【TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018 愛車紹介】元ラリーストがサーキット初体験の相棒に選んだレクサス・RC F
トヨタの高級車ブランドとして知られるレクサスのなかで、特別なモデルにだけ与えられる『F』というネーミング。2007年に初めてのFモデルとして登場したIS Fが当時トヨタに本格的な大排気量スポーツカーを期待していたファンに与えた衝撃は凄まじかったが、スポーツカーらしさという点では2014年に登場した2ドアクーペ初の『F』であるこちらのRC Fの方が上だったかも知れない。
『TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2018』でもレクサスはIS、RC、GSといった車種が多数だったなかで、今回話を聞いたのはバンパーに牽引フックを装着し、運転席には4点式シートベルトが備わっている見た目からも、このクルマでサーキット走行も楽しんでいる様子が伝わる50代の男性オーナーが乗るRC F(USC10)だ。
このRC Fを新車で購入したのは2017年のこと。そのままサーキットを走れるスポーツカーとしてIS Fを候補に考えていた時、モーターショーで発表されたRC Fの存在を雑誌で知り、それならばと購入を決めたそうだ。
そして、そもそもサーキットに行きたいクルマが欲しくなったきっかけを伺うと、それに至るまでの長いエピソードを教えてくれた。
「もともとは20代から会社の仲間と一緒に趣味でラリーをやっていたんです。全然クルマ関係の会社ではないのですが、ランエボIIIを買って会社の先輩にクルマ遊びをしたいと相談したらショップを紹介してもらって、ラリー部門のあるクラブに入りました。東京で開催されているシリーズに参戦して同僚にナビを頼んでペアを組んでいたのですが、38才でラリーから離れてしまいました。ちなみに当時のナビはその後全日本ラリーへステップアップしたんですよ」とオーナー。
とはいえクルマへの興味が薄れたわけではなく、ラリーから離れてからは第二ともいえるクルマ人生がスタートした。
「ランエボからは初代のヴィッツ(1000cc)に乗り換えました。それはTRDラリーチャレンジのワンメイク仕様の競技ベース車でしたが、ラリーには参戦せずに『酷道・険道』って言われるような道路を走るのが楽しくてそれで遊んでいました。高速料金が1000円だった時期は全国の酷い道を走りたくて本当によく出かけてましたよ。それで、そのころから実家から持ってきたセドリックと2台で普段乗りをしていたのですが、修理で費用がかさむようになってきて乗り換えようと思い始めたのが、ちょうどRC Fが出たタイミングだったというわけです」
ようやくここでRC Fが登場することとなったが、ヴィッツで高速道路に乗っていると1000ccの加速感が不満だったというのも理由のひとつ。ハイパワーなスポーツカーという点では、元ラリーストとしては現行のランエボやインプレッサも候補にあがったそうだが、年齢を考えると車格が高く普段は落ち着いた雰囲気で乗れて、サーキットでも文句のない性能を持つクルマが理想だったようだ。
なによりもFモデルが特別なのは、通常のRCのエンジン排気量が3.5L止まりなのに対して、2UR-GSE型の自然吸気5Lエンジンが積まれていることだ。特に、最初のIS Fが423psだった時すら大きな話題を呼んだにもかかわらず、RC Fはさらに50psもハイパワーなのだ。低速からトルクがあって乗りやすく、自然吸気で高回転までパワー感が落ちない乗り味はオーナーも大満足のポイントだ。
パワーは申し分ないことは分かっていたが、およそ1.8トンの車重を考えるとサーキット走行にあたってはブレーキ面が不安だったこともあり、パッドとブレーキホースはトムス製に交換した。こういった制動性能へのこだわりは、エスケープゾーンがゼロの環境で全開走行をおこなってきたラリーストならではの感覚かも知れない。
今のところ、このRC Fで走ったことのあるサーキットは富士スピードウェイと、住まいのある千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイとのこと。しかし、あまりにも意外だった事実というのが、今年の9月にFISCOライセンスを取得し富士を走ったタイミングというのが、オーナーにとって人生初のクローズドサーキットの走行だったということだ。ラリースト出身という立場ゆえ、これまでスポーツ走行をすることはあってもサーキットとはずっと無縁だったというわけだ。
これまでのオーナーのクルマ人生を振り返ると、第一のステージはランエボに乗ってのラリー参戦、第二のステージがヴィッツでの酷道めぐりにあったといえる。そして、50代を迎えたオーナーがこれから走り込むであろうサーキットという第三のステージの相棒として選んだ1台こそが、このRC Fだったのである。
(テキスト:長谷川実路 / 写真:平野 陽)
[ガズー編集部]
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