【連載全20話】第6話 日産スカイライン ハードトップ・・・懐かしい日本の2ドアハードトップ

昔に比べて少なくなった、国産の2ドアクーペ。なかでも過去の車型となってしまった“ピラーレスの2ドアハードトップ”を、週替わりで紹介します。

日産スカイライン ハードトップ

前回で紹介した、初代ローレルに日産初のハードトップが加えられてから4カ月ほど経った1970年10月。「愛のスカイライン」のキャッチコピーを掲げた広告キャンペーンとレースにおけるGT-Rの活躍によって一躍人気車種に成長した、通称“ハコスカ”こと3代目スカイライン(C10)にもハードトップが追加設定された。

直4エンジンを積んだ1800と、ホイールべースを150mm延ばして直6エンジンを積んだ2000GT系の2種類のボディーが存在するのはセダンと同様だが、特筆すべきは双方ともセダンに対してホイールベースおよび全長が70mm短縮されたこと。2ドアクーペおよびハードトップ化に際して、シャシー寸法にまで手を入れたのは国産量産車では唯一の存在である。またピラーレスのハードトップでは、Bピラーを取り去ったことによるボディー剛性の低下を補う対策によりセダンより重量増となるのが一般的だが、3代目スカイラインの場合は逆に軽く仕上げられており、シャシー短縮と合わせて運動性能が向上した。

当初のバリエーションは1.8リッター直4 SOHCエンジンを積んだ1800、シングルキャブ仕様の2リッター直6 SOHCエンジンを積んだ2000GT、そしてツーリングカーレースで無敵の存在だった2リッター直6 DOHC 24バルブユニットを積んだ2000GT-R。既存のセダンGT-Rは生産終了し、レースでの戦闘力もより高くなったハードトップに一本化された。

1971年9月にマイナーチェンジを実施し、ハードトップ1500とSUツインキャブ仕様の2リッターユニットを積み、パワーウィンドウなどを備えた2000GT-Xを追加。ハードトップの追加から2年を経た1972年9月に通称“ケンメリ”こと4代目(C110)に世代交代する。

[GAZOO編集部]

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