モタスポの夏が熱すぎる!〜SUPER GT 第4戦 富士スピードウェイ〜

暑かったなあ…。夏の富士!スーパーフォーミュラの次のBIG RACEは、SUPER GT第4戦!でした。モタスポの夏は熱く続いています。日本でもっとも人気のあるモータースポーツのカテゴリーではありますが、熱中症警戒アラートが出る中での屋外のイベント。これは、いつも思うのですが行くのが正しいのか、お家で見ていただくのが正しいのか、悩むところ。

  • SUPER GT 第4戦 富士スピードウェイ

実際現場は暑かったのですが、1日中というわけでもないのが、山の麓の富士スピードウェイ。でもね、決勝日はやっぱり暑くて、紺色のシャツは塩だらけで笑っちゃいました。では振り返ります。

GT500クラス 大本命の8号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8

  • 8号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8/ ARTA

2ヶ月のインターバルが明け、ランキングは2台体制のトムスとニスモが名を連ねた前半戦。今季デビューのシビックタイプR-GTが、来ない訳にはいきません。Honda陣営も開幕戦でデビューウィンをしたかったに違いありませんし、デビューイヤーはぜひタイトルを獲りたいと願っているはず。ですので、この2ヶ月はきっといろんな意味でハードワークだったのではないでしょうか。

メディアの予想(オートスポーツウェブさんなど)も、8号車。サクセスウェイト6kgを鑑みると、私も今回は「8」と予想しました。開幕戦では、100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GTが3位表彰台に乗りましたので、8号車が次に来るかなと思っていました。松下信治選手が8号車へ移籍しましたが、速いドライバーさんですので、これは台風の目。そう思っておりましたが、ここまで不運もあり、8号車らしからぬムードがありましたよね。もっともっと戦績を残せるようにとチームは体制を変えたので。

この仕切り直しの2ヶ月のインターバルは、絶対良い「時間」だったと思うんです。どの陣営もそうかもしれませんが。これだけ開くと、いろいろ感覚として忘れちゃう私ですが、戦うみなさんはリセットし、新たな戦略を練るのに良い時間。やっぱりそうだったかとレースウィーク、走り始めから、おぉ来た!と思いました。

予選は、8号車ポールポジション!予想通りに事を運ぶのは、至難の業だったり意外に容易く進んだり。それも努力が土台にあっての話だけどね。これまでのこともあり、野尻選手は8号車は何かあるだろうと思われることを払拭したく、絶対勝つというムードで行きたかったと会見でおっしゃっていました。そう信じて突き進むことこそ大事で、気持ちを強く持っていかれたようですね。

  • ポールトゥウィンで今季初優勝

決勝が終わってから、チェッカーを受けた松下信治選手がとてもうれしそうでね。勝ったのは見たことあるけど、何かこの上なく笑顔でした。

記者会見で、人を信頼することに触れていました。信頼するという気持ちが強くなったというような主旨のことを話されていたのが印象的。
「さっき智紀選手も言ってましたが、信頼関係ってすごく大事だなと、このチームに移籍して余計に思うようになりました。ドライバー同士で、ドライビングスタイルだったり好みだったりが若干違うので、そういうところをお互い一歩譲り、合わせていくことで、レースペースが最終的により速くなるのを今回見た気がしたんで…。(中略)優勝しましたけど1回だけで終わりたくないし、次回に向けてがんばりたいと思います。」

チームメイトだけではなく、チーム全体への信頼度も強くなったという気持ちもきっと含まれていると思います。

小さい頃からの旧知の仲という、野尻選手と松下選手。巡り巡って、今年コンビを組みました。2人で結果を出しました。間違いなく速いコンビですのでこれからが怖いですね。長年コンビを組んで勝ち続けていきそうな感じでもあります。楽しみにしています!まずは、おめでとうございました!

2位 100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GT

  • 2位100号車 山本尚貴選手、牧野任祐選手/STANLEY TEAM KUNIMITSU

開幕戦で表彰台に乗り、サクセスウェイト40キロで臨む今大会は、軽い車に比べたら若干厳しいのかなと思っておりました。それが走り出しから速いんですよ。フリー走行トップは、同じHonda陣営でサクセスウェイト2 kgの64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT。そんな中、2番手につけました。これはびっくりでした。Hondaさんの本気(いつでも本気だけど)を感じました。

今回は、メディアセンターの真下がHonda陣営。ただそれだけで、なにかこう動きがつぶさに見てとれる感じでね。見えてないけど(笑)。そして、熱さで省電力モードの私を驚かせる速さ。山本尚貴選手と牧野任祐選手のお顔が浮かびました。

  • 100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT/ STANLEY TEAM KUNIMITSU

決勝では、バチバチのHonda同士の戦い。スタートからずっと8号車にピタリとついて行ってましたね。ギャップが1秒を切るテールトゥノーズの周回も何度かあったので、ひょっとして?と思いました。

しかし、レース後半は、サクセスウェイトの分で少しだけ前に行けなかったという感じでしたね。きっとクルマの仕上がりは良いレースウィークだったのではないでしょうか。そのまま2位フィニッシュと最良のリザルトを残しました。チェッカーした順で行くとまわりは軽いクルマばかりですから。

  • 100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT/ STANLEY TEAM KUNIMITSU

ランキングが2位に上がり、トップ36号車au TOM'S GR Supraと4ポイント差。まだ言うのは早いけど、タイトル争いに浮上しました。これはおもしろくなりそうです。3メーカーが最終戦までタイトルを争ってもつれこむ…、これ観る側からするとめちゃくちゃおもしろいじゃないですか。良い感じなってきました。

一人勝ちしない、そのためのサクセスウェイト。そんな中で最後に強いクルマが勝つ。後半戦が始まったばかりですが楽しみですね。

こちらのクルマも圧倒的な速さでポールトゥウイン!蒲生尚弥選手の速いこと。それをちゃんと若手の篠原拓朗選手がリスペクトしつつ頑張っていらっしゃいますね。第3ドライバーで監督の黒澤治樹選手は、しっかり地固めをしているチームですね。

  • 黒澤治樹選手兼監督/K2 R&D LEON RACING

勝って思うことはみなそれぞれ。黒澤監督が会見で、「実は3年前に工場を買って、メカニックを揃えて、スタッフに働いてもらって、自分がその“長”でもあり、普段監督としてやらせていただいているので、彼らを勝たせてやりたいという気持ちが大きかったんです。これまでトラブルが出たこともあったんですけど、今日ふたりを勝たせてやって、チーム的には初ポール・トゥ・ウインなんですね。だから、それも達成できて本当に良かったと思います。本当にみなさんのおかげだと思っています」とコメント。経営者としてもうれしい気持ちを語ってくれました。

彼らもタイトル争いに激しく浮上。トップと、7ポイント差まで来ました。こちらもバチバチ、楽しみにしています!

メルセデスAMGと言えば、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGも2位に入り、メルセデス 1-2フィニッシュ。彼らの表彰台も盛り上がりますね。おめでとうございました。

次戦は、夏の終わり8月31日、9月1日の鈴鹿サーキット。8月末と明日から始業式というスケジュールですね。来年はサーキットに行きやすい8月23日、24日の予定。(2025年のお話ね)。鬼が笑うことを言いましたが、その前に次回の鈴鹿もお楽しみに!その前の前に、スーパーフォーミュラがモビリティリゾートもてぎであります!モタスポの熱い夏は続く!

(写真:折原弘之 GTアソシエイション/テキスト:大谷幸子)

MORIZO on the Road