大雨、3度の赤旗、ペナルティ…大波乱のSUPER GT 2023シーズン開幕!

スーパーフォーミュラに引き続き、SUPER GTも開幕!

チャンピオンカーの日産Z、ミシュランのレインタイヤ、ARTA2台体制などNSX-GTラストイヤーのHonda勢、得意のコースで今年も優勝なるかGRスープラ勢、と注目ポイントが沢山のスーパーGT500クラス。

悪天候の中、アクシデントも多く3度の赤旗となった、波乱のSUPER GT初戦を振り返ります。

  • ©GTA グリッドの様子、公式写真しか撮れないアングル…。

23号車 MOTUL AUTEC Z の勝ち!

  • 23号車 MOTUL AUTEC Z/ NISMO

勝ち!って幼稚ですが、気持ち的にそんな思い。なぜかと言いますと、雨がらみで速さを発揮するミシュランタイヤ。ちょい濡れだと更にヤバい(ライターの表現としてどうかと思いますが…)。予選から圧巻の23号車(NISMO)、3号車(NDDP RACING)のワンツーフィニッシュでした。

翌日も、決勝は雨らしいよ、とメディア―センター内。みんな情報チェックをしていますから、聞いた方が早い。そしたら”ミシュランが速い”といったん想定して、3号車なのか23号車なのか?どっち来るかなと、そこもポイントでした。結局ドライでスタートしましたが、あらら…の荒天でしたよね。

岡山国際サーキットのメディアセンターの位置は、1コーナーより。私の席の真下は、ニスモ陣営。私はちょうど真ん中、3号車の給油タワーの上付近の席から、真っ赤なZを監視体制(笑)。監視っていうといやらしいね。でも決勝の動きはつぶさに見て取れました。

雨が落ちて来たぞ~、さあどうする? あ、もうレインタイヤ出してる23号車のピット!そんな展開でした。判断が速かったという印象。

3号車は、最初のSC(セーフティカー)で雨量の増す中ステイ。スリックタイヤのまま走行。どうにか…でしたよねSCについていくのが…。雨はバンバン降っていましたし。いや付いていってなかったかな。

心配になりましたが、ピットに向かうとこちらは給油作業も一緒に行い、後れを取り戻す作戦でした。タイヤのことしか考えてなかった私は、「そうだった、給油も後々ギャップが縮まるポイントだ」と確認するかのように上から見ていたけど、頭がまだ開幕してませんでしたね。

前後しますが、序盤の雨が降り始める前に、ドライコンディションで3号車と23号車が並んだシーンもありましたが、あの先も見たかったですねえ。ピットを選択してすぐBOXだったので、その先が見られてないけど。とにかく、ニスモ陣営の2台の判断に注目でした。

  • 36号車 au TOM'S GR Supra/TGR TEAM au TOM'S

  • 36号車、ピット作業が不完全なままクルマを送り出してしまった。

そして、au TOM'Sの36号車。来たなと思っていたら、最後のSCからのピットイン、タイヤ交換で悲劇が起きましたね。メカニック二人のタイヤ交換のタイミングがかなり違うので、左前のタイヤ交換が遅れてるし、ジャッキおろすのが速すぎたのか?もちろん何か原因があるんでしょうね。同時にタイヤ交換が済んでいれば問題なくピットアウトするシーンだし。

  • 37号車 TGR TEAM Deloitte TOM'S

37号車のFCY中のピットインなどのミスなど、ここだけに限らず、スピンにペナルティにと、あれこれありすぎました。トムスは、2台ともネガティブな要素で目立つことになってしまいました。次、ガンバですよ。

SCがからむと、順位の変動の把握が余計に分からなくなるのは仕方ない。台数も多いし、久しぶりに自分が混乱しました。あれ?いつの間にこんな上位になってる?だらけでした。珍しいことではないです。チームのみなさんは大変だったと思いますね。

岡山は、サーキットもピットのレイアウトもタイト。搬入日にいつも緊急ピットインの練習をするチームがほとんど。いつも通りピットに入れれば良いのですが、同時だったりすると、誰かが斜めにダイブしたりしないといけないので。練習もやって良かったとは思うのですが、何かそれもいろいろ超えて混乱マックスでした。

  • 8号車 ARTA(野尻智紀選手・大湯都史樹選手)

  • 16号車 ARTA(福住仁嶺選手・大津弘樹選手)

新体制のARTA TEAM無限。ブランド力も感じますが、8号車が3位表彰台を獲得しました。史上最強のARTAは、前日のクラッシュにシャーシ交換のペナルティ、そこからのポディウム獲得でした。持ってましたね。これ後々デカいぞ。

ペナルティを消化したいものの、アクシデントによりリタイアとなり、レース後、タイム加算など、本当に色々とリザルトの分析が必要な開幕戦。勉強になります。スーパーフォーミュラの開幕戦もそうだったけど。

  • 14号車 ENEOS X PRIME GR Supra /TGR TEAM ENEOS ROOKIE

  • 8号車と14号車

開幕戦2連覇のこちらは、やっぱり得意のコースでした。4位フィニッシュの14号車 、TGR TEAM ENEOS ROOKIE。粛々と追い上げました。やっぱ決勝に強いGRスープラでした。

  • 左:39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra/ TGR TEAM SARD、右:38号車 ZENT CERUMO GR Supra /TGR TEAM ZENT CERUMO

あれ?そうか、トムス以外のGRスープラは、4台とも入賞という結果ですね。大クラッシュの39号車もね。そういうことか~。次の富士はホームですので、どんな走りをするのか注目です。

大混乱の中でも、ちゃんとジャッジする側、それこそJスポーツさんの中継のリプレイの速さも、ほんとプロだらけ!と感じた開幕戦でした。

レースの詳細は、リリースなどでご確認を。

100戦目でおめでとう

  • 優勝記者会見 左から、小出 峻選手・小林 崇志選手(GT300)、松田 次生選手・ロニー・クインタレッリ選手(GT500)

GT300クラス 、17号車UPGARAGE NSX GT3の小林崇志選手が、今回100戦目を迎えました。優勝もされて、記念すべき大会になりましたよね。会見では、これで百戦錬磨って言えるとおっしゃっていましたが、いえいえ、充分百戦錬磨でございますよ。

2010年でしたか、覚えてます。当時、スポット参戦の予選でいきなりポールポジションを獲ったルーキーだったことを。華々しいデビューでした。第3ドライバーでした。翌年、GT500クラスフル参戦となりましたが、もうそんな前の話なんだね。めちゃ覚えてる(笑)。そこからまだまだ頑張っていらっしゃいますね。

SUPER GTのシートを長きに渡り確保しているドライバーさんの努力は、尋常じゃないと思っています。若手も出て来ておりますが、ベテランさんもそう簡単にはシートを譲りません。スキルがハンパないですしね。年齢ではないと思ってます、このカテゴリーは。あ、F1でもアロンソが頑張ってるか!

だから、ベテランも応援しつつ若手もという、もうとにかく全員ガンバの応援団でしかないのです、私。そんな頑張れ頑張れのシーズンがスタートしました。現場が続き、訳がわからなくなっております。6月後半くらいになると落ち着くのかなと思ってますが、取材に食に頑張ります!(笑)。

トランスポーター(通称、トランポ)も人気でした。こちらは搬入日のトランポを少々お届け。

(写真:GTA、折原弘之、大谷幸子 テキスト:大谷幸子)