【連載全13話】第1話 ラゴンダ・ラピード・・・みんなで乗れる高性能車 スーパーセダン特集

いわゆるスポーツカーやスーパーカーとは異なる4ドアボディーを持ちながら、卓越した走りで知られたハイパフォーマンスモデル。今回は、そんな“スーパーセダン”を週替わりで紹介します。

ラゴンダ・ラピード

昔から、時折思い出したように高級かつ高性能なスポーツサルーンをリリースするアストンマーティン。そのルーツとなるモデルが1961年に登場したラゴンダ・ラピードである。ラゴンダとは1906年創設の高級スポーツカーおよびサルーンの名門だったが、戦後は経営難からアストンマーティンと同門となっていた。ラピードの名は、1935年のルマン優勝車であるラゴンダM45ラピードにちなんだものである。

強固な鋼板製プラットフォームに小径鋼管による骨組みを構築し、それにアルミパネルをかぶせるスーパーレッジェーラ工法と呼ばれるボディー構造をはじめ、成り立ちとしては当時アストンマーティンの最新モデルだったDB4をベースに4ドアサルーン化したものといえる。ただし直列6気筒DOHCエンジンはDB4の3.7リッターではなく、1964年に登場するDB5に積まれることになる4リッターを先行して搭載。またリアサスペンションは1967年デビューのDBS以降のモデルに採用されたド・ディオン・アクスルを導入するなど、一部の設計は同時代のアストンマーティンよりも進んでいた。

最高出力はDB4より低い236PSに抑えられていたが、3段AT(オプションで4段MT)を介しての公称最高速度は200km/h。ジャガー・マーク2 3.8と並んで、当時世界最速の4ドアサルーンだった。1964年まで受注生産されたが、高価だったこともあって生産台数は55台にとどまる。

[GAZOO編集部]

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