【東京オートサロン2019】サーキットも通勤も気持ち良くシビックで楽しみたいオーナーが考えるFD型シビックの理想形とは
2012年の86&BRZ発売をキッカケに、ここ数年は“スポーツカーの復権”が話題に上る機会が増えている。特に若者を中心にスポーツクーペやハイパフォーマンスセダンを愛車に選択するユーザーも増加傾向にあり、それに呼応するように東京オートサロン会場にもそういったモデルの出展台数が増加している印象だ。
そんな流れもあってか、東京オートサロン駐車場にも様々なスポーツモデルが停まっていた。そんな中の1台が、24才のオーナーさんが乗る2007年式ホンダ・シビックタイプR(FD2)だ。
シビックは1972年に誕生したホンダのコンパクトカー。初代からスポーツグレードを投入し、国内外での人気に合わせて2代目のスーパーシビックからはワンメイクレースも開催されていたほどだ。
そんなシビックの8代目にして、シビックタイプRとしては3代目にカウントされるのがこのFD2だ。
ちなみにシビックタイプRといえば、2017年にひさしぶりの新型としてFK8がラインアップされた。しかし海外市場を見据えた大型ボディやターボエンジンの搭載など、従来のタイプRシリーズとはキャラクターが大きく変化したことから、あらためてVTECエンジンを搭載する旧モデルへの注目度も高まっている。
そんなVTECエンジンを搭載するFD2シビックタイプRを愛車として選んだのが、現在24才のオーナーさん。
このFD2を手に入れたのは1年ほど前のこと。当時はGD3フィットで近所の峠や本庄サーキットでの走行を楽しんでいたという。しかし乗り慣れてくると110ps程度のフィットではそれ以上の進展を望めない。「もっとハイスペックなマシンでサーキット走行を楽しみたい」と考えていた矢先に出会ったのがこのFD2というわけだ。
念願叶ってFD2を手に入れると、ホームコースは本庄サーキットから、さらにハイスピードな筑波サーキットへと移行。マシンメイクも、エンジン自体はノーマルのままハイカムとコンピュータのセッティングを変更し、VTEC切り替えポイントを変更。さらにスプーン製のビッグスロットルを追加し、排気系はフジツボ製のエキマニにホンダツインカム製マフラーを組み合わせている。
基本的にはサーキット寄りだが、通勤やデートにも使えるオールマイティな仕上がりが目標だ。
ちなみにブレーキはAPレーシングの4ポットキットが装着されている。こちらは前オーナーの置き土産で、このブレーキキットを装着してすぐに売却されたということでコンディションもバッチリ。もともとサーキット走行を想定していたオーナーにとって、このFD2を購入するキッカケのひとつとなった部分でもあるという。
撮影日は東京オートサロン最終日(日曜日)だったのだが、前日の土曜日にも筑波サーキットの走行会に参加。そして東京オートサロンには彼女と一緒に来場するなど、コンセプト通りにFD2をフル活用している様子。
ただし、本来は通勤にも利用する予定だったというが、会社までの道のりは片道25kmもあり、毎日の往復であっという間に走行距離がのびてしまうのが悩みどころだったという。
そしてなんと、その解決策として通勤用にFD3シビックハイブリッドを追加購入しまったというからびっくり!!
燃費も良く、さらに距離を気にせず気兼ねなくシビックに乗れるという充足感は、もはや中毒症状にも似た末期状態!?すっかりシビックから離れられない体になってしまっているという。
オーナーさんが理想とするFD2は、完全なサーキットマシンとしてだけでなく、ストリートでのオシャレさを兼ね備えたカスタマイズだ。
「パフォーマンス面は現在のスペックを乗りこなせるようになってから次のステップへと進めていく予定ですが、その間にもっと自分好みのスタイリングに変化させられたらいいですね。例えばルーフやボンネットをカーボンにしたり、ボディをM4クーペのジャワグリーンとかでオールペンしてみたいです」と語ってくれた。
現状、エクステリアのカスタマイズはテールランプを前期用に変更しているのみ。スモーク加工を施すことで引き締め効果を狙いつつ、自分だけのFD2を主張するポイントでもあるという。
まだまだやりたいことは盛りだくさんだし、サーキットで腕を磨きFD2を味わい尽くすことも重要課題。筑波サーキットの走行回数はまだ少ないため、今後さらにタイムを伸ばすためにこのFD2で走り込みたいという。
何事にも興味を持って本気で取り組むという“ホンダイズム”を、フィットから2台のシビックというホンダ車尽くしの愛車歴によって体現している若きオーナーさんのお話を伺い、こちらまで心踊る取材となった。
(テキスト:渡辺大輔 写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
「東京オートサロン2019 @幕張メッセ」の記事
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