【東京オートサロン2019】R32スカイラインを乗り継いで辿り着いたGT-R、純正部品再販を機にボディリフレッシュを決意

東京オートサロンの隠れた見どころとして挙げられるのがパーキングエリア。オーナーが長年をかけて育て上げたリアルなストリートカスタム車両が並んでいて、それらをピックアップしていくだけでもクルマ好きにとっては十分に楽しめる『屋外展示スペース』というわけだ。
そんなパーキングで発見したのが、これまで3台のR32スカイラインを乗り継いできたakashiさんの1994年式BNR32 GT-Rだ。

R32シリーズのスカイラインといえば最上級モデルのGT-Rに人気が集中しているのはご存知の通り。しかしR32スカイラインの中には4ドアセダンに7つのグレード、2ドアクーペでも5つのグレードが用意され、5ナンバークラスでマルチに楽しめるスポーツカーとして多くのユーザーに愛されていた。
そんなR32スカイラインの中でakashiさんが初めて手に入れたのが、2.0L直列6気筒NAモデルのGTSタイプSだったという。
当時から標準グレードをベースにGT-R仕様へのモデファイは人気のカスタムであった。購入したタイプSも、GT-Rルックに仕上げられていたのは購買意欲をそそる一因だったという。
しかし購入してみると、NAエンジンのためパワー不足は否めず、ハブが4穴のため選べるホイールも少ない。格安なプライスとGT-Rルックに惚れ込んで購入したものの、理想と現実のあまりの違いに愕然とし、さらにGT-Rへの憧れを募らせることになったという。

ここで本物のGT-Rを購入するかと思いきや、次に購入したのはGTS-tタイプM。この車両もGT-R仕様にモデファイがされていたのが購入を後押ししたポイントでもあったという。もちろん今度はターボエンジンを搭載していることもあり、タイプSでは味わえなかったターボチューンによるハイパワー化も行った。さらにFR駆動のタイプMだったことから、ドリフト遊びも開始しGT-Rとは違ったR32の楽しさを経験していったのだ。

そんなR32スカイラインの酸いも甘いも経験したakashiさんの元に待望のGT-Rがやってきたのは、今から3年前のこと。行きつけのショップで顔馴染みのオーナーが手放すことを知り、それをキッカケにこれまで長らく憧れていたGT-Rの購入を決意したというわけだ。
このGT-Rはワンオーナー車で実走行5万km台。メンテナンス歴もしっかりとしているためコンディションも大満足の1台だ。しかもトラブルによっていちどホワイトボディ状態にして修正をおこなった経歴があるため「ボディ剛性は新車並みに確保されている感じ」という。

タイプSから数えて3台目のR32スカイラインとして手に入れたGT-Rは、想像通りの最高なクルマだという。もちろんチューニングすればさらに楽しさが増すことも分かっているが、歴代所有車のR32スカイラインと比べるとパフォーマンスは十分に足りている。過度なモデファイを行うよりも現状のコンディションをキープしながら、メンテナンスに予算をかけて綺麗に乗り続けることを第一の目標としているそうだ。
スタイリングもノーマルを基本にエアロパーツはカーボンリップのみでシンプルにまとめた状態がお気に入り。
いっぽうで、マフラーやフューエルコントローラーなどは前オーナーが装着したものをそのまま引き継いでいるという。「現状で調子よく走っている状態から、無理にノーマルに戻す必要はない」というのもakashiさんの考えだ。

現在は前オーナーが行った自家塗装で塗られたペイントを新たに塗り直すことを計画しているとか。塗料や塗装技術はプロ並みのクオリティで仕上げられていたものの、下地の処理が今ひとつな部分があり、さらにエンブレム貼り付け位置を間違えてしまったことから微妙に跡が残ってしまっているのは気になっている点だという。
「これまでGT-R仕様を乗り継いできたので、ホイールやシートなどGT-R純正パーツはいくつかストックしているんです。さらに消耗品なども再販が始まりましたし、社外パーツを使えばリペアも気軽にできるようになりました。ウェザーストリップ類も入手しやすくなりましたから、オールペンも気負わずにできるようになりましたね。そういった意味でもこれからも長く乗り続けていくことができそうです」

あまりの非力さに短期間で飽きてしまったタイプS、ドリフトでフル活用したためボロくなり手放してしまったタイプM。その経験からGT-Rは無理をさせずに綺麗な状態で乗り続けることを心に決めている。
そのために、エンジンやドライブトレインの状態に不満がないこのタイミングで、ボディのコンディションをリフレッシュし、愛情を深めることが重要と考えている。それが、これまでの経験値を活かしたakashi流のBNR32保存の法則というわけだ。

(テキスト:渡辺大輔 写真:平野 陽)

[ガズー編集部]

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