GRヤリスは親子ふたりの宝物! クルマ好きな息子さんと楽しさ2倍のカーライフ

  • トヨタ・GRヤリスとオーナーさん親子

「ディズニーランドに行くよりサーキットに行きたい! 夢はレーサーになること」そんな小学6年生の息子さんと一緒にレース観戦や競技を楽しむことで、充実したカーライフを送っている方がいる。トヨタGRヤリスに乗るお水さん(55才)だ。

この日は2023年スーパー耐久第6戦岡山国際サーキット決勝日。一緒に観戦に来ていたクルマが大好きな息子のタイキ君(12歳)と共に、取材にご協力いただいた。

「クルマはずっと昔から好きでした。若い頃は70スープラやインプレッサWRXなどで富士スピードウェイのライセンスを取って走っていたんですが、なかなかタイムが出ずダートトライアルに転向したんです。これが思った以上に楽しくて、スターレットで出場した草レースでは入門クラスですが静岡県チャンピオンになったこともあったんです。

で、その後ミラージュに買い替えて今年はこのクルマで頑張ろうと思った矢先に静岡から神戸へ転勤が決まってしまって、そこからダートもおざなりになって…。そのうち結婚してフリードや今も所有するN-BOXといったファミリーカーに乗るようになりました」

  • トヨタ・GRヤリスのフロント

その後大のクルマ好きになった息子タイキくんが6歳になったころから、一緒にレース観戦に行くようになったそう。そんなお水さんが一目惚れしたのがGRヤリスだった。

「ダートラをやっていたこともあって僕はホットハッチが大好きで。そのためモリゾウさんがこのGRヤリスを発表した時にもう一目惚れです。本当は1番上のグレードが欲しかったけど、400万になると金銭的に厳しいし嫁からも反対されまして…。で、昔から大好きなトムスって“36”がエースナンバーなので、そこにこだわって360万円のRZグレードを買い、ナンバーも36にしてみました。あと、嫁を押し切れたのは息子もこのクルマを欲しがったというのもかなり大きかったですね」

  • トヨタ・GRヤリスの36のナンバー

「お父さんがGRヤリスを買うって言った時、めっちゃ嬉しいなと思っていて。ディーラーに行くときずっとついていって、もう納車の時にはめちゃワクワクしました!」

そう生き生きとした表情で興奮気味に答えてくれたのは、息子のタイキくん。

N-BOXに増車する形でそして親子ふたりの宝物として手元に届いたのが、この2020年式のトヨタGRヤリスのMT車だ。

それからはレース観戦や、JAF主催のプチジムカーナ的な競技であるオートテストなどで存分に親子でカーライフを楽しんでいる。

  • トヨタ・GRヤリスの運転席に座るお水さん

「オートテストはJAFメイトで知って、とりあえず出てみようかなとN-BOXの時からやっていたんですけど、楽しかったんですよ。その頃はまだこのオートテストの認知度も低かったので成績もけっこういいときもあったんです。で、GRヤリスもせっかく買ったからというのでやり始めたんですが…」

「でもGRヤリスで始めて少し経ったらだんだんGRヤリスが増えてきて、そのうちコテコテに改造したのも出てきてもう勝てない…」とお水さんの話を引き継いだタイキ君はちょっと悔しそう。

というのも、お水さんのGRヤリスはあまり大きなカスタムをしていないのだ。

  • トヨタ・GRヤリスの運転席
  • トヨタ・GRヤリスのフロントタイヤ

「今は自分がミラージュに乗っていた頃に使っていたナルディのハンドルやウィランズの4点シートベルトなど古いものばっかり装着しています。ただ、シートだけは古くなりすぎたので新しく買い替えました。それとダストの激しいブレーキパッドを社外に換えたのと、剛性アップさせるためのタワーバーを入れているくらいですね」

  • トヨタ・GRヤリスのタワーバーを指さすタイキくん

「オートテストの練習で僕が横に乗っていてカメラ撮ったりする時にヨレて斜めになったりしていたんですけど、タワーバーを入れてからはロールが減ったような気がしています」とタイキくん。

「あとはタイヤで跳ねた水でサイドスカートが真っ黒になってしまうので、自作のマッドフラップをフロント側に装着しています。本当はデフを入れたいのですが、狙っているのが60万円くらいするのでまだちょっと入れられないんですよ(苦笑)」

  • トヨタ・GRヤリスの自作のマッドフラップ

無理のない範囲でカスタムしながら親子二人で楽しんでいるオートテストの練習には、タイキ君がGRヤリスに乗ることもあるという。

「近くの練習場に行く時には息子にもちょっと運転させたりすることはあるので、マニュアルの運転も一応できるようになりましたね」

「シートを一番前にすれば足は届くんですけど、やっぱりクラッチ操作だけはつま先になっちゃうしちょっと重いので難しいなーって。えへへ」

そんなお父さん同様にGRヤリスでのカーライフを楽しんでいるタイキ君の夢は、レーサーになることだ。そして6歳から様々なレース観戦に連れて行ってもらっているだけあり、その知識量はお水さんが「僕より息子のほうがはるかに詳しいです」と苦笑いするほど。

「一番好きなのはマシンがカッコよくて速いSUPER GTです。選手も好きなので将来はSUPER GTに出てみたいなと思ったりしています。この前はドリフトのフォーミュラDも見に行って応援している選手のサインももらってきました」

  • トヨタ・GRヤリスオーナーのお水さんとタイキくん

ととっても嬉しそうなタイキくん。ただ、話を聞いていると4輪駆動のGRヤリスよりもグリップレースやドリフト競技で活躍する86などのスポーツカーの方が好きなのではないかと思い聞いてみたところ…

「たしかに僕は86が1番大好きです。でもダートとかを四輪で走ってタイヤが食う感じとかクルマの動きを感じられるのはとっても好きなので、やっぱりGRヤリスも好きですね!」

そうハキハキと語ってくれるタイキくんと話していると、本当に大人と会話している気分になるから不思議だ。するとそんな息子さんの更なる驚きのエピソードをお水さんが話してくださった。

  • トヨタ・GRヤリスについて話し始めたら止まらないお水さんとタイキくん

「よくディーラーに通っていた頃に、クルマが好きすぎていろんな営業さんに『これ見積もって、あれ見積もって』とお願いしたりハガキを出したりしていて、お母さんに怒られていましたね(笑)。そうしたら一時期営業マンから『最近ハガキもらえないんですけど、どうされました?』って心配されたこともありました。

その後にその営業マンさんから『章男社長にハガキ出されました?』と聞かれまして。どうやら章男社長からそのディーラーに連絡があったみたいで、なんとトヨペット岡山のスーパーGT参戦チームK-tunes Racingのガレージにご招待いただいたんです。当日、息子はモリゾウさんからお手紙や、WRCで活躍するロバンペラ選手やタナク選手のサインの入った帽子をもらっていたんですが、正直僕が欲しいくらいでしたね(笑)」

  • グランツーリスモをプレイするタイキくん

きっとクルマ好きなタイキ君の行動力からは、それを見守る周りの方達が応援したくなる一途さ感じられるに違いない。また、タイキくんはeスポーツの大会へ参戦するほど『グランツーリスモ』にも夢中で、自宅の練習用のセットにはお水さんが昔使っていたレカロのシートが再活用されているのだとか。

「eスポーツの大会では今のところ全然いい成績がでなくて……。でもグランツーリスモ内でチューニングして作ったクルマは60台くらいにあって、その中にはうちにあるGRヤリスを再現したマシンもあります。1番のお気に入りはドリフト仕様のヤリスでそれでケツ侵入の練習をしていて、うまくできたときはめっちゃ嬉しいのでSNSのコミュニティにアップしたりするのが楽しいです!」

  • トヨタ・GRヤリスのリア

そんなタイキくんの夢を応援しているお水さんに、今後、タイキ君がこのGRヤリスを乗る可能性があるかを尋ねてみた。

「うーん、その可能性はありますね」

「僕もお父さんが飽きてきたら乗りたいけど、多分お父さんはずっと乗ると思う。だから18歳になって免許を取ったら、今のGR86に乗ってグリップもドリフトもガツガツやりたいな!」

「あはは、分かってますね(笑)。実はやってみたいことはあって、多分この先エコの波がやってくるのでこのヤリスの水素エンジン化、ですかね(笑)。このクルマはとても気に入っているのでボディはそのままで!」

  • トヨタ・GRヤリスのラゲッジに座るお水さんとタイキくん

人が人を動かす要因の一つは、熱意や情熱だ。そしてお水さんは、そんな熱意の塊であるタイキくんとレース観戦やモータースポーツへの参加などで一緒に行動することで、きっとご自身1人で動くより何倍も楽しんでいるのではないだろうか。

お水さんはこれからも大切な愛車と夢に向かって走り続けるタイキ君と共に、楽しいカーライフを送っていきそうだ。

(文:西本尚恵/撮影:稲田浩章)