【東京オートサロン2019】過給機チューン&ワイドボディの86は、なんと奥様のお買い物&お子様送迎仕様!?
東京オートサロンの会場となっている幕張メッセは大きく4ホールに分かれていて、大手パーツメーカーなどが並ぶ『西ホール(1~3ホール)』、輸入車や高級車が多い『東(7~8)ホール』など、ホールによって展示車両や出展メーカーの顔ぶれなどに特徴がある。その中でも、特にチューニング&カスタム色が強い展示内容となっているのが『北(9~11)ホール』だ。
そんな北ホールの車両がズラリと展示されているエリアに、華やかなボディカラーとワイドボディがひときわ目を引くトヨタ・86(2017年式)が展示されていた。
オーナーは過去にも三栄書房が主催しているサーキットイベント『ハイパーミーティング』で最優秀賞を受賞したGT-Rや86(前期)で東京オートサロンに出展している、知る人ぞ知るカスタム界の有名人。手にした愛車はすべてフルカスタムを施してしまう超カスタム好きだ。
しかも、どれも中途半端な作りではなく、エンジンからボディに至るまで徹底的に手を加える姿勢はまさにクルマ好きの鏡ともいえるだろう。今年もこの86の隣に飾られていたGT-Rや、別のブースに展示されていたコペン改GT-Rルックという、総勢3台の愛車を展示していたほどの常連さんなのである。
そんなオーナーが今回出展していた86は、2012年にデビューした86のマイナーチェンジ版として2016年に登場したモデル。バンパーデザインの変更に加え、吸排気系の部品を改良することで最高出力、トルクともにアップ。スポーツクーペとしてのキャラクターをさらに強調した進化を果たしているのが特徴だ。
そんな86後期モデルをベースに、HKS製スーパーチャージャーを追加装着し、エクステリアはワイドボディキットでドレスアップ。ペイントも光によって色味が変わるEkiShow塗料を利用して淡いラベンダーをベースとしたカスタムカラーでオールペンしている。
もちろん内装も張り替えによって仕上げられ、シートは左右ともにブリッドの限定モデルをセット。もはや手を加える部分が見つからないほどのフルカスタムというわけだ。
ここまで作り込んだ車両ではあるが、実はこのクルマは奥さんの買い物&お子様の送り迎え仕様として仕上げているというから驚きだ。
「一昨年に東京オートサロンに出展した86の前期モデルは、もともとファミリーカーの予定だったんですけど、気がついたら排気量アップやトラストのT620Zタービンを組んでしまい、パワーが460psを超えるなど、ちょっとやりすぎちゃいまして(苦笑)。しかもパワーに合わせて強化タイプのクラッチを組んでいたため、この状態では奥さんから乗りにくいとクレームが出てしまったんです。そこで心機一転として後期モデルに買い換えて、カスタムをスタートしたのがこの86です」と語るのはオーナー。
手にしたからにはノーマルのままでは満足できない。しかし奥さんがメインで使うファミリーカーというポジションを明確にするため、今回は奥さんの意見を最大限に取り入れるのが大前提だったという。
そこで意見をヒアリングしつつも、文句を言われないギリギリのラインを狙いながらカスタムを進行。その試行錯誤の結果として選ばれたのがスーパーチャージャーという選択だ。
パワー自体はノーマル以上を欲していたものの、前期のようなピークで尖ったハイパワー化を狙うのではなく、全域でトルクを向上させることで乗りやすさも兼ね備えていて、奥さん的にも納得のチョイスとなっている。
エクステリアは前期モデルの時と同様にワイドボディ化が必須メニュー。購入直後にはエイムゲインのボディキットを装着したが、東京オートサロン出展に合わせて新たにLBワークス製へとチェンジしたという。
マッチョなボディスタイルに合わせるホイールは、深リムのワークマイスター・S1をセットしながらエアサスで着地寸前まで車高を落としている。
ハイパワー化に合わせてブレーキも前後ともに強化。加えてハブも純正のP.C.D.100mmから114.3mmへと大型化することで、足元の安全性を高めていることも特筆すべきポイントだ。
また内装のカラーリングやデニム調のバケットシートなどは奥さんの好みを重視したコーディネイト。張り替えなどによってクリーンで明るい空間を作り上げているだけでなく、センターパネルにはiPadがマウントできるように作り直されている(撮影時は取り外した状態)。これはお子様が車内でアニメや映画などを鑑賞しやすいようにと考えた結果だという。
今後は新たにエアロの新調も検討しているというオーナー。これだけの仕上がりを見せつつも、まだまだカスタム熱は収まらない様子だ。86のカスタムを様々な角度から攻め続けるのは、やはり86が好きだからこその賜物。ファミリーカーとしてのポジションをキープしながらも、理想のスタイルを目指してまだまだカスタムが続いていくことだろう。
(テキスト:渡辺大輔 写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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