共に走った距離は32万5000km。17年連れ添ったスイフトスポーツとの“これまで”と“これから”
スイフトスポーツと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、チャンピオンイエローの車体色という人も多いはずだ。JWRC(ジュニア世界ラリー選手権)にて、スズキのKeiをベースにした初代スイフト(海外名:イグニス)が活躍し、その時のボディカラーが、このチャンピオンイエローであった。当時は圧倒的な速さを見せつけ『YELLOW BULLET (黄色い弾丸)』とも呼ばれていたという。
このラリーで培った技術を駆使し、2003年に誕生したのがスイフト1.5スポーツ(HT81S)。これはスイフトスポーツ(ZC31S)の前身となったモデルで、約1年間しか発売されなかった超希少車だった。
翌年の2004年にスイフトがモデルチェンジとなり、スイフトスポーツは1年遅れの2005年にデビュー。これが現在中村さんの乗っているスイスポ(ZC31S)だ。
余談だが、公式ではこのZC31Sが初代スイフトスポーツとなっているものの、中村さんをはじめスイスポマニアの間では、前車のHT81Sを初代と位置付けているユーザーも少なくないそうだ。
18~24歳までスズキのディーラーに勤務していた中村さん。
「当時はクルマが好き! というわけでもなく、就職した先がスズキだったという感じです」といった経緯もあって、マイカーもなんとなく自身が勤務するスズキで、カルタス(AA44S)を購入。だが、このカルタスとの出会いがきっかけとなり、クルマのカスタマイズに興味を持つようになる。
それは、カルタスのホイールを社外のアルミホイールへ交換したことだ。パーツを替えただけで、クルマってこんなにカッコよくなるのか! と、その時の変貌ぶりに衝撃を受けた中村さん。そんな体験が基となり、愛車はノーマルでは乗らずに、必ずカスタムやチューニングを行なうようになったそうだ。
そんな時、中村さんにまた転機が訪れる。カルタスに1年ほど乗った頃、エスクードが新発売された。勤務していたディーラーにやってきた初代エスクードの実車を見るやいなや『カッコイイ』とひと目惚れ。エスクードのコンバーチブルへと買い替えた。
そして、その頃に新たにハマったのがカーオーディオの世界。
「当時はアナログサウンドが主流だったので、スピーカーを交換するだけで音がダンゼン良くなっていくのがうれしくて、クルマで音楽を聴くのが楽しくてしょうがなかったです」と中村さん。
エスクードでは、高級ブランドで有名なナカミチ製スピーカーへと交換したりするなど、音質重視のシステムにこだわっていたという。そして、このカーオーディオへのこだわり関しては、現在のスイスポにも引き継がれている。
その後の愛車遍歴は、マツダ・RX-7(FC3S)、スズキ・アルトワークス(CA72V)、スズキ・エブリイ(DA62V)、スズキ・カプチーノ(EA11R)、ダイハツ・ミラ(L200)と、買い換えや同時所有を経て、カプチーノがメインカーとなっていたそうだ。
そのカプチーノも多くのチューニングやカスタマイズなどを施していたため、別に普段乗れるクルマが欲しいと思っていたという。そして、セカンドカーを探しにふらりと立ち寄ったスズキの販売店でのこと…
「そこに置いてあったのがスイフト1.5スポーツ(HT81S)で、ちょうど試乗車があったので乗ってみたのですが、エンジンフィーリングの良さに衝撃を受けました。なんでも試乗車なのにピストンのバランス取りが施され、エンジンがファインチューンしてあって、これだとノーマルエンジンでも気持ちよく乗れるのでは!? と感じました」と、その場でスイフト1.5スポーツの購入を決定! これが、中村さんとスイフトの出会いとなる。2003年式のチャンピオンイエローで、足まわりやオーディオを中心にカスタムしていたそうだ。
その1年後にはスイフトがモデルチェンジとなり、2年後に初代スイフトスポーツがデビューする。「発表された直後から、実はZC31Sの方がカッコイイな、と(笑)」スイフト1.5スポーツ(HT81S)の車検を機に、新型であったスイフトスポーツ(ZC31S)へと買い替えた。ところが、購入してわずか2ヶ月後にスイスポがマイナーチェンジしてしまう。
「さすがに自分が乗る1型を買ってスグのタイミングだったんでかなり後悔しました…。マイチェン後の2型はレブリミットの回転数が上がり、クロスミッション化、ミラーウインカー、横滑り防止機能など、自分が買った1型より装備がグレードアップしていたので…」
ショックが隠せなかった中村さん。かしかし、落ち込んだもののせっかく出会った1台。こうなったらトコトン可愛がってやろう! と決意したという。
フロントリップを筆頭に、カナード、ディフューザー、カーボンボンネットにボンネットスポイラー、ヘッドライトスポイラー、フロントフェンダー、サイドステップ、リヤセンタースポイラー、ルーフフィン、リヤゲートスポイラー、そしてGTウイングといったアイテム数の多さはもちろんだが、数々のブランドをチョイスすることで、他とかぶらない自分仕様を完成させた。ちなみに最近のお気に入りは、TRDのドアスタビライザー。トヨタ車用だがSNSでスズキ車にも流用可能と分かり、早速取り付けてみたそうだ。
ボンネットにはJWRC(ジュニア世界ラリー選手権)にて参戦していたチャンピオンイエローのスイフトスポーツが呼ばれていた「YELLOW BULLET(黄色い弾丸)」の文字をアレンジ。このボンネットをはじめ、ルーフやリヤゲート、スポイラー類をブラックに塗り分け、差し色にレッドのワンポイントカラーを置くことで、インパクト大のオリジナリティあふれるスタイリングを実現している。
見た目だけではなく、エンジンに関してもトラストのGReedyボルトオンターボを装着。
「ライトチューンにはじまり、NAのコンピューターチューン、トラストのスーパーチャージャーキットと、エンジンチューンはこれで4回目の仕様変更となりました」
ターボ化にたどり着いたのは速さの追及はもちろん、スーパーチャージャー仕様よりもメンテナンス性が高そうだと判断した点もあったという。このチューニングによって、高回転域での伸びがダンゼン良くなったとのことだ。
そして中村さんが最も力を入れているのが、昔からこだわっているオーディオだ。
「きれいな音を引き出す“原音再生”をコンセプトにしたHi-Fiシステムをインストールしています。タイムアライメントを調整し、ボーカルが目の前で歌っているような臨場感が味わえるように、カロッツェリアXのDX-D7XIIIをメインユニットに据えて構築しています」
フロントスピーカーはアウターバッフルを使ってドア内張へ埋め込み。また、スピーカーのさらなる音質向上のため、車体にデッドニングという防振処理もおこなっているという。振動を抑制して車内に発生するノイズを軽減するカーオーディオでは定番の手法だ。
さらにリヤゲートを開けると、スイスポには珍しいウーファーボックスを設置。ラゲッジがフラットになるようにオーディオボックスをオーダーした中村さん。25㎝のウーファーとアンプ2基、プロセッサーがインストールされている。
「スペアタイヤを外しているので、代わりにパンク修理キットを常備しています。あと、ぜひ見てもらいたいのが、トノカバーに自作したブラックホールです!」
ブラックホールとは、合わせ鏡の要領で、内部に埋め込んだLEDが無限に光って見えるというものだ。
自らも地元でのオフ会を積極的に主催している中村さん。スイスポと共に17年過ごした走行距離は実に32万5000km。
「走行距離が伸びるのは仕事での移動に加え、オフ会などの参加で九州各地へ遠征しているからですね。ジャンルにこだわらず、いろいろなクルマのミーティングに参加するのが楽しみなんです。ミーティングのスナップ撮影も『変わった事をやってみよう』と、ドローンでの空撮にもチャレンジしています」
ドローンの操縦ができるようにSUSC無人航空機操縦士2級の資格まで取得してしまったというから、その熱意には驚かされるばかりだ。ロケーションが良い場所での航空撮影は迫力満点で仲間からも喜ばれているという。
新しいクルマを買う選択肢もあったが、やっぱり長年連れ添ってきたスイスポを選んだ。
「スイフトはアフターパーツが豊富なので、とにかく誘惑だらけです。お財布には優しくないです(笑)。そして、維持していくためのメンテナンス費用も年々かさんできています…」
「走行20万kmあたりでエンジンオーバーホールを行ない、同時に軽量フライホイールに交換しました。また、走行30万kmでミッションがダメになったので、欲しかった2型クロスミッションを中古ですが換装しています。この先、走行距離が40万kmに到達したら、もう一度エンジンオーバーホールするか、もしくはチューニングエンジンへの載せ換えを検討中です」
これからもスイスポを可愛がっていく気持ちは満々だが、走行距離が伸びる勢いを抑えるために、セカンドカーとしてスズキ・アルト(HA36S)を購入。普段の足として使っているが、このアルトも足まわりやオーディオが社外品へと交換されているとのこと。
たくさんの誘惑に惑わされつつ、かけがえのないパートナーであるスイフトスポーツと共に中村さんのカーライフは更なる深みへと進んでいく。
取材協力:虹の松原森林浴の森公園(佐賀県唐津市浜玉町浜崎)
(文: 櫛橋哲子 / 撮影: 平野 陽)
[GAZOO編集部]
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