GRヤリスの性能に衝撃を受けカーライフが一変! 今では夫婦揃ってGRヤリスの虜に

  • GAZOO愛車取材会の会場であるジーライオンミュージアムで取材したトヨタ・トヨタ・GRヤリス

    トヨタ・GRヤリス


トヨタがWRC(世界ラリー選手権)での活躍を目指して開発を進め、2020年に発売が開始されたスポーツハッチバック、GRヤリス(GXPA16)。専用設計のプラットフォームに高出力エンジンと高性能4WDシステムを搭載。市販車ながら、そのままでも競技で戦えるほどの戦闘力を実現したことで、モータースポーツ市場だけでなく、スポーツティカー好きのユーザーからも支持されている。

今回ご紹介する『Hant』さん(奥様)と『Luke』さん(旦那様)ご夫妻は、そんなGRヤリスと出会って衝撃を受け、今となっては夫婦揃ってGRヤリス乗りに。さらには、観戦オンリーだったモータースポーツから、競技にチャレンジするなど、愛車ライフが激変したという。

まず、最初にGRヤリスを購入したのは、Hantさんであった。父親がクルマ好きで小さな頃から家族でドライブに行くことも多かったということもあり、ご自身もクルマ好きに成長。運転免許も当然マニュアルで取得し、実家のクルマであった日産・シルビア(S13)で腕を慣らした後、23歳の時に最初の愛車としてトヨタ・チェイサー(JZX100)を購入したそうだ。

  • (写真提供:ご本人さま)

「チェイサーを選んだのは、走っている姿を見掛けた時にそのカッコよさに惹かれましたね。よくよく調べてみたらエンジンも強いし、4ドア車なので家族を乗せることもできるという点も決め手になりました。とても気に入っていて、このGRヤリスを買う前までの17年間、本当に大事に乗り続けていましたよ。実は当時、100系のマークⅡに乗っていた主人と、同じツアラー(100系)仲間という繋がりで出会いました。このクルマで主人と一緒にラリーやD1GPなどのモータースポーツ観戦に行くのが楽しみでしたネ」

ドレスアップ系のカスタムを楽しんでいた旦那様と共に、最終的には車高調整式サスペンションやマフラーの交換、フルエアロに全塗装までして綺麗に乗り続けていたHantさん。
まだまだ乗り換えるつもりはなかったそうだが、そんな彼女に転機が訪れたのは、今から4年前。GRガレージ宝塚に、当時のLukeさんの愛車であったレクサスRCのオイル交換に訪れた時だった。

「お店の一角にGRヤリスがあったんですよね。発売されたことは知っていたんですけど、まあ正直『ヤリスをスポーツテイストにした感じかな』くらいに思っていたんです。けれど、まず見た目が全然違ってびっくり! さらに試乗できると言われたので、それじゃあと思って、許可をいただいて少し離れた山道まで出かけたんです。そうしたら、剛性もシッカリしているし、坂道発進の時にはアシスト機能もあって楽ちん。ギヤチェンジも“iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)”のおかげでスムーズでした。『なにこの進化!? 運転がめっちゃ上手くなった気がする!』と、とにかくすごい衝撃でした」

そしてその場で交代して試乗したLukeさんも、Hantさん同様にその性能の高さに舌を巻いたという。
その頃、ちょうどチェイサーが電気的なトラブルを抱えていて、坂道途中にストールするなど不調だったこともあり、二人で1〜2週間相談し合った後、思い切ってチェイサーを下取りに出してGRヤリスの購入を決めたという。

Hantさんが購入したのは2021年式トヨタGRヤリス(GXPA16)。RZハイパフォーマンスという最上級グレードで、6速マニュアル。さらに納車前にHantさんが力を入れたのが、マフラー選びだった。

「やっぱりミッション車ですし気分も上がるので、マフラーは換えたいなって。YouTubeで色々探したんですけど、リアルな音質までは判りづらくて、名古屋のGRガレージさんに実際のマフラー音を聞きにいったりしましたね。で、音も良いしフルチタンで結構軽いこのサードのマフラーに決めたんです」

しかし、そんな“こだわり”の本領が発揮されるのはここから。というのも、なんと購入後1ヵ月経たないうちに白いボディカラーから、この美しいフルラッピング仕様へと変わったのだ。

「最初はラッピングするつもりは全くなかったんです。でもちょっとだけ個性を出したくなって、主人が愛車のレクサスRCをラッピングした時に余ったシートでボンネットだけ貼ってもらったんです。そうしたら主人から『なんかフリーザみたいになっちゃった』って連絡がきて(笑)。『それなら全部貼っちゃって』とお願いして、このボディカラーになりました。マジョーラカラーみたいに光が当たると色味が変わるのがとても気に入っています!」

想定外のフルラッピング作業をすることになってしまったLukeさんだが、前職は整備士だったそうで、細かい作業は比較的得意で、しかも好きなのだとか。当時の愛車レクサスRCで既にフルラッピングに挑戦しており、これが2台目。レクサスRCでの経験を活かして、無事に仕上げることができたという。とは言っても作業はやっぱり大変だったらしく、「休みの日に朝から深夜までフルに作業して、4日間かかりましたね、ハハハ」と苦笑い。しかしその甲斐があって、素人の筆者が見る分には、プロが作業したものと判別できないほど、見事な出来栄えだった。

「購入1ヶ月後にお店にこの派手な状態で来店したら、お店の人たちはさすがにみんなびっくりしていましたね(笑)」と、面白そうに当時を振り返るご夫婦。その光景が目に浮かぶようだ。

そして、それから3年ほどは外装を現状でGRヤリスライフを楽しんでいたHantさんだが、2024年の春頃にサード製のフロントハーフスポイラーが発売されたことから、早速そのスポイラーとリヤウイングをセットで注文し、半年後には今のスタイリングに。「丸みを帯びたウイングの形も気に入っています」と嬉しそうに話してくれた。

一方、ご自身の愛車レクサスRCに乗りながらも、たまに運転の交代でGRヤリスのステアリングを握っていたが、その度に、GRヤリスの楽しさを体感していたLukeさん。「奥さんのGRヤリスに乗れば乗るほどその良さを感じちゃって、このままでは“負けた気がする”と思ってしまったんですよね(苦笑)」

こうして、Lukeさんも奥さんに対抗すべく(?)、なんとGRヤリスの購入を決意。今回の撮影日の2ヵ月前、2024年11月に納車され、“GRヤリス夫妻”が誕生したのであった。

旦那様が購入したのは、Hantさんと同様の最上級グレードだが、2024年にマイナーチェンジがおこなわれた後のモデル。性能面ではさまざまな面で進化し、馬力だけ見ても272psから304psへと大きくパワーアップ。そのため、負けず嫌いだという彼女からすると、少し悔しいのだとか。それでも、エアロパーツで迫力を増したHantさんの方が華やかな見た目なので、どうやらそこは満足しているご様子である。

一方、新型で性能面では勝っているLukeさんは、自身のクルマより華やかなスタイリングである奥様のGRヤリスに対抗するように、早速フルラッピングにて、こだわりのカラーへと変身。LukeさんのボディカラーはHantさんより少し淡いパープルのグラデーションで、2台が並ぶとそれだけで目を惹きつける存在感を放っていた。
そんなお二人は、お互い愛車の進化に対抗心を燃やしつつ、実はとっても仲がいい。

  • (写真提供:ご本人さま)

そんなHantさんとLukeさんだが、GRヤリスに出会ったことでカーライフに大きな転機が訪れることに。それが、『TOYOTA GAZOO RACING ラリーチャレンジ』・通称“ラリチャレ”へ、ご夫婦での参戦することになったからだ。ラリチャレは、初心者さんにも難易度が高いラリーの楽しさを知ってもらいたいと、GAZOO Racingが主催するシリーズ戦で、お二人は一昨年からコンビを組んで参戦するようになったという。

「ある時、GRガレージ宝塚さんから『クルマもレーシングスーツもヘルメットも必要なものは全部用意するので、二人でラリーに出てみませんか?』という、ラリー参戦へのお誘いを頂いたんです。当時は近畿地区のGRガレージの取り組みで、ラリー競技を盛り上げるためにお客さんにラリーを体験してもらおうという企画があったみたいで、僕たちに声をかけてくれたようでした」

  • (写真提供:ご本人さま)

「私も主人も、ラリーやD1GPといったモータースポーツ観戦が趣味だったんですけど、当然競技に参加した経験は一切なかったので迷いましたね。でも、せっかくお誘い頂けたわけだし、思い切って出てみようということになりました。ラリーのルールは全くわからなかったので、お店のご紹介で全日本ラリーチャンピオンの奴田原さんの講習を受けさせて頂きまして、主人がドライバー、私がコ・ドライバーとして参戦したんです」

「そして、実際に競技に参加してみると、これが楽しくて、楽しくて! ラリチャレは人気のイベントなので、沿道で手を振って応援してくれる人もたくさんいて、非日常を体験できました!」

  • (写真提供:ご本人さま)

「僕もすごく楽しかったです。今までは見る側だったけど、エントラント側に回ると、メカニックの方や、これまでまったく関わりのなかったラリー関係者の方々から声をかけてもらえたり、色々な繋がりや経験ができたことも嬉しかったですね」

ちなみに、レース中はこれまで一度も喧嘩になったことがないというのだから、ご夫婦の相性は本当に良いのだろう。

そんなお二人に、今後のカーライフについて伺ってみた。

「カスタマイズの方では、ホイールを換えて私好みにしたいです。あとは、もっとドライビングテクニックを磨いて、自分のクルマでもモータースポーツにチャレンジできるようになれたら良いなって思っています」とHantさん。

また、Lukeさんも「足まわりのカスタマイズをしたいですね。それと二人で積極的にGRさんのイベントに参加して、オーナー仲間を増やしたいなと思っています。もちろんラリチャレへの参戦もしますよ!」と楽しそうに笑んだ。

観戦する側だったモータースポーツという趣味が、参加者側の立場になって楽しめるまでにカーライフが深化したのは、GRヤリスとの出会いがあったからに他ならない。
GRヤリスは、これからもHantさんとLukeさんのカーライフをもっともっと楽しく広げてくれる最高の相棒なのだ。

(文: 西本尚恵 / 撮影: 平野 陽)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:ジーライオンミュージアム&赤レンガ倉庫横広場 (大阪府大阪市港区海岸通2-6)

[GAZOO編集部]