ファミリーキャンプをより快適に楽しく演出してくれるバンライフ仕様のフレンディ(SGEW)
アウトドアブームの波に乗りクルマを使ったキャンプは、従来からある『オートキャンプ』に加え、欧米に端を発した『オーバーランド』や『バンライフ』、さらに手軽に楽しめる『車中泊』と言った呼び名でスタイルの細分化が進んでいる。
今回は、国産ミニバンの1996年式マツダ・ボンゴフレンディ(SGEW)をベースに、バンライフ仕様を構築してアウトドアカーライフを楽しんでいる熊倉さんファミリーにお話を伺った。
ボンゴフレンディといえば、1990年代後半に「RF-Vキャンパー」グレードとしてメーカー純正キャンピングカーを用意したアウトドアビークルの先駆け的存在。
ルーフ上に電動で開閉するポップアップ式テント『オートフリートップ(AFT)』を備えたり、3列目シート部分にギャレーを搭載したりと、本格的なオートキャンプにも対応する充実装備を武器に、アウトドアファンから熱烈な支持を得ていたモデルだ。
熊倉さんがこのフレンディを手に入れたのはほんの数ヶ月前。それまでは所有していた1998年式のシボレー・サバーバンでオーバーランド仕様を作ろうと考えていたものの、ベース車が壊れてしったことで断念。
手元に残っているのは仕事で使用するサニトラ(B122)と、奥さんのシビックセダン(EF2)という状態だったため、アウトドアで快適に使えるファミリーカーがどうしても欲しかったという。
そんな時に友人がこのボンゴフレンディを手放すという話を受け、ファミリーキャンプの相棒として迎え入れることに決定。手に入れたフレンディは、キャンピングモデルではなく通常グレードではあるが、趣味のキャンプに適したカスタマイズを施すことで使い勝手を向上しているのが見どころだ。
そのいちばんの特徴が、インテリアのウッドワーク。ルーフやサイドパネル、フロアには本物の木材を組み合わせることで、スクエアボディによる広い空間を、素っ気ないミニバン的内装からコテージの一室のような温かみのある空間へと作り変えている。
さらに、セカンドシートを倒したらサードシート部からベッドを引き出すことでフルフラット空間が実現する仕組みのワンオフベッドキットを組み合わせているのもポイント。この広々スペースを使って、夜間も家族団欒が楽しめるように、LED照明でデコレーションするなど、雰囲気作りにも余念がない。
また、クォーターウインドーに取り付けられる有孔ボードはちょっとした荷物を吊るしておくのに便利な装備品。キャンピングカーなどでは専用品が売られているが、こちらはイケアで購入したメッシュボードを加工して取り付けることでリーズナブルに仕上げている。アイデアと工夫を凝らすことで実用性をアップさせているというわけだ。
ベッドを収納すれば家族4人が快適に移動できるシートレイアウトが出現。乗り心地も良く、シートスライド機構などで広々と座れる空間となっている。このゆったりスペースは、サニトラやシビックセダンでは得られないため、フレンディを手に入れた最大のメリットともいえるだろう。
さらに、エクステリアもボディを日産・キャラバン純正色のホワイトでオールペンし、バンパーはツヤ消し黒の組み合わせに。さらに日産・キャラバン用スチールホイールにトリムリングを合わせることで独自のスタイリングを完成させている。
若干の遊び心としてはノーマル車高のまま、トーヨー・オープンカントリーA/Tを組み合わせることでリフトアップ風スタイルにイメチェン。さらに海外から輸入したというバグガードをセットすることでアウトドアムードを高めているという。
ラゲッジに収まらない荷物を積載するキャリアやラダー、さらに夜間真っ暗なシーンでも周囲を照らせるワークライト、オーニングなどファミリーキャンプを満喫するためのアイテムも加えることで実用性はさらにアップ。
このルーフキャリアやラダーは父和也さんと長男大和くんが2人で登って、男同士で夜空を眺める語らいの場としても活用できる“男の隠れ家”としても活用しているのだとか。
キャンプ歴7年の熊倉さんは、フレンディを手にいれる前は奥さんのシビックセダンでファミリーキャンプを楽しんでいたという。このシビックだけでなく、時にはサニトラで大和くんと男2人のキャンプにも行っていたというだけに、状況に応じたキャンプの楽しみ方も熟知している。
ちなみに次男の和楽くんはまだ5ヶ月のため、おむつ交換などでもフラットで広いスペースがあるバンライフ仕様のフレンディは大活躍。快適かつ楽しみの幅をさらに広げてくれる存在なんだとか。
ご夫妻でクルマとキャンプを愛する熊倉さんだからこそ、子供達には色々な経験を積ませてあげることができるはず。もちろんその影響を色濃く受け継ぐ長男の大和くん、そしてまだ5ヶ月という和楽くんにとっても、楽しい思い出が増えていくことは間違いない。
完成されたキャンピングカーではなく、自分たちのイメージに合わせて作り上げたバンライフ仕様は、家族との思い出作りにも大きな役割を担っているというわけだ。
取材協力:レッツチルアウト
(文:渡辺大輔 / 撮影:中村レオ)
[GAZOO編集部]
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