まさかの結末 ~SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO~
まさかねえ…、攻めた結果だと思いますが、最後のGT500クラス、300クラスの優勝車がどちらも車検で失格になるという結末で大会を終えました。
みなさまこんにちは!遅めの夏の終わりに、発熱という結末を迎えている私でございます。熱は一日で下がりましたが、一日20時間以上寝てまして、ただの疲れだったのかなあと思い起こしております。
菅生大会、正式なリザルトは両クラス共に2位が繰り上がりで優勝となりました。GT300クラスは、ゴール直前でガス欠に見舞われ、優勝を逃してからの繰り上げ優勝。間近で見ていたので終わってホテルに戻るまで、何かこう気持ちの整理が大変でした。
車検でとなると、問答無用でその場で失格以外なく…。前回からたまたま続いてしまったので、失望感というか喪失感といったものがファンの方の心にも生まれてしまったかもしれません。
車高が低いことが原因となると、シンプルにクルマのスピードが速くなるので競技に影響があるという訳です。そのごくわずかの…、わずか数ミリ単位の戦いなのかもしれません、常に。
ただ、車検をちゃんとクリアしているクルマもありますから、ルールはルールとしか言い様がありません。最初から違反を犯してまで勝とうとするクルマは当然居ないと信じていますから、これがまた残念度が増す訳です。
この件に関しては、ルーキーレーシングの東條エンジニアが、ブログでとてもわかりやすいご説明をされていました。そもそもどうしてといった理由から対策まで。ぜひご一読を。
(「エンジニア東條のブログ」URL:https://ameblo.jp/tsutomutojo/)
では振り返ります!
下馬評通り、8号車ARTA MUGEN NSX-GTが来ました。もっと早くタイトル争いに加わっても良いこのクルマ。実力は非常にあるのでようやくという感じです。
Q1 野尻智紀選手から襷を受け取ったQ2 大湯都史樹選手、GT500クラスポールポジション初獲得! 前回取っていてもおかしくないアタックでしたが、前回は攻め過ぎちゃいましたね。今回は、しっかり落ち着いて取りました。
予選後の記者会見の前に、緊張から解き放たれたお顔をされていて、大湯選手の現実のプレッシャーの大きさを感じました。そんなキャラに見えないと言ったら失礼だけれど…。
実際、ポールポジション記者会見でも、チームメイトの野尻智紀選手は、大湯選手がプレッシャーが無いようなことを言っていたけど、本当にそこまで緊張していたとは気づいていなかった、という主旨のことを話されていて、“(あれは)カラ元気です!”と横からの大湯選手の一言で状況が良く掴めました。
それと、ランキングトップの3号車Niterra MOTUL Z高星明誠選手が、Q1を通過したことは驚愕でした。燃料リストリクター3ランクダウンですよね。やっぱりあのクルマは、昨年タイトルを獲っていてもおかしくないスペックであることをまたもや認識しました。
手強い3号車!次はサクセスウェイト半分でまた速くなるぞ。
GT300クラスの96号車K-tunes RC F GT3。昨年のココ(菅生)でポールポジションに続き今年も!昨年は残念ながら重量で失格になってしまったのですが、今年はしっかり一番時計。
50代コンビがポールポジションとは、もうね生きる活力!ありがとう!(笑)。やっぱり年齢関係なく(全く関係ないとは言えないけど)活躍できるのがこのカテゴリーでもある?年々、GT300クラスを抜くのも大変になっているGT500クラス。スピードは進化しておりますが、そんな中、現役で走られているお二人を尊敬します。おめでとうございました。
決勝
スポーツランドSUGOは、とにかくグランドスタンドが満杯で場内も凄く混んでいて、人があちこちにたまっていました。これは大変ではありますが、まずうれしかったです。年に一度の開催を待っている東北の方々に感謝でした。
今回グーグルマップを見ると、今年出来た東北道のスマートインターチェンジから混むという少々悩ましい結果でした。高速道路からほんと近くなったんですよね。もしかするといつもその辺から渋滞していて偶然だったのかもしれませんが。
レースウィークは何万人もサーキットへの来場がありますので、早めに動くことをおすすめします。帰りは早く帰るとレースが見られないので、余韻に浸りながら帰るなど、出来ることがあればそうするとか。
帰路を急がないといけない方もいらっしゃると思いますけどね。あとは、思い出に浸っていただくと…。今回は、少しほろ苦い思い出になってしまったけれど。
ここはSUPER GT大好きな皆さまならご存じ、レースが荒れることが多々あります。それを考えつつ、ポールポジションのクルマはひたすら逃げるだろう、あとは混戦といつもの自分の予想の上で決勝がスタートしました。
レース展開は、レースレポートを見ていただくとして、大クラッシュが発生しましたよね。最終コーナーを立ち上がった際に、ピットインする予定だったと思われるGT300クラス56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rとその右横をすり抜けたGT500クラスの100号車STANLEY NSX-GTの左リア部分が接触。その結果、100号車が大クラッシュ。
すぐに赤旗は出ず、SCランをしてから赤旗が呈示されレースは中断しました。ほどなく100号車 山本尚貴選手の無事は確認され安堵。でもわたくしショックが大きかったです。
今年に入って大きなクラッシュは2回目ですよね。昨年もありました。続くとどうしてもネガティブになってしまうのは、我々も人ですからね。怖いです正直…。モータースポーツには付きもの…という言い方もおかしいけど…。
レースが再開してからのGT500クラスは、トップの8号車が17号車Astemo NSX-GTに接近を許します。8号車の大湯選手が遅い訳ではありません。後ろから猛追する17号車塚越広大選手が上手いんです。百戦錬磨の大ベテランですからね。
近年タイトル争いに絡んでいますよね。彼のドライビングの上手さは同意してくださる方が多いはず。タイトルを獲ったことはないけれど、獲ると結構一大事じゃないかな、Honda勢の勢力図からするとね。
昨年はタイトルに近かったので、その時が来る可能性もあったのですが、とにかく楽しみなチームでもあります。
その塚越選手にパスされる瞬間がやって来ると、大湯選手の悔しい顔も浮かびましたが(実際は見えてませんが)、こればかりは仕方ないと思いました。トップを17号車に明け渡しその後チェッカーとなりました(暫定)。8号車は惜しくも2位。
39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraが3位、鈴鹿の2位に続き連続表彰台となりましたね。おめでとうございます。
関口雄飛選手と組んで中山雄一選手の成長が大きいですね。優勝するかのような気合の入りようでした。それはそれでチームが結束していて良いことですね。がんば!
GT300クラスは、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTがトップを走っておりましたので、ラスト5周くらいでピットへお邪魔しました。“その時”をみんなと一緒に待ったんです。
明るい関口メカは誕生日だったのですが目でお互い合図をし、彼にとっても良いプレゼントだと思いながら眺め、ファイナルラップはみなさんと一緒にサインガードに出ました。
そしてあのシーンです。ゴール目前でのガス欠。トップチェッカーが受けられないという結末が待っていました。
サインガードに居た時に、電源落ちた?とか、吉田広樹選手からの無線を受ける声が何かまずいムードを醸し出していて。あれ?ひょっとしてという感じはありましたが、考えている間もなく18号車 UPGARAGE NSX GT3が先にゴールに飛び込みました。
場内に響く、実況担当のピエール北川さんの声…。名物電光掲示板には、「ドラマチックSUGO」の文字。
嗚呼…。これがこのサーキットのデフォルトなのか(これまで劇的なシーンが沢山あるので)と、久しぶりの大どんでん返しになぜか冷静でいられました。マモノという言葉で片付けるのも嫌でね。ここに来るまでの沢山の努力が何か打ち消されたようになってしまうし、結論に使ってしまわれる事が多いのでそれも好まない私です。どのサーキットでも起こりうる話ですからね。
数時間後、車検で暫定結果が覆ることとなりました。まずはルールを尊重です。車検が公正に行われていることも認識せねば。次のオートポリス、最終戦と同じ事がありませんようにと祈るばかりです。
そうそう、36号車が3号車の前でフィニッシュしたので、ポイントランキングは変わらないものの、トップ3号車 Niterra MOTUL Zと2位の36号車au TOM'S GR Supraの差が2ポイントになりました。激戦ですね。最後までバチバチに盛り上がって参りましょう!
(写真:折原弘之・GTアソシエイション テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
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