【連載全18話】第6話 トヨタ・ビスタ・・・懐かしい日本の5ドアハッチバック

みんなで乗れて荷物も積みやすい“使い勝手に優れたクルマ”といえば、5ドアのハッチバック車。今回は日本車のなかから、独自のボディーが与えられた5ドアハッチバックを週替わりで紹介します。

トヨタ・ビスタ

1981年秋の東京モーターショーに参考出品された「F120」なるモデル。欧州車的な雰囲気のミドル級の5ドアハッチバックサルーンだったが、翌1982年3月にそれをベースとする4ドアサルーンがデビューした。カリーナをベースに「セリカの4ドアセダン版」とうたったスポーティーなFRサルーンだったセリカ カムリから、一転してルーミーなFFサルーンとなったカムリと、その販売店違いの双子車となるビスタである。

5カ月遅れの1982年8月になって、F120を市販化した5ドアハッチバックがビスタのみに追加された。ボディーはノッチバックの4ドアサルーンよりルーフが低められていたが、メカニズムはまったくの共通。トヨタ車としては初めて横置きされて前輪を駆動するパワーユニットは1.8リッター/2リッター直4 SOHCで、変速機は5段MTまたは4段ATだった。

その後の歩みは4ドアサルーンおよび兄弟車のカムリと同じで、1983年8月には1.8リッターのターボディーゼルユニット搭載車を追加。さらに1984年6月には2リッターのDOHC 16バルブユニット搭載車が加えられたが、これはエンジン横置きFFの日本車では初となるDOHCエンジン搭載車だった。1986年8月にフルモデルチェンジを迎えるが、2代目は4ドアサルーンと4ドアハードトップとなり、5ドアハッチバックは消滅。1960年代のコロナ5ドアセダン以来、5ドアハッチバックの普及に挑んできたトヨタだったが、依然として壁は厚かった。

[GAZOO編集部]

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