【連載全18話】第7話 フォード・テルスターTX5・・・懐かしい日本の5ドアハッチバック

みんなで乗れて荷物も積みやすい“使い勝手に優れたクルマ”といえば、5ドアのハッチバック車。今回は日本車のなかから、独自のボディーが与えられた5ドアハッチバックを週替わりで紹介します。

フォード・テルスターTX5

1979年にフォードと資本提携した東洋工業(現マツダ)。1982年10月にフォードブランドのマツダ車を販売する新たなネットワークとなるオートラマがオープンし、専売車種としてレーザーとテルスターがデビューした。レーザーは「赤いファミリア」が社会現象として語られるほどヒットした5代目ファミリア、テルスターはひと月前にフルモデルチェンジしてFF化された4代目カペラの兄弟車となる。

カペラが4ドアセダンと2ドアクーペだったのに対して、テルスターは4ドアセダンと、TX5と称する独自の5ドアハッチバック。単にセダンボディーにテールゲートを加えたのではなく、ルーフがカペラのクーペと同様にセダンより低められておりスポーティーな雰囲気を演出。セダンともども当時の欧州フォードのシエラなどに通じるスラントノーズの顔つきで、カペラとの差異化が図られていた。

機構的にはカペラと同じで、パワーユニットは1.6リッター/1.8リッター/2リッターの直4 SOHC。5段MTまたは3段ATを介して前輪を駆動した。1983年に2リッターターボユニット搭載車を追加し、1985年のマイナーチェンジの際にターボユニットにインタークーラーが付加されたが、同時にカペラにも5ドアハッチバックが加えられたため独自性は薄れた。その後テルスターは1987年に2代目、1991年に3代目へと世代交代し、TX5はラインナップされ続けた。しかし1994年に登場したテルスターII以降は4ドアセダンと5ドアワゴンとなり、2001年にはモデル自体が消滅した。

[GAZOO編集部]

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