【連載全18話】第4話 MGミジェット & ダイハツ・ミゼット…なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集
世界でこれまで販売されてきたクルマを見ると、同じ名前のモデルがちらほら……。今回の特集では、そんな「メーカー・ブランドは違えど名前が同じクルマ」をピックアップ。週替わりで紹介します。
MGミジェット & ダイハツ・ミゼット
英語で「こびと、極めて小さなもの」などを表すミジェット(midget)。これを最初に冠したのは1929年に登場したMG Mタイプ ミジェットだった。ライトウェイトスポーツの元祖的なモデルで、以後1954年に生産終了したMG TFミジェットに至るまで、MGの小型オープン2座スポーツカーはその名をペットネームとして冠していた。
いったん消えたミジェットの名が復活したのは1961年。MGと同じBMC傘下にあるオースチンのライトウェイトスポーツである、通称“カニ目”ことヒーレー スプライトがモデルチェンジしてMk2となった際に、新たに登場した双子車がMGミジェットを名乗ったのだ。948ccの直4 OHVエンジンを積んだ軽快なオープン2座スポーツで、Mk2(写真)では1.1リッター、Mk3では1.3リッターに排気量を拡大するなど改良を重ね、最終的に排ガス対策を施された1.5リッターエンジンに換装され、1979年までつくられた。
カナ表記ではミゼットだが、英語では同じmidgetであるダイハツ版は、1957年に誕生した軽三輪トラック/パネルバン。当初はバイクに風防とほろを装着し、後ろ二輪に荷台を付けたような簡便な構造で、エンジンは空冷2ストローク単気筒249cc。手軽で小回りが利き、それでも最大積載量300kgと運送能力は二輪車に比べ格段に高いことからヒット作となった。
1959年にはそれまでの単座のバーハンドルから、2灯式ヘッドライトを備えた密閉式キャビンの2人乗り、丸ハンドルという自動車らしいスタイル(写真)に発展。横町を縦横無尽に走り回り、日本の高度経済成長を底辺から支えた働き者だったが、軽四輪トラックへの需要の移行により1972年に販売終了。1996年には、そのイメージを受け継いだ軽四輪トラックがミゼットIIを名乗って登場、2001年までつくられた。
[ガズー編集部]
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