【連載全12話】第9話 ボルボ480ES…スタイリッシュな3ドアのシューティングブレーク/スポーツワゴン
流麗なスタイルでありながら、趣味を楽しむための実用性も兼ね備えるシューティングブレークとスポーツワゴン。今回は、なかでも個性派として知られる3ドアモデルをピックアップし、週替わりで紹介します。
ボルボ480ES
このコーナーでも紹介したスポーツワゴンの先駆となる一台、ボルボ1800ESの名称とイメージを受け継いだモデルで、1986年にデビュー。ボルボとしては最初で最後となったリトラクタブルライトを採用したボディーは、Cd(空気抵抗係数)=0.336と高い空力性能を誇った。ボディーサイズは似たような雰囲気のホンダ・アコード エアロデッキに近いが、こちらは後席がセパレートで完全な4シーターである。
ボルボとはいえスウェーデン製ではなく、開発および生産は1970年代に傘下におさめたダフ(DAF)を前身とするオランダのボルボ・カーズBVで行われた。機構的にはボルボ初のFF車であり、横置きされたパワーユニットは最高出力109PSを発生するルノー製の1.7リッター直4 SOHC。トランスミッションは当初は5段MTのみで、追って4段ATが加えられた。
1988年にはポルシェがチューニングしたインタークーラー付きターボユニットを積んだ480ターボを追加。過給圧を抑えて最高出力は120PS(日本仕様は115PS)と控えめながら、フラットなトルクカーブとターボラグの少ない良好なレスポンスを実現。ロータスがチューニングした、操縦性と乗り心地を両立させたサスペンションとも相まって、スポーツワゴンと呼ぶにふさわしい走りをもたらした。日本には480ターボのみが正規輸入され、価格は397万5000円だった。
[ガズー編集部]







