いつか実現したい東京ディズニーリゾートでの愛車との記念写真。エンジンサウンドに惚れて選んだ若者のソアラ愛【取材地:福岡】
「見た目から全然想像つかない趣味って周りからもよく言われるんですけど、ディズニーが大好きなのは幼稚園のころからです。母親の影響で自然と自分もハマっていきました。去年は自分の好きなパレードが終わるタイミングの3月に予定が取れたのでこのソアラで東京ディズニーリゾートまで自走して、看板の前でクルマの写真を撮るつもりでいたのですが、コロナの影響で臨時休園が始まっちゃって残念ながら行けませんでした」
そう話すのは、このトヨタ・ソアラ(JZZ30)のオーナーである福岡県在住の平石巧さん(28才)だ。自らを『重度のディズニーオタク』と話す平石さんにとって、スポーツカーへの憧れもディズニーと同じように子供の頃からのものだったという。
「物心がついたときにはクルマ好きだったみたいで、小さい頃はミニカーを集めたり、道路で見かけるクルマの名前を覚えたりして喜んでいたみたいです。中学生のときには福岡オートサロンやドリフト大会のD1グランプリを見に行くほどチューニングカーが好きになっていました。雑誌も読んでいたし、免許を取る前にプロドリフト選手の野村謙さんが代表を務める福岡県のチューニングショップURASに遊びに行ったこともありました」と、ディズニーリゾートでアトラクションやキャラクターを楽しむのとおなじ軽いフットワークで、クルマに関するイベントや聖地にも足を運んできたようだ。
そんな平石さんが1台目となる愛車を手に入れたのは、大阪芸術大学を卒業後、地元福岡でメディア関係の仕事に就職してからのことだった。
「就職したら自分のクルマを持とうと決めてました。当時一番好きだったのはホンダのアコードユーロRだったんですけど、そのときのカノジョがAT限定だったのでオートマのクルマを探しました」
トヨタのアルテッツァとMR-S、BMWの3シリーズ(E46)が候補に上がったというが、50万円の予算の範囲でもっともトラブルが少なそうという理由で選んだのはアルテッツァ。「地元の仲間と競って走るのが好きで楽しく乗ってました」と、2年ほど楽しんだという。
そこから現在の愛車であるソアラに乗り換えることとなるのだが、平石さんがソアラに最も惹かれた理由は、そのエンジンサウンドにあったという。
「直6エンジンの音が大好きなんです。国産だと日産のRBエンジンもあるんですけど、どっちかっていうとRBは荒々しさがある音で、トヨタの1JZは澄んだキレイな音という印象で、断然1JZのほうに憧れがありました」
そこで、まずはトヨタの1JZエンジン搭載車に狙いを絞った平石さん。まず候補に上がったのが、チェイサー、マークⅡ、クレスタの3兄弟車として知られるJZX100系だった。
「でも、JZX100は周りにも乗ってる人が多かったんですよね。そこはちょっと被りたくないなと思ったんで、あまり人気のないJZX110マークⅡもいいなと思っていたんです。そんな感じで悩んでいる時に、たまたま知り合いのところにオールペン済みでサンルーフ付きのこのソアラを見つけて、ちょうどエンジンが1JZだし、スタイルもとても好みだったので即決しました」
偶然にも平石さんにとって、子供のころに両親に買ってもらった足漕ぎのおもちゃがソアラだったという、個人的に思い出のある車種でもあった。
ソアラ購入後は、さっそくマフラーを柿本レーシング製に交換したことで、1JZのエンジン音がさらにクリアで甲高いサウンドを奏でるようになったという。
「ノーマルでかなり完成度が高いクルマだと思うので、社外のエアロパーツとかは付けずに、車高もベタベタにはせず、なるべく純正のスタイリングを維持したままカッコよく見えるように心がけています」と、見た目に関するこだわりっぷりも、さすが芸術大学出身といったところ!?
購入時には13万kmだったという走行距離は、3年目にしてすでに20万kmを超えた。「ソアラに乗ってドライブがてら食べ歩きするのが楽しみで、ラーメンを食べるためだけに九州の色んなところに行きました。長距離で遠征することもありますが、2~3時間運転し続けてもアルテッツァより乗っていて疲れないところも、ソアラのいいところですね」
その長距離ドライブを共にする運転席にはレカロのリクライニングシートのSR3を使用しているが、あえて後付けのカバーによって助手席の革シートとの統一感を損なわないようにしている。
エンジンの調子を知るための後付けメーターも、ソアラに純正採用されているデジタルメーターと雰囲気をマッチさせるためにオールインワンディスプレイのタイプを用いたのも平石さんのこだわりだ。
自分のクルマの姿を残したいと思ってアルテッツァに乗っていたころに購入したミラーレス一眼カメラを使った撮影は、ソアラに乗り換えてから本格的に力を入れるようになった趣味のひとつだ。
「やっぱりカッコいいクルマの姿を残しておきたいと思うようになったんですよね。友人に頼まれて撮影したり、ミーティングでほかのカッコいいクルマを撮るのが好きです。仲間から口コミで教えてもらったりした場所や、ドライブがてら撮影スポットを探したりすることもあります」
自ら撮影した愛車の写真を見せていただくと、このようにロケーションにまでこだわられた凝った写真も多く、ソアラへの愛情が伝わってきた。最近は、スチール撮影の趣味が高じて仕事としての依頼もやってくるほどになったという。
また、愛機のキヤノンのEOS KISS X9につけているストラップと、カメラバッグが2018年の東京ディズニーリゾート35周年を記念して作られた限定品というところも、平石さんのディズニー愛を伺えるポイント。幼稚園のころの15周年から20周年、25周年…とアニバーサリーイヤーには必ず東京ディズニーリゾートを訪れているとのことで、もちろん次回の40周年も必ず行くと心に決めている。
平石さんがソアラに注ぐ愛情の深さはそのボディからも伺える。「せっかくいいクルマに乗っているのに汚れた状態だと安く見られてしまうじゃないですか。黒いボディは水垢とかが残りやすいし、雑に洗車ができないのが大変ですけど、キレイに仕上がったあとにキレイな反射が映り込むのを楽しみにして、必ず週に1回は洗車するようにしています」と、こちらがその洗車後の光沢あるボディを撮った写真だ。最近では固形ワックス並の光沢が出るという、エーモン製のコーティング材がお気に入りとのこと。
「このソアラはフレームがダメになったりして、もう乗れないってなるまでは乗り続けたいと思っています。外装は自分の理想に近いカタチになったので、ゆくゆくは距離を走ったエンジンをオーバーホールしたり、余裕があればパワーアップのタービン交換もやってみたいですね」とソアラとの今後のカーライフを話してくれた平石さん。
そして何よりも楽しみにしているのが、昨年3月に予定しつつも休園によって延期せざるを得なかった、ソアラと一緒に旅する東京ディズニーリゾートへの訪問だ。
「できれば今年、来年でもコロナが落ち着いたら行きたいですね」その願いを実現するためにも、新型コロナウイルス流行の一刻も早い終息を期待したいものである。
(⽂: 長谷川実路 / 撮影: 西野キヨシ)
[ガズー編集部]
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