ニューヒーロー誕生! ~スーパーフォーミュラ第8・9戦 鈴鹿サーキット~

トップを誰の写真にしようか悩みましたが、全員のものにしましたよ。タイトル獲得が最後の最後までもつれ込んだ最終戦!こんなにおもしろいシーズンあったかなあ?失礼、ありましたね。

という訳で、スーパーフォーミュラは、とうとうシーズンの幕を閉じました。遅くなってごめんなさい。シーズンはあっと言う間に過ぎましたが、タイピングが追いつかず…。TGR以外のことをこちらにサラサラ行きましょう。

Honda太田格之進選手!

  • 6号車 太田格之進選手/ DOCOMO TEAM DANDELION RACING
  • 6号車 太田格之進選手/ DOCOMO TEAM DANDELION RACING

6号車 太田格之進選手/ DOCOMO TEAM DANDELION RACING

ルーキー(新人)の太田選手が初優勝を遂げました。おめでとうございます! 勝ち方もスタートダッシュを決めてカッコ良かったのですが、イケメンチームのドコモチームダンディライアンレーシング所属で優勝は先輩の先を越してしまいました。

チームは最近、躍進している感じがします。以前、牧野任祐選手は、そうでもないですと言っておりましたが、今、確実に感じることができますね。牧野選手ではないけれど優勝をしました。

その優勝要因について優勝チーム監督記者会見で村岡潔代表が語りました。今季は、3月の富士公式テストがテストやレースで過密スケジュールとなり開催されませんでした。6月に7月の富士大会を鑑み開催されましたが、そこで、牧野選手がチームを立て直そうと動き、今季の戦績に反映する結果となったとのことです。素晴らしい。

  • 牧野任祐選手/ DOCOMO TEAM DANDELION RACING

牧野選手は、自分が…とはおっしゃらずいつも謙虚。何度か聞いたんですけどね、チーム調子いいねって。村岡代表の会見で納得です。

そして、今シーズンは牧野選手も良い感じで来ていたと思うのですが、8月のもてぎ大会でクラッシュしたクルマの影響を受け、空を飛んでしまいマシンが大破しました。衝撃のシーンでカラダが心配でしたが、そこはセーフでした。その時は、最終戦まで2カ月もあるので、マシンの修復は間に合うし良かった良かったと思っておりました。

しかし、この鈴鹿で話していたら、「作り上げて来たクルマを失ったじゃないですか~」と。あ!そこに考えが及んでなかった自分。そうだ、そうでしたと思って話を続けると、太田選手とセットを同じにしてもクルマが同様に走る訳ではなく、以前と違うマシンで戦うことが少しはがゆそうでした。

やっぱりレースって難しいんだなと再確認。なんか、ごめん安易に考えて…という久しぶりになにか無知なとこ出たなと反省しました。ごめんよ、タダスケ。

太田選手、FIA-F4を3年、スーパーフォーミュラ・ライツは1年で卒業したのですね。ランキング2位でしたが、この活躍を見込んでのステップアップだったのでしょう。

最終戦の翌週にあったSUPER GT最終戦でも乗れてるな~と感じた彼ですが、SUPER GTではタイトルを獲っている牧野先輩も居ますし、来季もますます伸びて行くんでしょう。来季は、移籍があるのかないのかはわかりませんが、シートは確実にありそうですね。頑張ってくださいね!

最後の最後でルーキー登場!

53号車 大草りき選手/TGM Grand Prix

いやいや驚きました。大草りき選手の登場!大湯都史樹選手の突然の欠場に伴い、スポット参戦となりました。スーパーフォーミュラは走ったことがありません。走る週の月曜日にチームから打診があり、参戦に至ったそうです。

彼がどれだけ走れるのか、未知すぎて。金曜日の練習走行は、タイトル争いだけではなく、いったいこの若者がどれだけのパフォーマンスをするのか、注目の的でしたね。私も楽しみにしていました。

TGMグランプリのピットを覗くと、いました。当たり前ですが、ほんとに走るんだ~と実感。SUPER GTに参戦しておりますので、コースなどは熟知しています。GT300クラスのシートは、メーカー枠という訳でもないので、今のところチーム契約だと認識。

しかしですね、この彼らの世代はメーカー枠ではないところで乗っている若者たちも頑張っていますが、トップカテゴリーへ参戦するチャンスは中々巡って来ません。メーカー育成ドライバーもおりますしね。このレアなチャンスは必ず良いカタチにしたいはず。みんなが見てますから、このチャンレンジはかなり可能性を秘めたものであったと思います。

この先、例えば来季スーパーフォーミュラに乗って、SUPER GT GT500クラスにも乗るなんてことができたら、まずプロとして国内では成功ではないかと。どちらもトップカテゴリーのシートを得ることになるので。

彼は日産GT-RでGT300クラスに参戦していますが、今回のシートはHondaエンジンですので、もしかするとチャンスを掴む可能性も。

それにレースウィーク、初めてスーパーフォーミュラをドライブする彼は、タイミングモニターの一番下…ではなく、ちゃんと走りきりました(第9戦決勝13位)。むしろ、彼より下の位置でフィニッシュすることは、不名誉なことになったかもしれません。頑張りましたよ。

以前、彼と話した時も、来年はトップカテゴリーを視野にいれて頑張るとおっしゃっていました。これメーカーがほっとかないんじゃないかなあと期待を込めて書いておきます。若いしね。楽しみにしてますね!

来季は?

ここでTOYOTA GAZOO Racingのことについて。どこのシートが空くのかはわかりません。ただ、スーパーフォーミュラ・ライツのシーズンがまだ終わっておらず、ここで平良響選手がタイトルを獲得するかどうかが鍵となります。

タイトルを獲ればステップアップしてくるでしょう。同期の野中誠太選手ともども去就が気になるところ。Hondaの木村偉織選手、小出峻選手もステップアップを視野にいれているはず。

他にも有望なドライバーがもちろんおります。コロナが落ち着き、大人しかったドライバー市場が活発に動き出しているのではと思っております。誰がどんなチャンスを掴むのか。スーパーフォーミュラのドライバーが、若いドライバーに追いたくなる背中を見せてくれるのか? 楽しみしかありません!

  • 宮田莉朋選手/VANTELIN TEAM TOM’S

最後に…。宮田莉朋選手のタイトル獲得は、翌週のSUPER GTのタイトル獲得と併せスーパーライセンスの獲得に至ったようで、ご自身がSNSで発信していました。すごいね。平川亮選手のように、頂点に辿り着く夢もますます近くなりました。

もちろん簡単な道ではないけれど、道を切り開くため頑張るドライバーがあちこちにいることがうれしい。またそれが日本人ということがね。みんなどんどん雲の上にいけるよう、応援していきたいと思います。

スーパーフォーミュラ2023シーズン!レースがね、ホントおもしろかったです! 来季も魅せていただきましょうね!では!

(写真 日本レースプロモーション、テキスト 大谷幸子)