おめでとう初優勝!そして漢気のスリックタイヤ! 〜2025スーパーフォーミュラ第8戦スポーツランドSUGO〜
Honda岩佐歩夢選手、2年目のシーズンに入りようやくスーパーフォーミュラで初優勝を遂げました!おめでとうございます!意外に苦戦しましたが、実力者なのはいうまでもないですね。では振り返ります。
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スーパーフォーミュラ初優勝!岩佐歩夢選手/TEAM MUGEN
参戦した昨年から、優勝にも、それこそタイトルにも近いドライバーでありましたが、ちょい苦戦。レース中に、ご自身がトップのポジションで前に誰もいない景色はたくさん見てきたと思いますね。シルバーホルダーから卒業しました。
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向かって左上の端っこの方が小池エンジニア
彼を担当するチーム無限小池エンジニアは、SNSでは情報発信に勤しむちょっと目立つ存在。ご自身からの情報発信がさすが中の人、内容が濃いです。しかも戦う目線の「最前線からの発信」ですので誰にもかないません。このスタイルはベールに包まれた技術陣たちの姿を打ち破るスタイルでもあると思います。内側からの発信はとてもセンシティブですよね。もちろん内容を精査しての発信ですが、為になる発信ばかりですね。若いながら芯の通った存在は、きっと目指したくなる方もいるでしょう。年齢的にもこれから業界を目指す学生のみなさまには、参考にして欲しい存在ですね。
業界は年齢が一気に若返ってますから、応援してますよ。そして岩佐選手は、この先どこに行くのかも楽しみです。F1の道があるのか、はたまた継続して国内で走るのか。これもセンシティブなお話しなのでココでおしまいにします。
今回の大会の振り返りポイントとして残しておきたいのが、今回は、レースが荒れましたが、エンターテイナーがいましたね。まさかあんなことになろうとは誰が予想したことでしょう?そう、あの方です。
前日から一転 ウェットコンディションでの決勝
予選日終わりから決勝日の朝の話題は天気。みんなが天気予報に釘付けでした。ここまで(予選)気持ちよく過ごした東北の夏も、昨年に続き決勝は雨予報が出ていました。どこでどれだけ雨が来るのかと話題はそこ。
予選日に見た翌日の予報は、絶望的で大雨予報となり雨具の準備を忘れて来た私は凹んでました。
翌日いざ決勝が始まってみると、そこまで強い雨には個人的に感じませんでした。安全を期してセーフティーカー(SC)でのスタートとなりました。SC3回、51周の決勝はタイムレース(75分間、48周)となり、足元をすくわれる車両が何台かいて出入りの激しい戦いとなった訳ですが、とても楽しめました!
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2位表彰台 サッシャ・フェネストラズ選手/ VANTELIN TEAM TOM’S
何がそう思わせたか? 菅生では初優勝の声が聞かれることが多く、可能性のあるドライバーはたくさんいましたが、最終的に前述した岩佐選手の優勝となりました。やっぱりジンクスはあたったと。2位のTGR勢サッシャ・フェネストラズ選手は、ずっと何をしてもここ数年ポイントも遠かったし心配だったクルマで、代々、戦績が出ず去ったドライバーがおりましたが、2位になれたんじゃん!と喜びましたね。すぐスタッフの顔が浮かびました(こちらは長くなるのでTGRコラムへ書きます)。
そして、3位に入ったTGR勢の福住仁嶺選手の戦いっぷり。これも印象的でした。オーバーテイクがね、かっこ良かったです。OTS使わないところもあったよね。彼のTGR勢に移籍してからの初優勝も早くみたいですがね、とても才能のあるドライバーさんだから。そして、ランキング首位を死守したチャンピオン坪井翔選手との攻防と、いつもと違う見せ場があったことも印象深いレースとなりましたね。
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小林可夢偉選手/ Kids com Team KCMG
前置きが長くなりましたが、エンターテイナーとはTGR勢の小林可夢偉選手です。世界の可夢偉くんです。実力者ではありますが、未勝利のまま。彼はきっと何度か勝っていても不思議ではない内容のレースが過去にありました。残念ながら今回優勝はできませんでしたが、記憶に残る漢気を見せてくれました。
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小林可夢偉選手/ Kids com Team KCMG
レース前に雨の上がる予報は出ていませんでした。しかし、少し路面が乾いてきたようにも思えましたが、そこで彼はチームの反対を押し切りスリックタイヤを選択したんです。しばしチームと押し問答の末に敢行。これには、誰もが驚いたはず。ぶっちゃけクレイジー。
ただ1%でも可能性があるなら…ということに賭けたそうです。成功したらかっこ良かったけどと、レース後のミックスゾーンで笑いながらおっしゃいました。清々しかったです。彼のそういうキャラクターは魅力でもありますが、今回でますますファンが増えたんじゃないかと思います。
現在は、SFgo(アプリ)で無線がダダ漏れですよね。若干時差を設けているにせよ、生の声をみなさんが聞くことができます。中継でも流れました。ただ、この可夢偉くんの選択に賛同するチームはありませんでした。
漢気を感じた…それに尽きると思います。見ているみなさんはおもしろかったでしょうね。ワクワクしましたよね。本人が無謀だとわかっていても10位のポジションを捨てることに後悔がないということ。それもわかる気がします。
ラップタイムも周回を重ねるごとに確かに良くなってきていましたけど、雨が降ってきて万事休すとなりました。残念。
終わってみたら、岩佐選手の勝利も素晴らしいのですが、あの可夢偉くんの漢気スリック…も私は印象に強く残っていましたね。
可夢偉くん、パルクフェルメからチームのピットに戻る際、観客から声援が飛んでいました。そちらに手を振っている姿、めちゃくちゃ笑顔でした。彼はとにかく、スリック履かないと気が済まなかったでしょうから、ダメでも納得です。
あとね、ふと慌てた瞬間がありました。1%でも可能性があるなら…もそうなんだけど、勝ったら辞めるとずっとおっしゃっています。だから勝ったらこのスーパーフォーミュラを引退しちゃうとちょっと焦りました(笑)。残り2大会だけなので。
勝たせたいけど、世界で走る「小林可夢偉」というドライバーを、とても身近に感じる瞬間でもあるのが、スーパーフォーミュラです。彼が居なくなるのもちょっと寂しいなあと思う訳。まさか10年もスーパーフォーミュラで見ていられるとは当初思いませんでしたけどね。同じく平川亮選手が世界の大舞台に行ってしまって、大活躍はとてもうれしいのですが、走る姿を間近で見られないのはやっぱり個人的に寂しいかな。もちろん世界に行ってしまったドライバーさんたちは、日本に戻って来ないでね(世界の大舞台で活躍してね)という気持ちでいっぱいですけどね。
平川選手まで引き合いに出しましたが、お二人とも来月はWEC富士でまた来日されますが、その時はまた別の姿を見せてくれます。それもまた楽しみにしています。
まとめると、スーパーフォーミュラのおもしろさが増していてたまりません。ここ本質ですよね、レースがおもしろいというのは。そんなことを毎戦思う今日この頃。では、また!
(写真 日本レースプロモーション、トヨタ自動車、テキスト 大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
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