【連載全15話】第12話 …トヨタ・ヤリス「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車特集
2021年3月、新型トヨタ・ヤリスが「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。これに関連して、欧州で最も権威ある自動車賞のひとつとされている同賞の歴代受賞車の中から、特に話題性の高い15車種をピックアップし紹介します。
トヨタ・ヤリス
21世紀に向けたトヨタの世界戦略を担うモデルとして、欧州では1999年春に発売されたコンパクトカー(日本名はヴィッツ)。プラットフォームをはじめ、ほぼすべてのコンポーネンツを新規開発したトヨタ入魂の作で、車内の快適性や動力性能に加えクラストップの衝突安全性や環境性能が高く評価され、2000年に、日本車としては日産マイクラ(日本名はマーチ)に続く2台目、トヨタ車としては初となる欧州カー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。
ラインナップ上は、それまでボトムラインを支えていたスターレット、その上級のターセル/コルサ/カローラIIに代わる3ドア/5ドアハッチバックだが、約3.6mという全長はスターレットに比べ10cm以上短い。ただし、丸みを帯びながらも塊感のあるデザインのボディーは、スターレットよりホイールベースが長く、さらに幅広く、背も高いプロポーションと効率的なパッケージングにより、同級のライバルを上回る車内空間と荷室容量を実現していた。
欧州仕様の当初のエンジンは可変バルブタイミング機構VVT-iを導入し、通常の1.4リッター並みの実力をうたった1リッター直4 DOHC 16バルブのみだったが、1999年秋に1.3リッターを追加。フランス工場での生産が始まった2001年には3ドアボディーに1.5リッターエンジンを積んだT Sport(日本のヴィッツRSに相当)、さらに2002年には1.4リッターのディーゼルターボを加えるなどして2005年までつくられた。
初代ヤリスは欧州市場だけで120万台以上が販売されるヒット作となり、以後欧州ではカローラに代わってヤリスがトヨタの主力コンパクトモデルとして定着した。
[ガズー編集部]
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