【連載全16話】第15話 三菱ランサーEX 1800ターボ・・・日本生まれの懐かしいスポーツモデル

今回は、一見ごく普通のクルマのようでありながら、優れた走行性能や運転の楽しさで知られたFR(フロントエンジン・リアドライブ)の日本車をピックアップ。1970年代のモデルを中心に16車種を週替わりで紹介します。

三菱ランサーEX 1800ターボ

1979年に初のフルモデルチェンジを迎え、英語で「超える、勝る、優れる」などを意味する“exceed”から引用したEXを車名に加えたランサー。前年に誕生した弟分となる初代ミラージュはエンジン横置きFFを採用していたのに対し、オーソドックスなFRを踏襲。ひとまわり大きく、4ドアのみとなったセダンボディーのクリーンなスタイリングは、イタリア人デザイナーのセッサーノが手がけたといわれる。

シリーズに1981年に加えられたハイパフォーマンスモデルが、通称“ランタボ”ことEX1800ターボである。ひと足先に欧州市場向けに2000ターボが発売されていたが、諸々の事情から国内向けは1800となり、簡素なGTターボと標準的な装備のGSRターボの2グレードが用意された。三菱重工製のターボチャージャーを備えた1.8リッター直4 SOHCエンジンは最高出力135PS、最大トルク20.0kgf・mを発生。この数値はくしくも先日この連載で紹介した日産ブルーバード1800SSSターボと同一だが、車体がひとまわり小さく車重が軽いランサーEXのほうが動力性能では有利で、メーカー公称値では「0-400m加速16.0秒」をうたった。

1983年のマイナーチェンジでは空冷式インタークーラーが備わり160PS、22.0kgf・mまでパワーアップ。0-400m加速は15.5秒を豪語した。先代からの遺産を受け継いで好成績を残していたラリーやダートトライアルなどの競技における戦闘力も向上。従来の135PSユニットを積んで装備を充実させたGSLターボも追加され、これには5段MTだけでなく3段ATも用意された。

[GAZOO編集部]

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