ハイエースで車中泊ライフを楽しむ2組の親子。それぞれが手に入れた幸せの形とは?

  • トヨタ・ハイエースで車中泊とキャンプを楽しむファミリー

仕事グルマとしてだけではなく、普段使いのファミリーカーや快適車中泊仕様など、内外装を自分好みにカスタムした車両も多く見かけるトヨタハイエース
11月初旬に神奈川県の相模原で開催されたアウトドア×カスタムカーイベント『レッツチルアウト』のキャンプエリアでも、YouTuber仲間と4台でこのイベントに参加し、ハイエースで車中泊キャンプを楽しむ2組の親子キャンパーに出会った。
そんな2組に、親子で楽しむハイエースキャンプライフの魅力についてそれぞれお話しを伺った。

運転からDIY、YouTube配信までこなすアクティブママ 『みーまる』さん

  • トヨタ・ハイエースで車中泊を楽しむみーまるさんファミリー

まずご紹介するのは、ハイエースでの日常ライフやカスタムの様子を『ときめきハイエース』というチャンネル名で配信されている『みーまる』さん。
4人の子供のママでもある彼女は、このハイエースを購入するまでクルマのこともキャンプのこともまったく知識のない状態だったという。

「うちは4人の子供と旦那の6人家族なんですけど、全員乗って荷物も積めちゃうハイエースなら普段使いにもいいのではと、2年前に新車で購入しました。買う前は大きいクルマを運転できるか不安だったんですけど、センサーやバックモニターが付いていることを知って全然平気かなって」

  • みーまるさんのトヨタ・ハイエース
  • トヨタ・ハイエースのリアビュー

みーまるさんが新車で購入したのは2020年式ハイエースワゴンのGLグレード。
納車されたころにYouTube配信もスタートし、LEDのルームランプなどハイエースに必要と感じたアイテムを配信を兼ねて少しずつ追加していったという。
そのうちに周りの人たちがハイエースで車中泊しながら出かけていることを知り「自分も行きたい」とカーテンや靴箱なども追加していったのだとか。

  • みーまるさんがトヨタ・ハイエースにカスタムしたLED
  • みーまるさんがトヨタ・ハイエースに取り付けたカーテン

「ハイエースでの車中泊について調べはじめたのはいいけれど、ネジのサイズとか工具の名前とか私みたいなクルマの素人主婦が見てわかるような初心者目線の動画が少なくて。

それならファミリー向けに自分で主婦目線の配信をしてみようかなって思ったのが、本格的な配信活動のキッカケでした」

  • トヨタ・ハイエース用のMGR Customsのベッドキット

そんなみーまるさんのハイエースの車内で一番気になるものといえば、やはりこのベッドキットだろう。

「これはMGR Customsというブランドから去年発売されたベットキットです。このキットは12万円で、片付けも10分くらい。

問い合わせたときはまだ開発中とのことだったので『できたら教えてください』ってお願いして、完成後に直接受け取りにいって組み立て動画を撮りながら教えてもらったんです。こういうのって説明書を読みながらだと難しいけれど、映像を見ながらやると案外簡単だったりするんですよね」

  • トヨタ・ハイエースにみーまるさんがDIYしたセンターコンソール

そんなみーまるさんが一番お気に入りのカスタムが、センターコンソールのフラット化だ。「クルマを壁ギリギリに停めて、コンソールをまたいで助手席や後部座席から出入りすることなんかもあるので、すごく便利になりました」とのこと。

またお子様が多いと気になるのがトイレ事情だが、「緊急トイレの時は子供のトレーニング用の洋式おまるなんですけど、おむつを入れれば吸収してくれるので、それを使ってますよ!」とみーまるさんらしいひと工夫も。

  • みーまるさんのトヨタ・ハイエースの車内
  • YouTube「ときめきハイエース」のステッカー

そんな彼女は、現在月2回ほどの頻度でお子様たちと一緒に車中泊キャンプを楽しんでいるそうだ。

「インドア派の旦那は『楽しくやってくれたらいいよ』と温かく送り出してくれますね。今日も一番下の2才児は旦那と一緒にお留守番です。『行きたい人はついてきて〜』と誘うとみんな『行く』というので、子供達も好きみたいです(笑)。

最近は車中泊イベントのお誘いを受けることも増えてきて、参加側だけじゃなく企画側に回ることもあって、そこでまた新しい繋がりが増えたりするので楽しいです。運転も3時間くらいは余裕で走れるようになりました。まさかこんなに出かけるようになろうとは思ってもいませんでしたね」

過去を乗り越え、たくさんの思い出を娘とともに 『ハム』さん

  • トヨタ・ハイエースで車中泊を楽しむ「ハム」さんファミリー

そしてもう1組は、娘さんと共にハイエースで車中泊旅を楽しむためにハイエースを購入したという『ハムちゃんねる』の『ハム』さんだ。

「7年前、娘とふたりで旅を楽しむためにキャンピングカーをいろいろ探していたら、長野の展示会でキャンピングカー登録されたこのハイエースを見つけたんです。5000kmしか走っていない新古車で『これだ!』と思いました」

  • ハムさんのトヨタ・ハイエース
  • ハムさんのトヨタ・ハイエースの車内
  • ハムさんのトヨタ・ハイエースのキッチン

ハムさんが購入したのは2017年式ハイエースバンのナローハイルーフモデルで、キッチンシステムや水道、冷蔵庫、さらに収納可能なデスクや便利な踏み台などが装備されたキャンピングカー仕様。ナチュラルテイストな内装には、ハムさんのセンスの良さがキラリと光る。

「一時期はコロナの関係で出かけられませんでしたが、このクルマで娘と一緒にいろんなところに出かけて現在7万キロくらいになりました。夏休みのような長期休みの時は新潟から茨城にいったり、富山に行こうとしてやっぱり南下してみたりといった感じで、泊まる場所も特に決めずに疲れたから今日はこの辺で…みたいな旅です」

  • ハムさんのトヨタ・ハイエースと娘さん

とはいえ、娘さんは現在中学1年生。友達と遊んだり部活があったりと、お父さんとの旅よりも楽しみが出てきてもおかしくはないはずだが「この旅が楽しい」とのこと。

「率直に嬉しいですよね。でも高校に入ったら友達優先になると思うから、あと3年は連れ出そうと思っています。そして大きくなったら自分でもこういう旅をしてもらいたいなと。出会いがたくさんあるので、世界が広がりますからね」

ちなみに、最初の頃は上段のベッドで寝ていたけれど、最近は大きくなってきたため写真のように下段部分にエアマットを敷いて寝るのが定位置になっているという。

  • トヨタ・ハイエースで作業をするハムさん

実はハムさんがYouTube配信を始めたのも、娘さんとのこの旅の思い出を残していこうと思ったのがキッカケとのこと。

「僕は妻ともうひとり娘がいたんですが交通事故で亡くなってしまったので、この子と一緒にいる時間を増やそうとキャンピングカーでの旅で思い出をたくさん作ることにしたんです。

YouTube配信は最初に娘が憧れていたので、僕も編集を勉強しているうちに配信自体が面白いと思うようになり、自分のクルマの紹介なんかをしているうちに気付けば今の形になりました」

  • トヨタ・ハイエースの運転席に座るハムさん

そして長距離ドライブに欠かせないハムさんのお気に入りアイテムが、レカロ製のリクライニングシート。
「僕も交通事故の時に腰の骨を痛めていて、いろんな椅子やカバーなどを試したところ、抜群によかったのがこれなんです」と大絶賛だ。

  • スパイスを見せるトヨタ・ハイエースオーナーのハムさん
  • トヨタ・ハイエースオーナーハムさんのキャンプ道具

ちなみにハムさんの本業は飲食業で、現在はこのハイエースで連結した移動販売車がメイン。そのため味へのこだわりは強いそうで、持参している調味料の多さに驚いた。

「元々イタリアン系だったので、バジルやオレガノなどの香草系スパイスや、ガーリックパウダーなどの調味料はたくさん持ち歩いていますよ。このコンロに乗せて温めるタイプの古いオーブンもお気に入りです」
もちろん娘さんからも「お父さんの作る料理は美味しい」と好評の様子だ。

  • トヨタ・ハイエースオーナーハムさんの書いた「御車印」

ところで気になったのが、ハムさんが持っていたこの御朱印(?)らしきもの。これは仲間から『御車印』と呼ばれている様子。

「ちょっと前に車中泊する会に行った時に、仲間から『●●大明神って書いてみて』と言われたので、じゃあ御朱印みたいにしてみるかと思って書いたら、みんなが「これいいね」と言ってくれまして。SNSにアップしたらみんなも作りたいと言ってくれるようになって、現在はこんな感じで増えました。みんなが楽しくなる企画っていいですよね」

  • ハムさんのトヨタ・ハイエースのリアビュー

そんなハムさんは、今後はさらに日本全国を旅したいそう。
「特に北海道ですね。このハイエースでフェリーに乗って、ぐるっと一周してみたいです。それに西の方にも美味しいものを食べに行きたいですね。知らないものもまだまだいっぱいあるし、自分の仕事にも還元されるので」

  • トヨタ・ハイエース仲間たち

ハイエースで車中泊ライフを始めさらにYouTube配信を始めたことで、新たな生きがいや仲間との出会いという“幸せの形”を手に入れたみーまるさんとハムさん。
それぞれの家族にとって欠かせない相棒となったハイエースは、きっとこれからもたくさんの幸せな体験を共にしていくことだろう。

取材協力:レッツチルアウト

(文:西本尚恵/ 撮影:長谷川実路/ 編集:GAZOO編集部)