【連載全14話】第8話 アルピーヌA310・・・軽さが走りに生きている! FRPボディーの名車特集

金属でできた製品というイメージが強い自動車ですが、なかには軽量化の観点から樹脂製のボディーを持つものも存在します。今回は、そのうちFRP(繊維強化プラスチック)をまとうモデルをピックアップ。週替わりで紹介します。

アルピーヌA310

1955年に設立され、ルノー4CVをベースにしたA106でスポーツカーのスペシャリストとして名乗りを上げたアルピーヌ。1962年にリリースしたA110が成功をおさめた後、1971年に送り出したA310は、ラリーでも大活躍したピュアスポーツのA110に対してより大きく豪華で、GT的な性格を強めていた。

A110と同様、太い鋼管バックボーンに前後にサブフレームを備えた骨格に、前後ダブルウイッシュボーンのサスペンションを持つシャシーと、シトロエンSMにも通じる前衛的な雰囲気のマスクが特徴のFRP製2+2クーペボディーを架装。シャシー後端に積まれるパワーユニットはルノー16用をツインキャブなどでチューンした1.6リッター直4 OHVで、最高出力127PSを発生。最高速度は210km/hをうたったが、A110より100kg以上重くなった車重のせいで運動性能は低下し、評判は芳しくなかった。

1975年にパワーアップしたインジェクション仕様やシングルキャブ仕様の廉価版を追加した後、1977年にはより一般的なマスクを持ち、前後にスポイラーを備えるなど改変されたボディーに、同150PSを発生する2.7リッターV6 SOHCユニットを積んだA310 V6に発展。この改良によりセールスはようやく上向き、小変更やバリエーション追加などを経て1985年に後継モデルのV6 GT/V6ターボにバトンタッチするまでに計1万2000台弱がつくられた。

[GAZOO編集部]

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