SUPER GT最終戦振り返りと3年ぶりの開催!SUPER GT HEROES 2022
大変遅くなりました。SUPER GTの最終戦を含むもろもろ振り返りです。
SUPER GT最終戦!
まずはGT500から振り返ります
予選を思い起こすと、ほらTGR勢が沈んでしまったアレです。
ヨコハマタイヤを履く19号車WedsSport ADVAN GR Supra、予選で元気でしたね。
今季の進化は著しかったです。来季また更なる前進に期待です。
ここから妄想を入れて参ります。2台体制のメーカーは、日産とTGR。ニスモとトムス。2台体制と言っても、それぞれ別チームと言っても良いくらいストラテジーは別。
いや素敵な日本語で…「戦略」で戦っていました(こちらの方が戦ってる感あって好き)。
2台体制は、データ共有など有利。GT500クラスはメーカー戦なので、全チームわかりあった中ですけどね。
最終戦はおそらくいつもとは異なり、少しでもタイトル獲得の可能性が高いクルマをアシストする方向になると思うんです。メーカーの威信にかけてタイトルを獲りにいきますからね。そこは、予選のポジションが大きく関係しますね。
過去には、同メーカー内で助けるということは意外とない、ということも伺いました。
「アリよりのアリ」のようで「アリよりのナシ」そこまで大きなサポートは実際ない…。
こういう言い方が正しいのかな。
結局大きなサポートはナシ、というのが色々お話を伺っているうちにわかってきました。
そこで注目したのは、ランキングトップで臨んだ3号車のタイトル獲得の可能性です。
23号車のアシストがあれば…と漠然と考えました。今季は、3号車がリードして来たので、ここで久しぶりにニスモ陣営が栄冠を勝ち取るには、2台体制は有利だろうなあ…と。前置きがかなり長すぎましたがこれを言いたかっただけ。
もう1台、日産Zを駆る12号車もタイトルの可能性がありました。日産Zデビューイヤーで日産陣営がタイトルを逃したら、これはもう一大事な訳で。
5年くらい前だったかなあ、インパルさん取り逃していますから、とにかく頑張るのみ。
そう思うと些細なことですが、ピット位置が日産陣営で一番後ろなのが気がかりでした。まあ、トランポの数などにもよるので、その位置に操作はないんだけどね。
ちなみに、Honda陣営は17号車が一番前、しかも1番ピット。TGR陣営は最終コーナー寄りではありましたがそれでも37号車が一番前。日産陣営は全体の真ん中でしたが、タイトルに最も近い3号車が一番前と、タイトル候補のクルマは少しでも前に…というのがいつも最終戦で見る風景ですね。
最終戦の予選を振り返ると、23号車 MOTUL AUTECH Z IMPUL Zは、残念ながらQ1落ちをしてしまいました。
Q2への運命の分かれ目にいたのは、今回タイトルを獲った12号車/TEAM IMPUL。23号車がQ1落ちしてしまったことで、12号車が残りました。
23号車は、遅かった訳ではなくどうもライバル車との位置関係でベストなアタックが出来なかったようです。
そしてQ2で、3番手が12号車、4番手が3号車と、3号車は前の12号車を抜かないとタイトルは獲得できないというポジションに。
23号車が残っていたら…というタラレバ。
決勝を振り返ると、序盤でのアクシデント。3号車と8号車の接触で3号車にペナルティ。これは当たってしまったので残念でしたね。そして、その後の5台の多重クラッシュ。これでちょっと混乱しました。
結果、下位に沈んだチームにチャンスが訪れ、予選で奮わなかったタイトル候補の17号車も浮上、ペナルティを受けた3号車も追い上げることが出来ましたね。
決勝が得意なTGR陣営も大きくジャンプアップ。クラッシュがなかったら…というタラレバだと答えが出て来なくなりました。予選ですでにTGRの2台はタイトルの可能性は消えてますけどね。
レース後半、12号車の平峰一貴選手は、優勝を果たした100号車を猛追していましたが、「2番手でもタイトル獲得となるので無理をしなかった」とのこと。そうですよね、せっかく手中におさまっているものをみすみす手離すようなことはしません。
3号車の高星明誠選手が長いセカンドスティントを担当。追い上げて17号車も抜きさり12号車に迫りましたが、そのままフィニッシュ。ほんと頑張ったと思います。
もてぎに入る前は、抜き難いサーキットのため、あまり考えることなく、今季2勝も挙げている3号車がそのまま優勝するんだろうなあと思っていました。
久しぶりに最終戦の舞台がモビリティリゾートもてぎとなったので。
コロナ禍での最終戦は、富士スピードウェイを舞台に刺激的な大逆転劇が続いていたのですが、過去は過去で異例すぎる展開。
結局、最終戦はどこで開催されようが、そんな簡単に事が運ぶものではないんだなと。何年サーキットに通っているんでしょうね。毎年同じような事言ってる気がする…。
ホームストレートでクラッシュもありましたね。ピットロードを通りながらセーフティーカーランが続きました。非常に珍しい光景でしたね。
赤旗にして停めたらいい、というのをSNSで見かけましたが、気持ち分かるんだけどホームストレートでアクシデントが起きているなか、いったいクルマをどこに停めるの?と思いながらツイートを拝見していました。事件は現場で起きてるんだという感じでね。それだけレアな出来事でしたね。
そしてGT300クラス
GT 300クラスでシリーズチャンピオンに返り咲いた56号車は、決勝でタイヤが外れ、なんとも叫びたくなるような光景でしたが、なんとかピットに戻りリスタート。
19位フィニッシュでタイトル奪取でした。あのシーン、コース復帰後は、運を天に任せるしかないのだけれど、しっかりタイトルを呼び込みました。最後まで諦めない…、学びましたよホントに。レースってほんと最後までわからない。
結果的に、両クラスともに日産勢が栄冠に輝きました。
GT500クラスは、開幕戦、夏の富士とGRスープラが勝ったものの、日産Z圧勝のシーズン。最終戦の100号車もお見事。力強い素晴らしい走りで魅了されました。
3年ぶりの開催!SUPER GT HEROES 2022
そして、シーズンエンドパーティの復活です。2022年表彰式「SUPER GT HEROES」が3年ぶりに開催されました。
この晴れのステージは、SUPER GTすべてに関わる方がヒーローという主旨です。私はもちろん取材する側ですからね。戦ってないので、着飾ることなく黙々と取材。
シリーズスポンサー、オーガナイザー、監督、チーム、全ドライバーがステージに上がります。最後にシリーズ表彰があり、チーム、ドライバーのトップ3が表彰されるのですが、トヨタ勢がおりませんでしたね。
あれ?GT300クラスもそうでしたっけ? ここまで惨敗なシーズンってあったのかな…。ふと思いました。
将来を見据えた取り組みも、最終戦が終わった翌日から行われ、まずは燃料に関するテストが行われていますね。
このカテゴリーが、カーボンニュートラルを考えた将来でもできるように、音のあるレースを存続できるよう坂東代表の元、進んでいるようです。今後の展開も楽しみにしております。
このパーティの最後、参加者に向けご挨拶をされている中、チカラがこもり涙ぐまれて少し言葉に詰まるシーンもありました。ありましたよね?あったよあった。正面で見ていましたから。
過去にGT300クラスのチームを運営し、頑張って来られた坂東さん。
一番苦労を知っている方だと思います。皆に親しまれるお姿もサーキットで見てきました。現場では見せないけれど、命かけてやっている感じがしてね。
今、レースを取り巻く環境も過渡期ですよね。この会が行われない間に、亡くなった故人に思いを馳せるなど、これまでのいろんな想いを詰め込んだお話をされたように思います。
私の方が先にサーキットを去ると思いますので、どうか健康でこのまま采配を振って欲しいですね。
終わりに 来季の体制発表について
11月末、早々にトヨタ自動車からモータースポーツの来季の体制発表がありました。TGR陣営は、来季フォーミュラEへの参戦が決まっているサッシャ・フェネストラズ選手が離脱することで動きがありましたね。
宮田莉朋選手は、37号車/TGR TEAM KeePer TOM'Sから36号車/ TGR TEAM au TOM'Sへチーム内移籍、坪井翔選手と共に戦います。
ココかなり速いコンビになりますね。今季は、二人が後半のロングスティントを担当し、トムスの2台を上位に押し上げる活躍をしていました。その戦略をずっと取っていましたね。
来季は、若くも実力のある2人の駆る36号車が、TGR勢を引っ張るんじゃないかと。
37号車の方は、エントリーがジュリアーノ・アレジ選手で、相棒の発表はまだですが、その日は近いかもしれません。もうメーカーの体制発表は終えているので、3月の公式テストまで追加発表はないかもしれないけどね。
他のGT500クラスTGR陣営は、ドライバーラインナップは変わりませんが、これまで同様また頑張ってもらいましょう!
世界の大舞台のワークス活動は好調でしたが、国内トップカテゴリーは、厳しい状況で終わりました。いや厳しすぎました。来季は、3メーカー燃えに燃えて盛り上げていただき、サーキットから足が遠のいたファンのみなさまに、戻って来てもらわないとね。
前進あるのみ!一年間お疲れさまでした!
(写真、折原弘之 大谷幸子、テキスト 大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[GAZOO編集部]
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