【連載全16話】第11話 トヨタ・カローラ1600GT・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

トヨタ・カローラ1600GT

1979年に登場した4代目カローラ(KE/TE70系)の4ドアセダンボディーに、1.6リッター直4 DOHCエンジンを積んだ“羊の皮を被った狼”的なモデル。1972年に2代目カローラと姉妹車のスプリンターに加えられたレビン/トレノ(TE27)に始まり、3代目カローラ/スプリンターの2ドアクーペ/2ドアハードトップ/3ドアリフトバックにもDOHCエンジン搭載車が存在したが、セダンボディーとDOHCエンジンとの組み合わせは、これが初。細部が異なるスプリンター4ドアにも同じく1600GTが存在した。

当時のトレンドだった、直線基調のシャープなウエッジシェイプの4ドアセダンボディーに、電子制御インジェクションを備えて最高出力115PS、最大トルク15.0kgf・mを発生する2T-GEU型1.6リッター直4 DOHCエンジンを搭載。5段MTを介して後輪を駆動した。前:ストラット/コイル、後ろ:4リンク/コイルのサスペンションは低く固められ、足元には175/70HR13スチールラジアルを履く。ブレーキはサーボ付きの4輪ディスクがおごられた。

セダンボディーの実用性の高さからファミリーユースにも使えるスポーツセダンとして好評を博すいっぽうで、同じ2T-GEU型エンジンを積む3ドアクーペのレビンよりも車重が軽くボディー剛性も高かったことから、ラリーやダートトライアルなどのオフロード競技でも活躍した。1983年に登場した5代目からカローラは一部車種を除きFF化されたため、DOHCエンジンを積んだFRのセダンGTは、結果的にこの4代目が最初にして最後となった。

[GAZOO編集部]

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