【連載全13話】第9話 ベントレー・ミュルザンヌ ターボ・・・みんなで乗れる高性能車 スーパーセダン特集

いわゆるスポーツカーやスーパーカーとは異なる4ドアボディーを持ちながら、卓越した走りで知られたハイパフォーマンスモデル。今回は、そんな“スーパーセダン”を週替わりで紹介します。

ベントレー・ミュルザンヌ ターボ

ロールス・ロイス・シルバーシャドウのバッジエンジニアリングによる兄弟車だったTシリーズに代わるベントレーの主力車種として、1980年に登場したミュルザンヌ(ロールス・ロイス版はシルバースピリット)。その名はルマン24時間レースが行われるサルテサーキットで最高速を記録するユーノディエールのストレートエンドにあるコーナーに由来し、1920~1930年代にベントレーがルマンを席巻した歴史にちなんだものだった。

デビューから2年後の1982年に追加されたミュルザンヌ ターボは、その名にふさわしいモデルだった。基本設計を1950年代にさかのぼる総アルミ製の6.75リッターV型8気筒エンジンにターボを装着。最高出力および最大トルクはロールス・ロイス/ベントレーの伝統により非公表だった(現在は公表されている)が、車重2.2t超の巨体を、実際にユーノディエールのストレートで140mph(約225km/h)で走らせるデモンストレーションを行い、そのパフォーマンスを実証してみせた。

かつてルマンで活躍したモデルであるブロワーの半世紀ぶりの復活といわれたミュルザンヌ ターボだったが、そのパワーに、ノーマルとあまり変わらないシャシーの性能が追いつかないとも評された。その問題を解決したのが、1985年に登場したベントレー ターボR。ロードホールディングの頭文字である“R”を冠した車名のとおりサスペンションを固めてブレーキも強化し、ステアリングも重めにセッティング。大型のエアダムスカートなどでルックスも迫力を増していた。

[GAZOO編集部]

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