富士100ラップレース無事終了!誰もが応援したくなる彼ら~私目線のSUPER GT第4戦~

  • 1位でゴール後、抱擁を交わす山内英輝選手(左)と井口卓人選手(右)/ SUBARU BRZ R&D SPORT

    1位でゴール後、抱擁を交わす山内英輝選手(左)と井口卓人選手(右)/ SUBARU BRZ R&D SPORT

無事終了、とは何の脈絡もなさすぎですが、5月の第2戦のトラウマがまだあるので、そう書いてしまいます。…では、振り返ります。

GT300クラスもGT500に負けない熱さ!

  • GT300クラス優勝の井口卓人選手(左)、山内英輝選手(右)/R&D SPORT

    GT300クラス優勝の井口卓人選手(左)、山内英輝選手(右)/R&D SPORT

いやー、GT300クラス盛り上がりましたね。レース終盤をさらに盛り上げてくれました。

  • GT500クラス 優勝を喜ぶサッシャ・フェネストラズ選手(左)と宮田莉朋選手(右)/TGR TEAM KeePer TOM'S

    GT500クラス 優勝を喜ぶサッシャ・フェネストラズ選手(左)と宮田莉朋選手(右)/TGR TEAM KeePer TOM'S

  • 抱擁を交わすサッシャ・フェネストラズ選手(左)と宮田莉朋選手(右)

    抱擁を交わすサッシャ・フェネストラズ選手(左)と宮田莉朋選手(右)

GT500クラスは、チームが組んだ戦略通りの展開で、キレイに37号車 KeePer TOM'S GR Supraが優勝でした。
一方、バトルにつぐバトルはやはり盛り上がります。GT300クラス、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT優勝です。

そして終盤、ベテランの皆さんが君臨していたのも忘れてはなりませんね。

そうです、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝選手と片岡龍也選手のコンビ。タイヤバーストが起きたのは、ちょうどメディアセンターからピット取材へと移動していた時だったので、場内に流れる実況を聞いて、非常にショックでした。以前は、レース後の表彰台でインタビューがあったのですが、この二人が表彰台に上がると楽しいのですよ。谷口信輝選手は、SNSのフォロワー数、ファンへの影響力、業界ナンバーワンのカリスマドライバーだと私は思っています。彼の支持者は多いし、ルックスもかっこいい。言うことナシです。

そして、相棒の片岡龍也選手は昔から器用で、とにかく何でもそつなくこなす人。
今は監督業までやってのけたり、育成プログラムのリーダーになったりするなど、マルチな才能を持つドライバー。彼の走行中に、タイヤバーストとなってしまい、絶句でした。前日に、“久しぶりに戦える”と谷口選手がおっしゃっていて、久しぶりの優勝が見られるかもと思っていたので…。

ベテラン選手にも、いつまでも走り続けて欲しいという気持ちが強いので、次の鈴鹿でリベンジですね。
これは「ある!」んじゃないかと?せめてどうにか表彰台へ乗せたい!そう思っています。

61号車SUBARU BRZ R&D SPORT山内英輝選手がラストスティントで、11号車 GAINER TANAX GT-Rの安田裕信選手とバトルとなる訳ですが、抜きつ抜かれつの展開は見応えがありました。
安田選手、かっこよかったですよ!ありがとうございます、素晴らしいシーンを見せてくれて。彼らもまた、燃えに燃えて次はリベンジですね。

山内選手は100戦目のメモリアルレース

  • 100戦目のメモリアルレースとなった山内英輝選手

    100戦目のメモリアルレースとなった山内英輝選手

山内選手、この富士ラウンドが100戦目の参戦となるメモリアルレース。

本当に良かった、ここまでドライバーとして走り続けてくれて…という想いが強いです。
というのも、全日本F3選手権ナショナルクラスで、タイトルを獲得したのが2008年。
チャンピオンクラスと一緒に走りますが、同年、新設されたこのナショナルクラスでタイトルを獲得したものの、その彼の未来は見えていなかったのです。どうなるんだろうと思っていたのですが、やはり、「タイトル獲得」という華々しい言葉とは裏腹に、その後シート獲得には苦労しました。

「この先どうなるんでしょうね…」と彼…。スポーツランド菅生だったと思うのですが、チャンピオンを獲ったばかりの彼と話したのを今でも記憶しています。

しばらくして2015年、今のスバルさんのシートにおさまりました。ほっとしました。本当に良かったと心底思いました。
ここからは絶対このシートにしがみついて欲しいと思っていました。

  • 笑顔で手を振る井口卓人選手/ R&D SPORT

    笑顔で手を振る井口卓人選手/ R&D SPORT

井口卓人選手は、2013年にスポット参戦しました。鈴鹿1000㎞でしたね。覚えています。若さを発揮し優勝。
その後、大先輩の山野哲也選手の勇退と共に、翌年シートを獲得しました。GT500クラスにあがった2011年、39号車で頑張ったのですが、1年でシートを喪失。これは、そこまで悪い戦績でもなかったので、1年で離脱はかわいそうだなと正直思いました。

考えるにいろんな要素、背景があったのだろうと思いますが、私の想像でしかないので書きません。その後、SUPER GTでは引き続き乗っていましたが、2014年に山内選手とコンビを組むこととなりました。ほっ…。

応援したくなる、良いコンビです。

  • 井口卓人選手(左)と山内英輝選手(右)/ R&D SPORT

    井口卓人選手(左)と山内英輝選手(右)/ R&D SPORT

昨年、彼らがようやくシリーズチャンピオンを獲得した時は、親のような気分でしたね(勝手にすみません)。
彼らは、昔からあのまま。いつでも笑顔で迎えてくれるし、辛いことも何かこうこちらまで伝わる(勝手に思っているだけかもしれないけど)、なんでしょうね。みんなから愛されるお二人なのですよ。きっと賛同してくださる方も多いと思いますが。

お二人ともご結婚され、親となり、ますます頑張らないといけない責任を背負いましたが、常に応援したくなる気持ちは、こちらも変わりません。あー、ほんと力がこもりますね(笑)。トップカテゴリーに上がる前から見ていると尚更ね…。

レースウィークは、メーカーのファンシートが設定されます。GT300クラス、一台のBRZに対し、GT500クラスの1メーカーのファンシートと同等数のお客様でファンシートは埋まり、たくさんの青い旗が振られます。いつもスバルファンは熱いなあと思ってみております。ブランド力と彼らの人気。

  • 笑顔の山内選手(左)と井口選手(右)。左手には山内選手が100戦目を記念して作った黄色のリストバンド。

    笑顔の山内選手(左)と井口選手(右)。左手には山内選手が100戦目を記念して作った黄色のリストバンド。

今回、山内選手が100戦目を記念してリストバンドを作成し、配布しました。
配布はコロナ禍ということもあり、ピットウォークなどでのグッズ配布が叶わず、ファンシートの方々限定ではありましたが、会見でも「ファンシートの方だけですみません…」と気持ちを語る山内くん。もうね、勝ったのに申し訳なさそうに言うので、お人柄が出てると思ってね。

最後のスティントが山内くんの担当。タクティこと井口卓人選手は、“山ちゃんスゴイ”と彼を誉め称え…、本当に良いコンビだなと思いました。

タクティのご両親も存じあげておりますが、彼をあんな風に育てたご両親も控え目でね。でも笑顔は息子さんと同じくらい素敵でさ…。最近お目にかかっていませんが、きっと沢山喜んでいたのではと思います。

タクティが全日本F3選手権の頃の2008年は、レーシングドライバー国本雄資選手の兄、国本京佑選手と同じチームメイトでした。自分が出場できないマカオグランプリに同行して、京佑は優勝。久しぶりに日本人が勝った、というシーンをタクティは傍でサポートに徹していました。懐かしいな。

とにかくサーキットで見続けて来ている彼らなので、活躍はうれしいものです。

というわけで、GT300クラスも熱い!若手もたくさん出てきたので、これからまた応援したくなるドライバーが増えて行くんでしょうかね?シーズン後半戦も盛り上がって参りましょう!では、また!

(写真 折原弘之、大谷幸子 テキスト 大谷幸子)

[GAZOO編集部]

MORIZO on the Road