【連載全9話】第7話 ユーノス800・・・スーパーチャージャー付きの日本車特集

“過給エンジン”といえば、今の主流はターボエンジン。そして、クルマの内燃機関からさらなるパワーを引き出すアイテムとしてもうひとつ挙げられるのが、スーパーチャージャーです。今回は、その搭載車として知られる日本車を紹介します。

ユーノス800

マツダの販売網5チャンネル化によって誕生したユーノス店のフラッグシップとして1993年に登場した3ナンバー専用サルーン。マツダのトップモデルであるセンティア/アンフィニMS-9とクロノス6兄弟の中間に位置し、ボディーサイズはトヨタ・クラウンや日産セドリック/グロリアなどとほぼ同じだったが、駆動方式はエンジン横置きのFFとなっていた。

パワーユニットは2.5リッターV6 DOHCのほか、最大の話題となった市販車としては世界で初めて実用化されたミラーサイクルユニットを用意。一般的なオットーサイクルよりエネルギー効率を大幅に高めたという2.3リッターV6 DOHCで、これまた自動車用としては世界初採用となるリショルムコンプレッサーと呼ばれる機械式スーパーチャージャーを組み合わせて、最高出力220PS/5500rpm、最大トルク30.0kgf・m/3500rpmを発生。マツダによれば自然吸気3.3リッターに匹敵するパワーと2リッターなみの低燃費の両立を実現したとのことだった。

しかし、バブル崩壊により販売が低迷したマツダは5チャンネル体制の維持が困難となり、1996年のマイナーチェンジの際にまずマツダ・ユーノス800に改名。翌1997年にはユーノス店閉鎖に伴い、車名を北米向けに使われていたマツダ・ミレーニアに再び改めた。その後2000年のマイナーチェンジでは、当初のセリングポイントだったミラーサイクルユニット搭載車は廃止されてしまった。

[GAZOO編集部]

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