マツダの歴代「RX-7」を解説・・・懐かしの名車をプレイバック

一世を風靡(ふうび)したあのクルマ、日本車の歴史を切り開いていったあのエポックメイキングなクルマを令和のいま振り返ってみれば、そこには懐かしさだけではない何か新しい発見があるかもしれない。今回は、マツダ自慢のロータリーエンジンを搭載したスポーツモデル「RX-7」の歴代モデルを取り上げる。

初代 RX-7(1978年~1985年)

  • 初代 マツダ・サバンナRX-7(SA22C)

初代「マツダ・サバンナRX-7」(SA22C)は、1978年(昭和53年)3月に誕生した。
当時の日本はイラン革命に端を発した第2次オイルショックや、ガソリンエンジン車に対して世界で最も厳しいといわれた昭和53年排ガス規制などによって、スポーツカーに逆風が吹いていた。

そんななかでリトラクタブルヘッドライトの2ドアクーペスタイルをまとって登場したサバンナRX-7は、クルマへの夢を支える一条の光ともいえた。世界で唯一、マツダが量産するロータリーエンジンの小型・軽量という特徴を生かし、低重心のフロントミドシップレイアウトによりスポーツカーとして十分に考慮された設計は、それまでの日本車とは一線を画すものだった。

デビュー当時に搭載された12A型2ローターエンジンはグロス値で最高出力130PSを発生し、前後重量配分は2人乗車時で50.7:49.3、パワーウェイレシオは7.58kg/PSと、スポーツカーにとって理想的な数値がカタログに並べられた。
1982年には最高出力165PSのターボモデルが追加設定され、6.18kg/PSのパワーウェイトレシオを誇った。

2代目 RX-7(1985年~1991年)

  • 2代目 マツダ・サバンナRX-7(FC3S)

1985年10月に登場した2代目「マツダ・サバンナRX-7」(FC3S)は、初代の小型・軽量というイメージを一新する重厚なフォルムが目を引く。滑らかなボディーラインや幅広い偏平タイヤを収めるブリスターフェンダーが特徴で、空気抵抗係数=Cd値は0.32と発表されている。

エンジンは従来の12A型から13B型へ変更。排気量654cc×2の2ローターエンジンは、空冷インタークーラー付きツインスクロールターボチャージャーを組み合わせ、ネット表示で185PSの最高出力を誇った。フロントミドシップの思想を継承したシャシーの前後重量配分は50.5:49.5、「GT」グレードのパワーウェイトレシオは6.54kg/PSと発表された。

サスペンションはフロントがストラット式、リアは初代のリジッドからラテラルロッド付きの独立型セミトレーリングアーム式に変更され、リアサスペンションには「トーコントロールハブ」と呼ばれる4輪操舵システムが組み込まれた。
走りに特化した2座仕様の「アンフィニ」が台数限定モデルとして登場したほか、フルオープンモデルの「カブリオレ」が設定されたのも2代目RX-7のトピックである。

3代目 RX-7(1991年~2002年)

  • 3代目 アンフィニRX-7 マツダRX-7

3代目「RX-7」は、マツダが当時行っていた販売ネットワークの5チャンネル化に伴い、アンフィニ店(旧マツダオート店)の専売モデルとして1991年10月に発表された。デビュー当時は販売チャンネルの名称を冠し「アンフィニRX-7」として販売されたが、販売チャンネルの整理・縮小に合わせ1996年10月以降は「マツダRX-7」に車名が変更された。

シャシーは新設計の専用品で、前後のダブルウイッシュボーン式サスペンションやドア、ボンネットなどがアルミ製になるなど、徹底した軽量化を実施。エンジンは13B型2ローターの進化版で、シーケンシャルツインターボが組み合わされる。
最高出力は従来型に比べ50PSアップの255PSを発生、4.9kg/PSというパワーウェイトレシオを達成した。1996年1月のマイナーチェンジでエンジンの最高出力は265PSに向上し、さらに1999年1月のビッグマイナーチェンジで最高出力は280PSに高められた。

2000年以降は進化・改良型の限定車をリリース。2002年8月に最終車両をラインオフし、24年間続いたRX-7の歴史に幕を閉じた。

(GAZOO編集部)