれを証明しているのでしょう、という意見。確かにプリウスのタクシーは取材中にも多数見かけたし、新型RAV4もそれなりに走っていた気がする。毎日お客様を乗せてクルマを運転するアルベルト氏だが、混雑する市内の移動はバイクが最高!(ホンダ好き)、なので自分のクルマは現在所有していないとのことだった。
颯爽と自転車で移動していた男性からは、以下のような意見もいただいている。
「トヨタの品質は世界一だと思います。ハイブリッドへの取り組みが早く性能も素晴らしく、さらにFCVを含めてトップクラスの技術力は間違い無いでしょう。それは認めますが、私は極力環境に負荷を掛けたくないので可能な限りクルマには乗らないようにしています。我々には生態系を守る義務があり、市民が協力しなければなりません。」
ほかにも何人かのバルセロナ市民にお話を伺ったが、共通したトヨタのイメージは「品質が高く、価格的にも購入しやすい」というものだった。それほどクルマ好きという感じでは無い人からもハイブリッド車やFCV車の話が出てくるあたりは、さすが環境対策に力を入れているバルセロナならでは。
アルベルト氏はどこでもバイクで走り回っているそうだが(笑)、多くの人は混雑する市内では公共交通機関を利用し、ちょっとした移動にはシェアサイクルを。そして郊外での買い物やレジャーにはクルマを活用し、スマートシティ バルセロナでの生活を満喫しているようだ。
TPOに合わせてさまざまなモビリティを活用するライフスタイルを見て、聞いて、所有から活用へと少しずつシフトが始まった近未来のクルマの楽しみ方も肌で感じられた。
シウタデリャ公園の青空はとても綺麗だったが、大気汚染など重大な課題解決に取り組み続けるバルセロナ。数年後どのような進化を遂げているのか、再び訪れてみたいと強く思う最先端スマートシティだった。
[ガズー編集部]
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