【連載全18話】第18話 三菱・ギャランスポーツ・・・懐かしい日本の5ドアハッチバック

みんなで乗れて荷物も積みやすい“使い勝手に優れたクルマ”といえば、5ドアのハッチバック車。今回は日本車のなかから、独自のボディーが与えられた5ドアハッチバックを週替わりで紹介します。

三菱・ギャランスポーツ

1992年に登場した、1970年に誕生した初代から数えて通算7代目となるギャラン。1989年に実施された税制改定によって3ナンバーサイズになった4ドアセダンボディーに、1.8リッター/2リッターのV6ユニットを載せたモデルが中心となっていた。この連載の第11話で紹介したように、先代(6代目)の時代には、欧州向けギャランに存在していた5ドアハッチバックがエテルナの名で販売されていた。だが、ギャランと同時に行われたフルモデルチェンジ以降は、エテルナも4ドアセダンのみとなっていたのだ。

それでも欧州向けギャランには引き続き設定されていた5ドアハッチバックをベースとするモデルが、1994年にギャランスポーツの名で追加された。スポーツといってもコンペティション風を装ったのではなく、ロードクリアランスを高めてバンパーガードとルーフレールを装着するなどして、当時はやり始めていたRV(レクリエーショナルビークル)風に仕立てられていた。パワーユニットは2リッターV6 DOHC 24バルブまたは同ターボ付きで、前者は駆動方式がFFでギャランスポーツ、後者はフルタイム4WDでギャランスポーツGTと名乗った。

メーカーによれば「GTの走りとRVの楽しさ」を併せ持ち、「ワゴンよりスマート、セダンよりワイルド」なモデルということで、今日のクロスオーバーSUVあるいはクーペSUVの先駆けともいえる成り立ちだった。しかし、当時はどちらかといえば珍車扱いされることが多く、その試みが正当に評価されたとはいいがたい。1996年にギャランはフルモデルチェンジを迎えるが、シリーズ初となる5ドアワゴンがレグナムの名で登場したこともあって、またもや系列から5ドアハッチバックは消え去ってしまったのだった。

[GAZOO編集部]

【連載全18話】懐かしい日本の5ドアハッチバック

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