車椅子で生活している僕にとって、クルマは新しい一歩を踏み出させてくれる最高の存在

  • 日産 ノート

今回取材する「千葉さん」は生まれつき脳性麻痺で、左手と左足に麻痺があるため普段は車椅子で生活し、仕事で営業に行く時に日産 ノート(オーテック)を運転することが多いとのこと。

バスや電車などの公共交通機関を使って移動することもあるそうですが、一番楽しいのはクルマで、クルマを持つようになって確実に世界が広がったと話してくれました。

今回は、千葉さん×日産 ノートオーテックのお話をお届けします。

―――ノートに乗ろうと思ったキッカケは、何だったのですか?

  • 日産 ノート 運転席

ノートの前はリーフに乗っていたんですけど、自分がやりたかった事業を始めるにあたって、このクルマを購入することにしました。

―――リーフだと、何か不都合があったのですか?

  • 日産 ノート

はい。前職は施設の支援員をしていたのですが、新しい仕事はWEB制作や動画編集、パソコンメンテナンス業務が主なので、基本的に現場まで出向くというのが大前提になるんです。

だから、日によっては走行距離がリーフの倍以上になることもあるんですよ。となってくると、心配なのが充電でして……。

急速充電とはいえども最低30分はかかるし、出張先に充電スポットが無いということも考えられるし、そうなるとリーフは僕のカーライには合わないのかな〜と思い、乗り換えることを決めました。

それに、会社を立ち上げたばかりのフリーランスなので、自分を売り込みに?色々な会社に営業に行くことが多いから、出先でクルマが動かない!となっても嫌だなぁと。

―――なるほど。つかぬことをお伺いしますが、ノート以外の他メーカーのコンパクトカーは候補には無かったのですか?

ありませんでした。というのもね♪僕は、子供の頃からハコスカ、ケンメリ、ブルーバードといったクルマが大好きで、日産=憧れのメーカーなんです。あとは、家のクルマも日産車だったから、“親しみのあるクルマ”というイメージがどうしてもあるんですよ。

ちなみに、母が1番最初に乗ったクルマがチェリーなんですけど、そのチェリーのDNAを色濃く受け継いだクルマがノートだったから購入した、というのもありますよ。

中身でいくと“e-Pedal”という、アクセルペダルだけでクルマを加速、減速、停止、停止保持までしてくれる機能が使いやすくて気に入っています。アクセルを抜くだけで減速してくれるから、それがすごく便利なんですよね。
あとは、加速がスムーズでスカッと爽快な気分になれる“e-POWER”も好きです。

小田原から熱海まで海を見に行ったり、箱根の山を走ったり、横浜の街並みも好きなので、暇さえあれば日産グローバル本社によく行っていますよ。ホーンの音も最高で、ピーではなくファーンというヨーロッパの車みたいな音がするんです。

―――私もノートに試乗したことがありますが、なかなか重厚感のある音がするんですよね。ちなみに、千葉さんが初めて乗ったクルマって、何だったのですか?

2代目パルサーセリエS-RVです。長年お付き合いしているディーラーさんが福祉に対してすごく協力的で、僕がカスタムしてみようかなと呟くと、いいじゃん!と言ってくれてNISMOのショックやサスを組んでいただきました。

あの頃は若かったから、パルサーのオフ会入って、色んなことをやっていましたよ(笑)。そういった意味では、僕の人生はクルマに乗ることで、すごく豊かになったと思います。

―――例えば、どういう時にそれを感じますか?

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自分でどこへでも行けるようになった、と感じた時ですね。

それって、皆さんからしたら当たり前かもしれないんですけど、僕はそれまで家族や学校の先生、リハビリの先生と外出するしかありませんでしたから。

当時は今ほどバリアフリー化が進んでいなかったから、1人で出歩くことが難しかったんですよ。それでいくと、“障害のある方がクルマに乗っている”というのも見かけませんでした。ここ最近、そういった方を見かけるようになりましたけどね。

―――千葉さんは、なぜクルマに乗ろうと思ったのですか?

高校の時にリハビリをしていたら、先生に「クルマの免許を取ってみなよ!」と勧められたのがキッカケです。自分でクルマを走らせるなんて思ってもみなかったから、その選択肢があると分かった時はすごくワクワクしましたね。

その後、自動車学校に相談したら、初めて障害者を受け入れてくれて、本当に色々な人に感謝の気持ちでいっぱいでした。そして、不安もありました。

―――例えば、どんな不安がありましたか?

まず、僕に本当に運転出来るのか?ですよね。自動車学校入学前に、正しくハンドルを回せるか、障害物が出てきたらブレーキ踏めるか?などの、ゲームセンターにあるシミュレーターみたいな感じのテストを受けるんですけど、それに合格したら自動車学校に通えるんです。

絶対に受かるぞ!とゲームセンターに行ってかなり練習しました(笑)。ゲームセンターでの猛特訓が功を奏したのか、無事に合格して現在に至るわけです。

そして、クルマは何処にでも連れて行ってくれる相棒、新しい一歩を踏み出させてくれる最高の存在になりました。

僕はね!まだまだなんですけど、どんな人でも仕事ができる環境を作りたいんです。障害があるから諦めた方がいいだとか、家で仕事した方がいいとか、そう思い込んでいる人達と一緒に仕事したいと思っています。まぁ、まずは仕事を取らないといけないんですけどね……(笑)。

今乗っているノートは、その僕の夢を応援してくれる、最高のパートナーです。この夢は、クルマが無かったら叶わないと思います。そう考えると、やっぱりクルマってのは最高ですよ。そう思いませんか?

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時代のニーズや技術の進歩とともに進化し、常に私たちに寄り添い走り続けているクルマは、運転する楽しみや喜びだけではなく、かけがえのない思い出を与えてくれるパートナーです。

ノートは、千葉さんにとって欠かせない存在と言えるでしょう。

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千葉さん

(文:矢田部明子)