【連載全14話】第1話 シボレー・コルベット・・・軽さが走りに生きている! FRPボディーの名車特集

金属でできた製品というイメージが強い自動車ですが、なかには軽量化の観点から樹脂製のボディーを持つものも存在します。今回は、そのうちFRP(繊維強化プラスチック)をまとうモデルをピックアップ。週替わりで紹介します。

シボレー・コルベット

1953年にアメリカ車としては初となる本格的な量産スポーツカーとして誕生したコルベット(C1)。その車体は、別体式のスチールフレームにFRP製の2座ロードスターボディーを架装していた。同様の例は、規模の小さなメーカーの少量生産モデルにはあったが、量産車にFRPを採用したのは世界初。それが、世界一のメーカーだったGM(ゼネラルモーターズ)の最量販ブランドだったシボレーから登場したのである。

ただし、フロントに積まれるエンジンは、基本設計を戦前にまでさかのぼる3.9リッター直6 OHVで、最高出力は補機類を何も付けないSAE規格で150PS。加えて変速機は2段ATのみとあって、最高速度108mph(173km/h)、0-60mph(96km/h)加速11.2秒というパフォーマンスは、スポーツカーを名乗るには物足りなかった。だが1955年には同195PSを発生する4.3リッターV8エンジンや3段MTがオプションとして加わり、1957年にはインジェクションを備え同290PSを誇る4.6リッターV8や4段MTが選択可能になるなど、徐々に高性能化していった。

1963年にフルモデルチェンジして“スティングレイ”のサブネームがついた2代目(C2)では、リトラクタブルライトが備わり、クローズドクーペも登場。シャシーは4輪独立懸架となり、より本格的なスポーツカーに進化した。現行モデルは2019年にミドシップに転換して登場した8代目(C8)となるが、誕生から70周年を迎える今日までFRPボディーはコルベットの伝統として受け継がれている。

[GAZOO編集部]

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