2025 WEC富士 WEC100戦記念大会!
WEC富士に年に一度取材に訪れて皆勤賞でしょうか。100戦目が富士大会となるのが、何かうれしいようでもありますが、TGR勢が大苦戦のシーズンでそれを眼前で見てしまったという…。
やっぱりちょっとモチベーションが上がらず悲しかったですね。ファンもよくBoPをご存知で、お目にかかる方々とレースの今後の話をしたのは初めてかも。もちろんみなさん応援をしていてホームレースを楽しみにしているんだけどね。ファンのみなさんも応援する強い意志も感じましたね。振り返ります。
毎年、木曜日にサーキット入りし様変わりするサーキットにドキドキ。国際レースとはこういうものなのだなと実感し、初年度は、ハイブリッドシステムの説明などが技術者からあったりして、会見だらけで忙しくしたものです。
トヨタ自動車のハイブリッドシステムの説明は、物理の授業が苦手だった私は高校の授業を思い出す気分でした。モータースポーツ、難しすぎと。参戦のメーカーも変遷し、欧州メーカーの撤退などもあった中で、WECのカテゴリーになってからトヨタ自動車は参戦を続け今に至ります。今年は、ハイパーカーが8メーカー、18台も参戦する大会となり、ますます様変わり。技術競争の自由度というのが魅力のWECは、メーカーの参戦が増え続けています。
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MissionH24プロジェクト記者会見
また100戦の記念大会で、今年のル・マン24時間で発表があったMissionH24プロジェクトについてもお話がありました。こちらのカテゴリーのオーガナイザーとトヨタ自動車は水素燃料電池を搭載したプロトタイプカーを開発していますが、次世代モデル「H24EVO」のシェイクダウンを2026年中に予定(カテゴリースタートは、2028年予定)とのことで、このカテゴリーは近未来のモータースポーツの夢も乗っかっているというわけです。簡単な説明ですみません。プロジェクトのインスタグラムもありましたので、進捗状況をチェックするのも良いかもしれません。
〇Instagram:MissionH24プロジェクト(英語版)
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TOYOTA GAZOO Racingのトラックウォーク
さて、現場の空気を少々。木曜日のトラックウォークは、豪華。ドライバー、エンジニアで行くチームがほとんどです。コースを見渡すとオリンピックの入場みたいになっています。
著名なドライバーさんたちが来日しているのを改めて確認できるのがこの日。レースに参戦しているドライバーは、もちろんその他にも。元F1ドライバーさんたちに、ミーハー(死語)になっちゃいますね。
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元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロ氏
ルーベンス・バリチェロさんを発見。ご子息のエドゥアルド・バリチェロ選手が今季から参戦しているので、その応援でしょうね。
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ジェンソン・バトン選手
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恒例のドライバートークショー
現役だと、今季でWECラストシーズンとなるジェンソン・バトン選手と、昨年もピットウォークで大行列ができていたヴァレインティーノ・ロッシ選手。大スターの来日を待ちわびていたファンは多いことでしょう。motoGPとスケジュールが重なっているので、二輪ファンはもどかしいのではないかと思いますけどね。ロバート・クビサ選手にケビン・マグヌッセン選手と豪華メンバーが富士スピードウェイにいらっしゃることに感謝ですね。
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佐藤万璃音選手
日本から世界で頑張っている佐藤万璃音選手も忘れてはいけません!これは私の横にいる方に笑顔をくれていたのでパチリ。そんな感じの木曜日。ピット作業の練習も行われていますが、いつも時間が合わなくて見られないのがGRのピット作業練習。今回も…。
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勝田貴元選手、坪井翔選手も応援に駆け付ける/TOYOTA GAZOO Racing
さて、ホームコースとなるTOYOTA GAZOO Racing陣営。今季はレギュレーションに苦しんでいますが、いや、今季「も」ですが母国で良いところを見せたいはず。厳しくても期待しちゃう私たちと、思いはそれぞれ。私もWEC富士の取材が最後になりますので、いろんな思いを込めてみました。世界に羽ばたいている人 勝田貴元選手とこれからの人 坪井翔選手も、全力で応援ですね。
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ハイパーカークラスTOYOTA GAZOO Racing GR010 HYBRID 8号車
土曜日の15時予選開始。7号車は、当初、小林可夢偉選手が予選アタックを担当するはずでしたが、金曜日の走行後にニック・デ・フリース選手に変更することを囲み取材で話していました。小林可夢偉チーム代表からは、路面の変化に対して自分よりもニックの方が得意であるので、変更したとのことでした。
そして、コースとクルマの特性とで得意な部分とそうではない部分が如実に現れますが、長けている部分を考慮しても、2台は厳しい状況であるのは変わりないという主旨のことを告げられました。かなしいけど、それでもどうにか表彰台を目指すに向けて頑張りますとのことでした。平川亮選手も小林可夢偉代表のお顔も笑顔ではないけれど、ホームレースを良い形で見せたい意思も感じられました。こちらは応援するしかないという覚悟です。土曜日になるとぐっと人も増え、ファンのみなさんは、苦境をご存じの上でもちろん応援。富士に集結。ありがたいですよね。しっかり楽しんでいる姿をあちこちで拝見しました。
いざ決勝!
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決勝スタート
朝ぱらっと降りましたが、とっととチェックアウトしサーキットに向かったら、メディアセンター2番乗りでした。若手のメディアさんと話す機会もあり、若手がたくさん活躍してきているので、やめずに頑張ってほしいなあと思いつつ、30分くらい話したかな。
朝からおばさんに捕まってかわいそうでしたが、SUPER GTセパン行きの飛行機でも席が隣になって、海外取材が初めてということで本当にうれしそうだったんです。その後、現場ではよくお目にかかってお顔も拝見しておりましたけど、お話ができて光栄でした。わたしもあと数十歳若かったらなあ…って、人生やり直しくらいな感じですけどね。元気をいただきました。
バタバタとスタート進行。TGR陣営では、WRCから勝田貴元選手や坪井翔選手など、ドライバー界隈が賑わっていました。他メーカーからは今年は日産勢にばったり。富士スピードウェイのチェカ(公式キャラクターで良いですよね?)が3人、松田次生選手、平手晃平選手、ロニー・クインタレッリさんがいらしてましたね。他にいらしてたらごめんなさい。
グリッドでは友だちに声をかけたあと、時間も短いのでバタバタ写真を撮ってまわって、グリッドから出たらまだ時間あったみたい(笑)。あとからドライバーが来ていて撮り逃しもいっぱいだけど、あちこちに上がってますのでOK。でも何かこうちょっと見られたら幸せで満足でした。グリッドのセレモニーを見るのを忘れてメディアセンターに戻って来ちゃってました。
スタートしてからしばらくは、中継を見ていました。ハイパーカーはSUPER GTより若干遅いです。GT3クラスはもっと遅いですが、スピンが多かったですね。序盤良い感じで進んでいたのを見ていましたが、あれ?と。8号車が当てられて戦線離脱。そのあと、またピット?と思っていたら、FCY(フルコースイエロー)手順違反のペナルティを科せられ、完全にドロップ。ホームレースがこんなに厳しいものになるとは。少しでも上位で終えて、表彰台でも獲得できたらなどという想いだったのに…。見ていたかもしれませんし。
7号車も良いところを走っていたのですが、SCのタイミングが悪く、燃料切れでピットイン。最低限の給油を行いSC明けでまたピット。不運にも泣かされる大会でしたが、SC明け追い上げ8位。8号車は、16位と過去イチ厳しいホームレースで終えました。ため息。
平川亮選手は、レース後、アクシデントがある前からレースがしにくい感じで、いやな予感がしていた。その中でも頑張って…、でもペナルティをもらってという試練続き。次のバーレーンのために、テストをしていたとか。最後のスティントを担当して、テストという意味で頑張って2時間半走ったそうです。次のバーレーンで、悔しいを挽回するという意気込みを述べていました。
可夢偉代表は、「基本的なトライをバーレーンに向けてできたことがよかった。来年のクルマにアップデートすることは、空力や制御についての期待感がある。期待していなかったらダメですよね?ぶっちぎりで速いクルマを作ります。このままではいけない。なんとかしないと。抱えている問題をクリアして、ぶっちぎるクルマを作れば良い、またBoPでいじめられるかもしれないけど。今のクルマの弱い点を改善。シミュレーションではいくらでもできるので、来月のテストで確認したい」と次のプランへの期待を述べ…。
「バーレーンは得意です。富士スピードウェイは直線が長い。ウェイトとパワーを数字で比べると影響力は少ない。きっと戦えるところに居ると思ってやっていきたい」とコメントしました。
さあ、前を向いて最終戦!
試練に立ち向かっている今季。最終戦は、今季このBoPでどこまで戦えるのか、いったい何位でフィニッシュするのか?を楽しみにしたいと思います。
来年のクルマのこと、MissionH24プロジェクトなど話題だらけとなってきましたが、来年も今のところ1メーカーが参戦とたくさんの自動車メーカーが参戦する中で、きっと今後も一筋縄ではいかないとは思います。それでも、それを打ち破って欲しいです、もちろんね。みんなは応援し続けますので、いつかまたてっぺんに日の丸掲げてください。その日をファンの一人として待ってますからね!
そして、2013年10月からだったと思うのですが、つたないコラムをお読みくださりありがとうございました。迷い迷い執筆した時期もあるので、ただのニュースになったり、好きなことを取材させていただいたりと、定まらない時期が長くありました。それでもここで執筆を続けさせてくださったことに心から感謝を申し上げます。最後の記事が自分ではイマイチで申し訳ないですが、WEC富士も最後の取材の良い思い出となりました。ありがとうございました。
若い方が頑張る姿を見るのが好きで、そんな取材もいろんなジャンルでさせていただきました。今後は、アウトプットするカタチは変わりますが、母さん目線の人間ウォッチングは続けていくと思います。レース取材は、TGRサイトにありますので、そちらもよろしくお願いいたします。この自分の好奇心がなくなった時が、取材の終わりのときかな?まずは、みなさまお元気で!
そして、ありがとうございました!
おおたにゆきこ
(写真 トヨタ自動車 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
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