【連載全12話】第10話 BMW Z3クーペ…スタイリッシュな3ドアのシューティングブレーク/スポーツワゴン
流麗なスタイルでありながら、趣味を楽しむための実用性も兼ね備えるシューティングブレークとスポーツワゴン。今回は、なかでも個性派として知られる3ドアモデルをピックアップし、週替わりで紹介します。
BMW Z3クーペ
1995年にデビューしたBMW Z3ロードスター。われらがユーノス・ロードスターの登場をきっかけに巻き起こった、世界的なオープンスポーツカーのブームから生まれた小型オープン2シーターだった。そのZ3にルーフをかぶせたモデルが、1998年に加えられたZ3クーペ。クーペとはいえルーフラインはボディー後端まで水平に延び、テールゲートも備わっており、ワゴンのような独特の姿となっていた。ただし後席はなく、キャビン内部は2座とラゲッジスペースである。
シャシーはフロントにストラット、リアにセミトレーリングアームの4輪独立懸架を備えた最後のBMWとなった、3シリーズのコンパクト(3ドアハッチバック、コードネームE36/5)をベースに、ホイールベースを短縮。パワーユニットはZ3ロードスターに載る1.9リッター直4は用意されず、直6 DOHCが2種類。Z3クーペ 2.8には最高出力192PSを発生する2.8リッターエンジンが、Z3 MクーペにはM3と共通の、可変バルブタイミング機構を備え同321PSを絞り出す3.2リッターエンジンが積まれた。
参考までに自動車専門誌でテストされたロードスター版の性能データを記すと、2.8が最高速222.1km/h、0-100km/h 7.4秒、Mが最高速253km/h、0-100km/h 5.4秒という俊足を誇った。2000年に2.8リッターエンジンを3リッターに換装するなどしたが、2002年には生産終了。後継モデルとなるZ4にもクーペは設定されたが、好き嫌いが分かれたZ3とは異なり常識的なスタイリングだった。
[ガズー編集部]