TGR国内モータースポーツ 2025シーズン体制を検証!


あけましておめでとうございます!
今季の国内モータースポーツの体制が昨年のクリスマスに発表になっておりました。冬休みとして訪れていたドイツで、偶然オンタイムで発表を拝見しました。ざっと見てはいたのですが、改めて体制を見て参りましょう!

【TOYOTA GAZOO Racing プレスリリース】
TOYOTA GAZOO Racing、2025年の国内参戦体制を発表

わたくしがTGRレポーターとして取材をしているのが、SUPER GTとスーパーフォーミュラ。ここを検証して参ります。

SUPER GT GT500クラス

  • 笹原右京選手、ジュリアーノ・アレジ選手

昨年、8戦中、トムスの36号車と37号車で5勝も挙げたシーズン。第2戦の富士が3号車Niterra MOTUL Z、第4戦の富士が8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8、第7戦オートポリスがDENSO KOBELCO SARD GR Supra。6勝もGR Supraが挙げていると思うとこんなシーズンあったかな。

昨年は、CIVIC TYPE R-GTがデビューイヤーで期待のかかるシーズンだったと思います。しかし、蓋を開けてみたら苦戦という意外なシーズンでした。そう思って振り返ると、Nissan Zもデビューイヤーに獲れていないのか。

36号車がドライバーは毎年変われど強すぎるということになるか。坪井翔選手が早いペースでもう3冠目ですしね。

2021年に関口雄飛選手と、2023年に宮田莉朋選手、2024年は山下健太選手。チームメイトが変わると結構大変だと思うのですが、チーム体制もしっかりしている為かタイトルを取っていますね。昨年は特に強すぎました。

よって、今年は36号車は、ゼッケン「1」になるね。そう来なくちゃ。2人のドライバーが続投ですから、自分たちで取った「1」。これはつけるべきです、はい。

また、来季の発表を見ると、あのサッシャ・フェネストラズ選手が、TGR陣営 GT500クラスに復帰しました。フォーミュラEで世界の舞台へ行った彼。昨年、今季の採用がないことが発表された時点で、日本に戻って来そうと思ってはおりました。

フォーミュラEは日産自動車でしたが、国内に戻る時はどうするのかなと思っていたら、やっぱりTGRでしたか。きっとスーパーフォーミュラにも乗りたいでしょうしね。実績もあるし。

また、大きな要因として若手が足踏み状態。GT500になかなか上がって来られていない現状。これで大きくGT500のシートに変化がないのかなとも感じます。ステップアップして来ませんよね…。やっぱりGT300でタイトルを取らないとという思いがあります。そうなれば、ステップアップできるかもしれません。

ただ、小高一斗選手が、SUPER GT(GT500)リザーブという表記がありました。これ進歩。もっとパンチが欲しいけど。

過去の育成プログラムを見ていると、全日本F3選手権(現・スーパーフォーミュラ・ライツ)でタイトルを取ると、SUPER GT GT500クラスのシートとスーパーフォーミュラのシートが用意されていました。ここ2年獲得ならず。

その前の小高選手は、獲得していたものの、GT300のシートにおさまりました。経験を2年積んだので、今年GT500リザーブなのかな。このチャンスはとにかく活かさないとね。リザーブ、これまでないパターンだなあ。

  • 関口雄飛選手、中山雄一選手

話を戻しますが、3年間、TGRでGT500に300からステップアップがない現状だから、サッシャ・フェネストラズ選手がシートを得るのも驚かないですよね。実績重視なのでしょう。今季は、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraをドライブ。

これはちょっと驚きましたけどね。中山雄一選手がシートを失いました。
しかし、39号車の脇阪寿一監督とご本人のSNSを見ていると、どうも新たなチャレンジが待っている様子。悲観する感じでもなかったですね。

昨年、アメリカのIMSAミシュラン・パイロットチャレンジに参戦していましたので、ひょっとして中山選手は海外なのかな?わからないけど、離脱はちょっと寂しいです。

  • 国本雄資選手、阪口晴南選手

阪口晴南選手にブリヂストンタイヤで参戦して欲しいという、個人的な願いは今年も叶わずでした。新人の頃、代打で走って予選でポールという実績があるので、もったいない感じがしていてね。ごめんなさいヨコハマタイヤさん。

彼は誰もが欲しいドライバーだと思いますね。19号車WedsSport ADVAN GR Supraは育成のチームでもなんでもないので、そこに留まってタイトルを目指すで良いんですけどね、ほんとに。

ただその前までがそこを足がかりとしていた流れがあるので、ちょっと気になるところです。まずは、今季も頑張ってもらって。早く若手に上がって来てもらってと願うばかりです。

  • 大嶋和也選手、福住仁嶺選手

  • 石浦宏明選手、大湯都史樹選手

移籍組の福住仁嶺選手、大湯都史樹選手は、昨年TGRチームを押し上げてくれたので、シート、ちゃんとありましたね。私は、昨年は、彼らがTGRチームに移籍して良かったと思ってくれるようサポートしたいと思っていました。大したことはできないけどね。

まだ若い彼ら、自分たちが選んだ道でしっかり戦って行って欲しいのです。そこにちゃんとした彼らの軌跡ができれば、それで良しです。まだ先は長いので、キャリアを全て見届けることはできないと思うけど、応援しております。

もっともっとみんなをリードして切磋琢磨して強いTGRになって行って欲しいです。初年度から十分活躍してますけどね。

スーパーフォーミュラ

ここは、変化がありました。エンジンは株式会社トヨタ・ガズーレーシング・ディベロップメント(TGR-D)より、直列4気筒2リッター直噴ガソリンターボエンジン (TRD 01F)を7チーム13台が供給されます。

そうなんです、増えましたね。1チーム2台、TGRのファミリーが増えますね。さあ、大変。

「KDDI TGMGP TGR-DC」ドライバー、エンジニア、メカニックの人材育成を目的とした新チームを立ち上げとリリースにありました。TGMGPの名前を残したままのチームですから、メンテナンスも元々のガレージと育成のチームの混成になる可能性ありですね。ちょっと楽しみです。

私、このチームにも出入りするようになるはずなので、ピット周りが増えますね(笑)。まわり切れるかな、ちょっと心配だけど頑張ります。

現時点で、小高一斗選手がフル参戦、平良響選手と野中誠太選手は、シェアするのかな。これも不明ですが。頑張ってよ!

  • 坪井翔選手

タイトルを取った坪井翔選手は、ゼッケン「1」をつけますね。
そう!これもこう来なきゃ。

簡単に取れるものではないので、カーナンバーのこだわりもわかるけど、自分で取ったものだからこそつけて欲しい。SUPER GTの「1」と同じ想いです。良かった。

TGR陣営新加入は、まずはサッシャ・フェネストラズ選手。
スーパーフォーミュラではトムスに加入。37号車をドライブします。実績ありますので心配なし。ノーポイントだった車がどこまで進化できるのかが課題ですね。

昨年まで乗っていた笹原右京選手は今季は乗らないですね。
ルーキーテストには別のチームで参加していたので、本来なら乗りたかったのではないかな。きっと乗って考えてやめたのかもしれません。乗らない選択もありなのかなと。この経緯はもちろん知らないけどね。

すごいなあ、ウィリアムズのザック・オサリバン選手がコンド―レーシングだ。
F2に参戦していたから宮田莉朋選手とも走っていたね。F2で走れない、F1に上がれないとなると、このスーパーフォーミュラは魅力的なシートになるのかな。楽しみにしています。

  • 昨年の最終戦では、19号車を平良響選手がドライブしました

チームインパル、今年は落ち着いて戦えるようですね。
オリバー・ラスムッセン選手、WECでジェンソン・バトン選手とハイパーカーに乗ってたドライバーさん。これもまた楽しみです。

そして、開発ドライバーとして赤寅で開発に貢献してくれていた高星明誠選手が、とうとうレギュラードライバーとして参戦します。これは、もう少し早く見たかったけど、楽しみ。

総監督の星野一義さんは、なんでも車に乗った方が速いドライバーになると常々おっしゃっているので、SUPER GTだとライバルになりますが、彼のスキルに磨きがかかりそうです。チームインパルを盛り上げて欲しいですね!楽しみにしています!

2025年TGR-DCドライバー

ざっと見ると宮田莉朋選手を頂点として、11名がラインナップ。

中村仁選手が海外修行に行きますね。おめでとうございます!小山美姫選手が、SUPER GT GT300にフル参戦となります。こちらもおめでとう!いつかスーパーフォーミュラも乗れるといいね。

あとは下のカテゴリーからとにかく上を目指す!サラブレッドたちが、この敷かれたレースのチャンスをどれだけ活かせるか、期待しかないです。大人たちもこのレースを敷くのに頑張っていらっしゃいますからね。

というわけで、自分の見どころだけ書き出しましたが、いかがでしょうか?

そのままの体制のチームももちろんあります。中の体制をすでに変えていたりと、どのカテゴリーも最終戦から中の人たちは大きく変わっていたりします。

ドライバーラインナップは大きな変化がないように見えますが、海外修行に再び下のカテゴリーから出たり、世界カテゴリーに参戦したり、以前F1に参戦していた時代にとても活発だった育成プログラムが戻って来たように思います。

F1のハースチームとも提携を発表しました。すぐにどうこうとはならないにしても、チャンスが増えたらドライバーたちも気合い入りますよね。F1というカテゴリーが頂点になかったドライバーたちもいます。何事もタイミングだね。

トヨタ自動車が世界への挑戦、F1、WRC、WECに参戦している以上、チャンスがあるわけですので、ここは一気に門戸を開き育成プログラムも進化したと感じますね。夢が広がって良いなと素直に思います。

私が現場で取材している間に、ドライバーたちが羽ばたくニュースをたくさんみたいものです。TGRの今季の体制は、まだ一部発表になっておりませんが、まずは楽しみが増えたということで今年もよろしくお願いします!

(写真:トヨタ自動車株式会社/テキスト:大谷幸子)