【連載全17話】第12話 デ・トマソ・マングスタ・・・パワフル&ゴージャス! V8エンジン搭載車

排気量のダウンサイジングが進むなか、徐々に数が減りつつあるV8エンジン搭載車。今回は、かつて輝きを放った国内外のV8モデルをピックアップし、週替わりで紹介します。

デ・トマソ・マングスタ

アルゼンチンからイタリアに渡り、レーシングドライバーを経て1959年に自らの名を冠したコンストラクターを設立したアレッサンドロ・デ・トマソ。彼が1966年のトリノショーで発表したモデルがマングスタである。マングスタとはイタリア語でコブラの天敵とされるマングースを意味し、スポーツカー開発を巡って因縁のあったキャロル・シェルビーのコブラを意識した名称といわれている。

デ・トマソのロードカー第1作であるヴァレルンガのそれを大型化した箱型断面の鋼板製バックボーンフレームに載る、極めてモダンでスタイリッシュなボディーは、当時カロッツェリア・ギアのチーフスタイリストだったジウジアーロの手になるもの。ガルウイング式のリアカウルを開くと、1基の4バレルキャブレターを備えた米国フォード製の90度V型8気筒OHVエンジンが現れる。欧州仕様車は4.7リッターから最高出力305PS、北米仕様車は5リッターから230PSを発生するといわれ、ZF製の5段MTを介しての最高速度は北米仕様車で250km/hとうたわれた。

V8エンジンをミドシップした市販スポーツカー、マングスタ。アメリカンV8ユニットゆえにフェラーリやマセラティ、ランボルギーニといった純イタリアンスーパーカーよりは扱いやすく、アメリカで1万3000ドルという価格もそれらよりは安かったが、およそ400台がラインオフしたところで1971年に生産終了。アメリカでの大量販売を目指して大幅なコストダウンを果たした後継モデルのパンテーラにバトンを渡した。

[GAZOO編集部]

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