【西日本GR走行会 愛車紹介】ディーラーメカニックが初愛車として選んだのはシビックキラーを目指すAE111カローラレビン
『町いちばんの楽しいクルマ屋さん』をコンセプトに、車種やメーカーを問わずカーライフやカスタマイズをサポートするGRガレージ。その関西中国地方の店舗が集まって、岡山国際サーキットで開催されたのが『西日本GR走行会 with REVSPEED』だ。
プロドライバーによるドライビングテクニック講習なども用意され、初めての人でも愛車で気軽にサーキットを安全に走ることができるこのイベントは、サーキット走行のハードルを引き下げ、より多くのドライバーに新たなクルマの楽しみ方を提案してくれる場のひとつである。
そんな走行会で目に留まった1台が、21才のオーナー吉川さんが乗るこのAE111だ。
「レビン・トレノといえばAE86を選ぶでしょ!」
なんて声も聞こえてきそうではあるが、AE111はマンガなどで馴染み深いAE86から3世代後のモデルとして、名機4A-Gエンジンを搭載する歴代レビトレシリーズの最終型。当然ながらその完成度も圧倒的に高められているのだ。
もともとシビックに対抗できるマシンを探していた吉川さんにとって、シビックと同じクラスの1.6L前輪駆動というパッケージングが与えられたAE111は、まさに理想のモデルなのである。
世代的にもちろん小さい頃からイニシャルDを見て育ったというだけあって、AE86は憧れの存在でもあった。しかし、学生時代から見ていてもAE86は乗っている人が多いし、現行の86も想像してみたが自分が乗ることにピンとこなかったという。また、FRである必要性を考えてみたが特に思い浮かぶこともなく、逆にサーキットを走るシビックなどFF車への興味が湧いてきたという。
ちなみに走りを楽しみたいユーザーの多くはFRを好む現状から、逆にFF化されたAE92以降は予算的にも無理することなく手が届く可能性が格段にアップする。そんな若者特有のフトコロ事情も、選択を後押ししたそうだ。
当初は勤めているディーラーで中古車を探していたものの、市場のタマ数は予想以上に少なく、特にMT車の手頃なフルノーマル車は見つけられなかった。世代的にもモデルとしてのニーズ的にもAT比率が上昇していた時代背景もあり、見つかった車両のほとんどがATもしくはチューニング済みのMTという状況だったという。
しかしサーキット走行を目的にしたクルマ選びだけにATは選択肢には入らない。さらにドライビングスキルを磨くつもりということもあり、ノーマル車からのステップアップを熱望している吉川さんにとって、チューニング済み車も購入の対象外であった。
そうこうしているうちに声をかけていた学生時代の友人から舞い込んできたのがこのAE111の情報。偶然にも友人の実家にあったMT車を発見することができたというのだ。当初はホイールと名称不明のステアリングが装着されていたが、予算も想定の範囲内に収まる最良の物件だっただけに、即購入を決めたのはいうまでもない。
購入してまだ1年未満というこのAE111。クルマ好きの多くは、愛車を手に入れたら何らかのチューニングやカスタムを進めたくなってしまうのが自然の摂理というものだけれど、吉川さんの目的はあくまでもサーキットを楽しむこと。ドライビングスキルが伴っていない状態で過剰にチューニングしても、スキルアップには繋がらないという先輩の教えに従い、現状でのチューニングは最小限に抑えられている。
「買ってすぐに基本的なメンテナンスとシート&ステアリングを交換した状態で、セントラルサーキットのラジアルチャレンジを走ってみたんです。サーキット初走行ということもあって、当然ながら思うように走らせることができないんですよね。この状態を知ったうえで足りない部分を補っていこうと考え、現在はブレーキと足まわりに手を加えています」と吉川さん。
ノーマルでのフィーリングを見てサスペンションはテインのタイプHAをセットし、ブレーキもディクセル製のローターなどに変更。まずはセオリー通りのチューニングを試しているのだ。
現在は雑誌やネットから様々なチューニング情報が手軽に手に入れることができる環境。巷にあふれる情報を目にして試してみたくなってしまう気持ちをグッと抑え、自分のレベルに合わせたチューニングを行っているというわけだ。
ちなみに今回初の岡山国際サーキットでは、知人から譲ってもらったクムホV700をリアにセット。エア圧などをチェックせずに1本目を走ってしまったため、通常よりもエアが高くコーナーごとで滑りまくっていたという。
サーキット走行自体まだ3回目ということもあり、成功も失敗も体験するすべてが新鮮に感じている。この経験が今後のタイムアップにつながっていくことは間違いないだろう。
子供の頃から自然とクルマが好きになり、将来はクルマに携わる仕事がしたいという思いから高校卒業とともに整備士の学校に入学、現在はメカニックとして働いている吉川さん。
自由に愛車のチューニングやメンテナンスも行える環境はクルマ好きにとっては夢の職場だ。その環境と知識豊富な先輩に恵まれた吉川さんとAE111の今後は、さらにサーキットを走り込んで、並み居るシビック勢を打ち負かすことが最大の目標なのである。
(テキスト:渡辺大輔 / 写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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