【愛車紹介】オーナーの執念で維持するTE27トレノ

11月27日(日)に富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催された「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL2016」のオーナーズクラブミーティングに参加されたオーナーさんをご紹介。
愛車に特別な想いを注ぐ皆さんのカーライフをうかがった。

長島正行さんの愛車は昭和47年式のスプリンター・トレノ。TE27型と呼ばれるトレノの初代モデルで、コンパクトなボディに1.6LのDOHCエンジン(2T-G)を搭載。AE86の祖先として知られている。

長島さんがこのTE27を購入したのは今から14~15年前。当時はぼろぼろの状態だったが、それからコツコツと時間をかけ、今の状態に作り上げた。

TE27の代名詞とも呼べるモスグリーンのボディカラー、リムの深い精悍な8スポークホイール、前後にグッと張り出したスポイラーなど、ため息の出るような美しい仕上がり。この状態を常に維持するには並大抵の努力では無理なようにも思えるが、長島さんはあるユニーク(?)な方法で現在の状態をキープしている。

「自分で部品を作っています。ないものは作るということですね」

なんとも驚きだが、その一例をボディに見ることができる。フェンダー下端やリアウインドウの下側取り付け部は水が溜まりやすく、腐りやすい箇所だが、長島さんは鉄板を使ってパネルを自作。外から見る限りその痕跡をまったく感じさせない高い仕上がりを実現している。

「部品がないのである程度直せるという人じゃないと維持するのは無理ですね。持っていても直せないのだったら手放すだけですし……。維持していくのは本当に大変です」

長島さんによると、TE27オーナーの中には外国の業者に部品製作を依頼する人もいて、部品を分けてもらったこともあるそうだが、寸法が合わないこともあるのでちょっと怖いとのこと。

だったら自分でということだが、自作だって相応の手間はかかる。それでもTE27を維持していきたいと思う理由はどんなところにあるのだろうか?

「今のクルマにはないおもしろさがあるからです。TE27はいつどんなトラブルが起きるか分からないし、高速を走っていていきなり止まることもある。それがおもしろいのです。みんなでわいわい言いながら直すのも楽しいですね」

現在の悩みはマフラーから白煙を吹くこと。街乗りで煙が出ることはないが、サーキットを走るとたまに煙を吹くという。

「オイル下がりだと思うんだけど……。オーバーホールをすればさらにお金がかかりますが、それも楽しい」と長島さん。

これからも乗れる限りは維持していくという長島さん。マフラーの白煙以外にも今後さまざまな困難に直面することが予想されるが、持ち前の自作技術とTE27への深い愛で乗り越えていく覚悟だ。

(フリーライター:ゴリ奥野)

[ガズー編集部]