【連載全18話】第11話 リンカーン・コンチネンタル & ベントレー・コンチネンタル…なぜか車名がかぶってる!“同名異車”のクルマ特集

世界でこれまで販売されてきたクルマを見ると、同じ名前のモデルがちらほら……。今回の特集では、そんな「メーカー・ブランドは違えど名前が同じクルマ」をピックアップ。週替わりで紹介します。

リンカーン・コンチネンタル & ベントレー・コンチネンタル

コンチネンタル(continental)とは「大陸の、大陸風の」を意味する英語。これを車名に冠した量産車は、ゼネラルモーターズのキャデラックに対抗するフォードのトップブランドであるリンカーンから1939年にリリースされた。2ドアコンバーチブルまたは2ドアクーペボディーに4.8リッターV12エンジンを積んだ最高級パーソナルカーで、コンチネンタルという名称は欧州調のスタイリングにちなんだものだった。

日本でその存在が広く知られるようになったのは、第35代アメリカ合衆国大統領のジョン・F・ケネディが暗殺された際に乗車していた大統領専用車のベースともなった、1961年デビューの4代目(写真)からだろう。観音開きのドアを持つ4ドアセダンまたは戦後のアメリカ車では初となる4ドアコンバーチブルボディーに7リッターのV8エンジンを搭載、遅れて2ドアハードトップも加えられた。

その後は時流に沿ってダウンサイジングやFF化などを経て世代を重ねたが、2002年に9代目をもってその名は消えた。それから15年後の2017年に10代目が復活したが、2020年に再び生産終了。単にコンチネンタルの名が消滅しただけではなく、これをもってリンカーンブランドからセダンが消え、ラインナップはSUVのみとなった。

初代リンカーン・コンチネンタルが生まれた1930年代の初頭、ロールス・ロイスが欧州大陸用のグランドツアラーに、サブネームとしてコンチネンタルの名を与えたことがあった。それと前後してロールス・ロイスはベントレーを吸収、長らく両ブランドは実質的に兄弟車をラインナップしていた。1952年、ロールス・ロイス・シルバードーンのベントレー版として登場したRタイプをベースに開発された独自のモデルが、Rタイプ コンチネンタルである。流麗な2ドアクーペボディー(ごく少数だが2ドアコンバーチブルもあり)に4.6リッター(後に4.9リッター)直6エンジンを積んだ、当時のロールス・ロイス/ベントレーでは最もスポーティーなモデルだった。

それ以降、高性能版やコンバーチブルなどがコンチネンタルを名乗ったが、1991年にRタイプ コンチネンタルの再来ともいうべきコンチネンタルRが登場。2ドアクーペボディーに6.75リッターV8ターボエンジンを搭載した、ベントレー独自の高性能モデルだった。

1998年にベントレーはロールス・ロイスと袂を分かちフォルクスワーゲン傘下となり、2003年に2ドアクーペボディーに6リッターW12ツインターボエンジンを積んだコンチネンタルGTがデビュー。2006年にコンバーチブルのGTCを加えた後、2010年には2代目、そして2017年は3代目へと進化して、現在も健在である。

[ガズー編集部]

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