子供の頃から見続けてきたハコスカを20年越しにフルレストア!乗って楽しい快適仕様へ
ハコスカやケンメリ、ジャパンや鉄仮面、セブンスなど、今も通称で親しまれる歴代スカイライン。その中でもハコスカは、世代を超えてファンが多いモデルだ。
「W-Option JAMBOREE:オプジャン富士」で出会った東京都葛飾区在住の田辺恵司さんも、歴代スカイラインを何台も乗り継ぎながら、ご自身が一番好きなハコスカを愛してやまないひとり。自慢のハコスカは、フルレストアし、30年以上大事に乗り続けている。
「ハコスカは、俺が小学生のころが全盛期で、親父もハコスカのバンに乗っていたし、ずっと好きだったんだ。このハコスカも子供のころから見ていて、ずっと気になっていた1台。というのも、うちが所有する駐車場に前オーナーがお金を払わず、ずっと停めていて(笑)。次第にボロボロになっていくのを見て、それだったらと30年前に俺が15万で買い取らせてもらったんだ。交渉自体は駐車場を管理していた親父がしてくれたんだけどね」
そう話してくれた田辺さんは、このハコスカとは別に、18歳で免許を取得してから5代目ジャパン、6代目ニューマン、7代目セブンス、そして8代目のR32、9代目のR33までのスカイラインを新車で購入し、足車として父親と共有して乗り継いでいる。当然スカイライン自体への思い入れも深いのかと思ったが、どうやらそういうわけでもなかったようだ。
「親父がディーラーと付き合いもあって、スカイラインの新車が出るたびに買い換えて乗っていたから、俺もその歴代スカイラインを乗っていたんだよ。だから好きではあったけど、正直そこまで思い入れは持てなかったし、R33まで乗ったころに子供が成長して俺はワンボックスに、親父も別の車種に買い替えてしまってスカイラインが足でなくなったんだ。それに子供が手を離れて自分のクルマを持つようになってからもBMWやローバー、ジャガーと外車がメイン。でも一番好きなこのハコスカだけは、セカンドカーとしてずっと大事に乗り、屋根付きのピットで保管していたんだ」
つまり歴代スカイラインには乗ってきたが、あくまで好きなクルマは“ハコスカ”であり、特別枠だった。その思い入れから、30年前に購入して持ち続てけているというわけだ。そしてトラブルなく安心して乗れるように資金を貯め、7年前にフルレストアまで敢行した。
ハコスカは、スカイラインの3代目で1968年に発売がスタート。とくにレースで凄まじい活躍をしたGT-Rが有名だが、ほかにもいろいろなモデルやグレードが存在する。その中でも田辺さんが所有するハコスカは、1970年製の2ドアハードトップの2000GTグレード(KGC10)。エンジンはL20型6気筒を搭載する。
「ハコスカを買って、とりえあず直して、走るには走ったんだ。だけどいざ乗ろうと思うと調子が悪かった。それに滅多に乗らないからバッテリーが上がってしまったり、クーラーがないから夏がイヤだったり……。買ってから20年以上経ったころには塗装も劣化して、サビが出てきたからレストアしてあげなきゃって。それで、どうせやるなら安心して乗れるように全部やってあげようと思ったんだ」
そして田辺さんがレストアを依頼したのは、東京都江戸川区にある旧車販売・レストアの専門店のスターロードだ。
「スターロードはうちの近所で、お店ができたときからレストアの費用を聞いていたんだ。お金がなかったから時間はかかっちゃったけど、スターロードの仕事もいろいろ見てきたし、7年前にやっとレストアをお願いできたんだよね」
スターロードは、「無理なく旧車を楽しむ」こと、さらに日常や遠出の足として使用できる「安心して乗れる旧車」を提案していている。それは田辺さんの「基本見た目は純正のまま、しっかり乗れるようにしたい」という要望にもピッタリだったのだろう。
田辺さんに外装について尋ねると、「元のボディカラーは、サファリブラウンのレザートップだった。それを30年前にガンメタに塗り替えて、さらにフルレストア時に色見本で気に入った色にしたのが今の状態。マフラーとホイールは、スターロード社長のセレクトで新品パーツを使っているよ。マフラーの音もけっこう気に入っているんだ」と田辺さんの希望通りの美しい仕上がりに。
それは内装も同様で、「内装の内張も全部張り替えているよ。ヘタってくたびれていたシートは、社長のセレクトでブリッドのリクライニングに、ステアリングも同じく社長セレクトでモモを使っているんだ。あとクーラーも付け足して効くようになったのが嬉しいね」と、オリジナルのスタイルを残しながらスポーティかつ快適に、現代風にまとめられている。
そして美しいL20エンジンに思わず見入ってしまうエンジンルーム。
「エンジンルームの塗装も全部剥がして、塗り直していて、調子の悪かったエンジンも全部つくり直してもらったから今は絶好調! キャブレターからインジェクションにしてもらって調整とかの面倒もなくなり、気楽に乗れるようになったのが嬉しいよね。普段から乗ることを前提にレストアしたし、もっと乗ってあげたいよね」
こうして美しく、元気に走るマシンに生まれ変わった田辺さんのハコスカは、飾っておくためのセカンドカーから乗って楽しめるクルマに大変身を遂げる。自然と乗る回数も増え、「最近だと6月と8月に乗って、先月は3回くらい運転したかな。雨の日は乗らないけどね。でも富士スピードウェイに来ると、けっこう雨が降るんだよね。今日みたいに(笑)。
とりあえず、『ずっとこのまま綺麗な状態で元気でいなさい。』と思っているよ」と愛情はたっぷりだ。
ちなみに田辺さんがこのクルマでとくに気に入っている箇所が、リアのプレスライン。「GT-Rはオーバーフェンダーで、このプレスラインが途切れちゃっているでしょ。でも、この2000GTはオーバーフェンダーにしていないから切れてない。このラインがいいんだ」と笑顔で語ってくれた。
メンテナンス不足の旧車は、壊れやすく維持管理も大変だが、せっかく所有しているからには元気に乗ってあげたいと思うオーナーも多い。そして、その想いの強かった田辺さんは、ボロボロの状態だったハコスカをフルレストアという大手術を経て、ついに元気で美しい状態に復活させた。
「これからも元気でいなさい」とオーナーの愛情あふれる言葉をかけられたこのハコスカは、この先もずっと田辺さんのカーライフをさらに彩っていくに違いない。
[ガズー編集部]
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