【連載全13話】第2話 マセラティ・クアトロポルテ・・・みんなで乗れる高性能車 スーパーセダン特集

いわゆるスポーツカーやスーパーカーとは異なる4ドアボディーを持ちながら、卓越した走りで知られたハイパフォーマンスモデル。今回は、そんな“スーパーセダン”を週替わりで紹介します。

マセラティ・クアトロポルテ

イタリア語で「4ドア」を意味するクアトロポルテ。現在もマセラティに同名のモデルが存在するが、今から60年をさかのぼる1963年のトリノショーでベールを脱いだ初代がこれである。同時にデビューした、テールゲート付きの2ドアクーペであるミストラルと同じくピエトロ・フルアの手になる、全長5mに達するセミモノコックボディーを持つマセラティ初の4ドアサルーンだった。

乗り心地を重視して、シャシーにはコイルでつったド・ディオンのリアサスペンションを装備。フロントには、最高出力260PSを発生するV型8気筒DOHC 4.1リッターエンジンを搭載した。5段MT(オプションで3段ATも用意)を介しての最高速度は230km/hを豪語し、前回で紹介したラゴンダ・ラピードから「世界最速の4ドアサルーン」の称号を奪い取った。

1967年にはヘッドライトを異形2灯から丸型4灯に変更。マセラティの市販車としては初採用されたド・ディオンの操縦性を好まない層に向けて、GTモデルに使われていたリーフリジッドのリアサスペンションも選択可能となった。1969年には290PSを発生する4.7リッターユニットも用意され、それを積んだモデルの最高速度は240km/hに向上。同時にド・ディオン仕様は廃止された。翌1970年、679台がつくられたところで生産終了。ちなみに現行クアトロポルテは6代目となる。

[GAZOO編集部]

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