レースがおもしろい! スーパーフォーミュラ夏祭りin FUJI MOTORSPORTS FOREST トピックTOP10~後編~

独自目線のトピック4位~1位は、やはりレース関連です。レースそのものがおもしろいからこそ、イベント成功に華を添えました。

興奮状態のままレースが終わり、気持ちはレーサーのごとくアドレナリンが!となるのがレースを観たあとに来る多幸感。フォーミュラのレースは、ますますそこにドライバーの顔を思い浮かべる感じで良いなあと思っています。では、振り返りを追加。

第4位  スーパーフォーミュラ・ライツが併催なのは今回まで!

37号車 エンツォ・トゥルーリ選手/TOM‘S

おお~さみしいね。マスタークラスもありますが、若者のプロへの登竜門のこのカテゴリー。18歳がもう覚醒したのかなあ。トムスのエンツォ・トゥルーリ選手が3戦中、2勝を挙げました!菅生での初優勝に続き拍手です。

元F1ドライバーのヤルノ・トゥルーリ選手のご子息のエンツォくん。目元がそっくりでパパのF1時代を思い出します。

チャンピオンシップは、トムス 平良響選手がリードですが、木村偉織選手も経験豊富で、しかも勝者が都度都度変わる激戦となっております。星を分けあっていて、タイトルはいったい誰が獲るの?と思うくらい混沌として来ました。

海外勢は、場数と練習量が多く、慣れないサーキットでも何かこう、強さがありますね。エンツォくんまだ18歳かと甘く見ていたら、やはりサラブレッドで学習能力が高いのでしょう。

お父様のヤルノ・トゥルーリさんが全戦帯同されるそうですが、スーパ-フォーミュラにライツが併催するのは今回で最後。もう少し見たかったけど仕方ない。タイトルの行方は、YouTube Liveで追うことにします。

今季はこのカテゴリーの卒業がかかっている平良響選手。タイトルを獲ってステップアップすれば、スーパーフォーミュラのシートがきっと待っています。

メーカー育成ドライバーですし、そこはきっと叶えてくれそう。このステップアップは大きい(必ずではないけど)。世間の彼に対する見方も変わる時です。彼の可能性が花開くこれからがかかっています。大事なシーズンも残り2大会、頑張ってください!

▽ドライバーズポイント
1位 平良響 83pt
2位 木村偉織 76pt
3位 小出峻 43pt
4位 エンツォ・トゥルーリ 40pt
5位 イゴール・オオムラ・フラガ 25pt
(第12戦終了時点)

第3位 スーパーフォーミュラ 笹原右京選手、電撃交代劇

先般、F1のアルファタウリの日本ドライバー、角田裕毅選手のチームメイトが交代しました。なかなかのニュースで驚きましたが、こちらの交代劇も驚きでした。

ジュリアーノ・アレジ選手、今シーズン3度のリタイアとちょっと名門チームとしてはありえない戦績でしたので、こればマズイなあと思っておりました。まさかのシーズン途中での交代劇。でも仕方ないのかなあ。

36号車 笹原右京選手/VANTELIN TEAM TOM’S

  • ちょっと写真ゆるすぎたかな 湯の文字が見えます サウナ好き

今季、クルマもアップデートし、タイヤも仕様が変わったところで笹原右京選手の登場となりました。3月の鈴鹿の公式テストの際、怪我をしていて参加がかなわなかった山下健太選手の代わりにテスト参加しておりますので、丸っきり初めてではないにしてもね…。

でもちょうど富士ラウンドの前に、3月開催予定だった公式テストがスケジュール的に出来なかった為、そのテストが設けられたんです。これは笹原選手にとって良かったです。が、レースウィークは厳しかったね。交代劇のあった直後だからもっと頑張りたかったはず。大立チーフエンジニアと二人三脚でこれからも頑張るだろうから、焦らず行きましょう。

第2位 勢力図に変化?

5号車 牧野任祐選手/ DOCOMO TEAM DANDELION RACING

  • 6号車を駆る太田格之進選手/ DOCOMO TEAM DANDELION RACING

Honda 5号車、6号車の大躍進がすごかった。SUGO大会、富士公式テストの好感触のままの予選、牧野任祐選手のポールポジションと3番手の太田格之進選手。二人はルーキー、新人ですよ。まあ、チーム無限のF1に近いリアム・ローソン選手もレッドブル・ジュニアチームから送り込まれた将来有望なルーキーですが、別格くん。

でもそこに続いたことは、かなり大きな自信となりますよね。ちなみにこの牧野、太田の両選手は、背も高いし顔面偏差値も高いし、困ったもんですよ(笑)。サーキットに確認に来てね!

  • 1位の表彰台に立つリアム・ローソン選手、田中洋克監督。次いで2位の牧野任祐選手、3位の宮田莉朋選手。

牧野選手、4年ぶりのポールポジションでした。まだ優勝がなく、初勝利がかかっていました。Honda勢、勝者を変えながらも優勝を続け、そこに入れなかった時期もありますから、今回は特に勝ちたかったことでしょう。

でも悔しさを見せつつも、つぶれないしポジティブな彼ですから(ってそこまで詳しくないけどきっとそう)、今後に期待しています。嗚呼、トヨタ勢もそんな感じで行きたいなあ。

  • 64号車 山本尚貴選手・65号車 佐藤蓮選手/TCS NAKAJIMA RACING

そして、今大会Honda勢の巻き返しがハンパなかったですね。中嶋レーシングの山本尚貴選手の勢いも怖い。次のもてぎは得意のコースで、昨年優勝してますしね。彼がモニターに映るとゾクゾクします。寝た子を起こしちゃった…みたいでね。やっぱり人としてキャリアとしてかなりのポテンシャルはあるのでね…。

第1位 アジア最高峰のフォーミュラはおもしろい!世界レベルの刺激に感動!タイトル争いは激戦!

15号車 リアム・ローソン選手/TEAM MUGEN

今回の決勝は、リアム・ローソン選手のピットのタイミングで決まったかな。前日の予選TOP3の記者会見で、決勝の戦い方を質問されたポールポジションの牧野選手は、冗談まじり?で真相は不明だけど、アンダーカットですと答えたような。

サーキットによってはSCが出る予想で先に入ってしまおうとか、あとからステイが正解だったのか先に入った方が正解なのかとなりますが、今回はトップ争いのクルマがみんな早めに入りましたね。

ランキングトップの宮田莉朋選手がミニマムでピットに向かいましたので、ターゲットに合わせて…のローソン選手だったのかもしれません。逆パターンもありで、どこのレースだったかなあ…宮田選手がローソン選手に合わせてピットに入っておけば良かったというのもありました。

ただ、平川亮選手のように、あの脅威的なスピードがあればステイも正解ですよね。決勝では水を得た魚で、魚より速すぎました。予選のポジションがもっと良かったらねえ…。

20番手からのスタートで、ファイナルラップに4位までポジションをあげるとは素晴らしすぎます。せめて予選10番手…でも下すぎますね。まあ、びっくりするレース展開でした。

こういう時、世界の人は違うなあと思ってしまう訳です。経験値もWEC参戦で爆上がりですから、戦いぶりがどんどんダイナミックになっていますよね。お見事でした。

ローソン選手は、てっきりシーズン途中でF1に行ってしまうのではないか、と思っていました。アルファタウリにね。そこは違ったのね。レッドブルの来季のこともあるだろうし、いろんな事情があったのですね。プロスポーツですから、シートを得るとか失うとか当たり前の世界。

話を戻すけど、ジュリア―ノ・アレジ選手は、SUPER GTで奮起して欲しいですね。そっちも頑張らないとだよね。世界はもっと厳しいけど、プロの厳しさ、素晴らしさを目の当たりにしたレースウィークでしたね。

では、簡単にまとめ。

スーパーフォーミュラ夏祭り。いろんなトライが実を結び成功だったと思います。場所も富士なので、大きな集客も見込めましたよね。そして特に、その核となるレースが素晴らしいじゃないですか。そこ大事。めちゃくちゃ高度なことをしているカテゴリーでメーカー同士の戦いでもあります。

フォーミュラカーというのが、なかなか日本に馴染みがなく、私が業界に入った20年くらい前からどうしたらお客様が入るんだろうかと言い続けて来ました。が、「山」は動いていますね。一歩一歩前進していくことを皆で応援しましょう。

来月の大会は、まだ夏休み中のモビリティーリゾートもてぎでの開催。2輪もありますね。楽しみにしたいと思います!

(写真:折原弘之 大谷幸子、テキスト:大谷幸子)

[GAZOO編集部]