【連載全20話】第12話 日産スカイライン ハードトップ(4代目)・・・懐かしい日本の2ドアハードトップ


昔に比べて少なくなった、国産の2ドアクーペ。なかでも過去の車型となってしまった“ピラーレスの2ドアハードトップ”を、週替わりで紹介します。

日産スカイライン ハードトップ(4代目)

「愛のスカイライン」をキャッチコピーに掲げた広告キャンペーンとレースにおけるGT-Rの活躍という硬軟両面のプロモーションが功を奏し、一躍日産を代表する人気車種にのし上がった通称“ハコスカ”こと3代目スカイライン。その勢いをさらに増すべく1972年9月にフルモデルチェンジ。新たなキャッチコピー「ケンとメリーのスカイライン」から“ケンメリ”の俗称で呼ばれることになる4代目(C110系)が登場した。

“サーフィンライン”と称するリアフェンダーのキャラクターラインを先代より受け継いだボディーは、サイズがひとまわり拡大された。直4エンジン搭載車と直6エンジン搭載の2000GT系で長短2種のホイールベースが存在するのは従来どおりだが、先代とは異なりセダンとハードトップのホイールベースを統一。三角窓が廃されてハードトップのサイドウィンドウは遮るものがなくなったが、当時流行していた後端が切れ上がったデザインによりクオーターピラーが幅広くなり斜め後方の視界は悪化した。

機関については基本的に先代から踏襲。パワーユニットは4種類で、ベーシックな1.5リッター直4 SOHCは1.6リッターに拡大されたが、1.8リッター直4 SOHC、2リッター直6 SOHC、同SUツインキャブ仕様という残りの3種類は先代と同じ。1973年1月には先代と同じ直6 DOHC 24バルブのS20型エンジンを積んだ2000GT-Rを追加設定。大きく重くなったボディーに同じパワーユニットの組み合わせで、走りのポテンシャルは先代より低下したため歴代GT-Rで唯一レース参戦歴がないが、生産台数が一説では197台と少ないため旧車市場では高い人気と相場を保っている。

1975年には排ガス対策のため直4エンジンを旧プリンス開発のG16/G18型から日産設計のL16/L18型に換装。また2リッター直6にはSUツインキャブに代わって電子制御インジェクション仕様を設定した。1977年8月に通称“ジャパン”こと5代目にバトンタッチするが、ケンメリの国内販売台数67万台強は歴代最多で、商業的には最も成功したスカイラインとなる。

[GAZOO編集部]

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